応用の可能性は無限大。ウェアラブル電子基板になるタトゥーシール

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応用の可能性は無限大。ウェアラブル電子基板になるタトゥーシール
Image: College of Engineering, Carnegie Mellon University/YouTube

健康管理も遊びもゲームも、何でもござれです。

“ウェアラブル・デバイス”と聞くと、活動量計やフィットネス・トラッカー、スマートウォッチやスマートグラスなどが思い浮かぶと思います。

そういった着用する電子機器には、中にセンサー類を含んだ基板が入っていますよね。その基板を肌にペタっと着用して「好きなインターフェースのデバイスを後付けしよう」、というコンセプトのタトゥーシールが研究されています。

Video: College of Engineering, Carnegie Mellon University/YouTube

この基板シールは、健康状態を計測するデバイスから個人的なアクティビティー・トラッカーまで、なんでも接続できます。もちろん身体で操作するゲームにも向いていますし、自らが追跡される体験型アトラクションなどでも面白そうですよね。

ちなみに筆者は今、極度の肩コリに悩まされているので……肩や背中一面に基板を貼って、低周波治療をしたいなーなんて思いました。きっとそんな使い方もアリだと思うんです。

基板シールの作り方

作ったのは、カーネギーメロン大学工学部と、ポルトガルの名門コインブラ大学

これは子供用のタトゥーシールと同じく、水に溶けるフィルムにタトゥーの柄(基板の柄)をプリントすることで作れます。インクジェットプリンターに銀ナノ粒子のインクでフィルムに基板をプリントし、操作性と強度強化のために体温計にも使われるガリウムとインジウム合金(おそらくスズも混ぜた「ガリンスタン」)でコーティングすれば完成。それで、水に濡らしで肌にピタッと貼り付ければサイボーグ気分を味わえます。

かつては生きた細胞で3Dプリンティングされたタトゥーシールをセンサーとして使う技術もありましたし、実際にインクで彫るタトゥーでも、音波の形をスマートフォンで音声に変換する技術がありました。IoT系テクノロジーと相性が良い入れ墨は、今後も究極のウェアラブル・デバイスとしてハイテクなものが作られていく気がします。

怪我するとウェアラブル・デバイスの機能も使えなくなりそうなので、緊急通報する機能は複数持っておきたいかも。


Image: YouTube
Source: YouTube via hackster.io

岡本玄介

訂正[2018/07/24]基盤の誤字を修正しました。