社外製アタッチメントが増えれば需要も増えるか?
イジワル人間にジャマされたり、ドアを開けて別のロボットをエスコートする、Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)の犬型ロボ「SpotMini」。
5月の時点で、最初の販売は契約した工場で100台のみを生産し、あとあと更なる大量生産を目指すとのことでした。そしてInverseの情報では、2019年7月以降、年に1,000台を生産することになったようです。
目的を絞ってテスト中
名前の通りですが、SpotMiniは大型ロボット「Spot」のミニ版。高さはおよそ84cmで重さは約30kgというライト級。頭から生えるアームは13kgの重量を持ち上げることができます。そして17の関節を持ち、1度の充電で90分間の活動が可能となっています。
創業者マーク・レイバート氏がドイツで開催されたコンピューター・エキスポ「CeBIT」で語った内容にて、彼らはすでに4部門でクライアントに成り得る企業にテストをしてもらっているとありました。それらは建設、配達、防犯とホーム・アシスタントとなっています。
そして最初の10台は手作りで、次の100台は工場で、以降は年に1,000台と生産ペースを増やしていくことも語られたのでした。しかし年間1,000台も作られるとなると、地上はこんな感じになるかもしれませんね。
使い勝手と需要はいかに?
Fortuneによりますと、アームのアタッチメントはサードパーティ製でも装着できるようデザインされているとのこと。アイデア次第で各社ユニークなものを出してくるでしょうね。建設業ならシャベルやドリルかもしれませんし、防犯ならカメラとテーザーガン、家庭で使うなら頭から掃除機とかフロア・モップが生えていたりして?
2015年には、戦地で弾薬や負傷兵を輸送するべく、アメリカ陸軍が大型ロボット犬「BigDog 」の導入を検討したことがありました。しかし駆動音のうるささから断念された経緯があり、バランスよく歩く以外、機能的には便利なものではないんですよね。配達所から届け先まで、ラストワンマイルの配達をするにしても、路上ではさまざまな障害が待ち受けていそうな構造です。悪意のある人々に乗られたり、荷物を奪われたり、丸ごと誘拐される可能性だってあります。
「SpotMini」は、2017年にSoftBankが行なった発表会のときのように、カメラを着けることもできます。なので家の周りを歩いて見守る番犬としては使い勝手があるかもしれません。
加えてInverseは、日本で増え続ける老人たちの介護で、この「SpotMini」が使えるかも? とも話しています。ドアの開け締めもできますし、メカ盲導犬みたいな使い方も良いかもしれませんね。ガッツリ介護の現場で使えることはないかもしれませんが、ペットのように愛でることで、お年寄りが寂しさを紛らわせることもできるかもしれませんし?
「SpotMini」の料金はまだ決まっていないようですが、早ければ来年夏頃にはお目見えすることになります。楽しみですね。
Image: YouTube
Source: Inverse, Fortune
Tom McKay - Gizmodo US[原文]
(岡本玄介)