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エソテリック、USB搭載SACDプレーヤー中核機「K-05Xs」。AK4493搭載デュアルモノDAC

 エソテリックは、SACD/CDプレーヤー「Kシリーズ」の中核モデル「K-05Xs」を8月1日に発売する。価格は65万円。

K-05Xs

 2011年発売の初代モデル「K-05」から3世代目となり、フラッグシップモデル「Grandioso K1」技術なども投入。独自のトランスポートメカニズムVRDS-NEO「VMK-5」や高剛性アルミシャーシに加え、K1のプラットフォームを踏襲したデュアルモノDACや最新のデジタル回路、強力な出力バッファアンプ、電源部などを備える。

 ディスク回転時の面振れを補正して読み取り精度を高めるVRDS-NEO「VMK-5」は、高精度アルミニウム+ポリカーボネート素材のハイブリッドターンテーブルを採用し、回転イナーシャを最小化。ブリッジ部は、内部損失の高い高剛性BMC(Bulk Molding Compound)素材とスチールによるハイブリッド構造で、回転振動を大幅に減衰。スピンドルモーターは回転検出信号を使った高度なサーボコントロールにより、信号読み取り精度を高めた。トレイの開閉からディスククランプまでの動作を独自技術の差動ギア方式で行ない、滑らかなディスクローディング動作を実現している。

 DAC部は、Grandioso K1の最新プラットフォームに基づいて完全に刷新。旭化成エレクトロニクスの32bit DACチップ「AK4493」を採用。チャンネルあたり4回路のパラレル/ディファレンシャル回路構成とし、リニアリティ向上と低歪み化を実現。K-01Xs/K-03Xs同様にDACの出力直後にバッファアンプを追加、低域の力感や微小レベルの音楽信号の再現性を高めた。DAC電源部の回路パターンも改良し、クリーンで安定性の高い電源供給能力を獲得したという。

 32bit DACデバイスを複数個組み合わせ、34bitの高解像度PCM信号をアナログ信号へ変換する「34bitD/Aプロセッシング・アルゴリズム」を採用。デジタル領域において、ハイビットデータの階調を活かし、演算誤差を抑え、忠実なアナログ変換により、繊細な音楽信号まで表現可能としている。

 デジタル入力はUSB×1、同軸×1、光×1の3系統。同軸/光デジタルは192kHz/24bitまでのPCMと、DSD 2.8MHz(DoP)入力に対応。USBはDSD 22.5MHz、USBはPCM 768kHz/32bit、アシンクロナス伝送に対応し、パソコンやネットワークトランスポート「N-03T」と接続可能。

 PCM信号は、オリジナルのほか2/4/8/16倍(最大768kHz)にアップコンバート可能。PCMからDSD 22.5MHzへの変換機能も搭載。さらに、DSDデジタルフィルターのON/OFFも選べる。

 ドライバと再生用ソフト「ESOTERIC HR Audio Player」は同社サイトから無償ダウンロードできる。DSD 22.5MHz、PCM 768kHz/32bitの再生に対応し、Bulk Pet伝送方式にも対応。「スタジオマスター・クオリティの高音質再生ができる」としている。

 出力バッファ回路は、独自の電流伝送強化型「ESOTERIC-HCLD」にアップグレード。スルーレートが2,000V/μsのハイスピードな素子を採用し、このバッファ回路をチャンネルあたり2回路搭載。XLR出力時はディファレンシャル(差動)、RCA 出力の場合はパラレル(並列)となる。

 同社プリメインアンプFシリーズなど対応機器との接続(オプションボード使用)で、システムのポテンシャルを最大限に発揮するという。

 電源部も進化。大型トロイダルトランスと新設計のカスタムコンデンサー、330,000μF(0.33F)の大容量スーパーキャパシターEDLC(Electric Double-Layer Capacitor)を組み合わせた強力な電源回路により、各回路ブロックへ安定したクリーンな電源を供給する。

 クロック回路は、K-05Xs専用のカスタムVCXO(電圧制御型水晶発振器)を搭載。大型の水晶片を内蔵し、位相雑音が少なく、±0.5ppmの高精度なクロックとなっている。BNC端子で外部クロックとの接続も可能で、G-02Xなどのマスタークロックジェネレーターと接続することで、音質のアップグレードも可能。USB入力時も外部クロックと同期再生できる。

 アナログ出力はXLR/RCAのライン接続のほか、独自の伝送方式ES-LINK Analogにも新たに対応。HCLDバッファ回路の性能を活かした電流伝送方式により、信号経路のインピーダンスの影響を受けにくく、信号をピュアに力強く伝送可能としている。

 XLRのピンアサインは2番HOT/3番HOTの選択が可能。デジタル領域で位相反転を行ない、無接点方式で音質劣化は無いという。

 シャーシは独自のスチール削り出しインシュレーターで3点支持し、振動を抑制。上位モデルと同様に、肉厚アルミ材を多用し、ビスを極力排除したラウンドフォルムを採用する。

 有機ELディスプレイを新たに装備。ショートスクラッチ仕上げの肉厚アルミパネルを備える。外形寸法は445×357×132mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約15.1kg。リモコン「RC-1301」が付属する。

背面