紙パックとサイクロンの融合。マキタの掃除機用珍アタッチメントが良アイデアでした

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  • author 小暮ひさのり
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紙パックとサイクロンの融合。マキタの掃除機用珍アタッチメントが良アイデアでした
Photo: ギズモード・ジャパン

対応の掃除機を使っているなら、ぜひ買おう!と激推しできます。

先日レビューしたマキタのコードレス掃除機。吸引力は確かで手軽なものの、紙パック式ゆえの不安点もあります。たとえば、ゴミが大量に詰まってくると吸引力の低下が心配されますし、紙パックのランニングコストもかかります。

しかし…です。この問題をマキタはとんでもない方法で解決してきました。

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Photo: 小暮ひさのり

サイクロンを後付けしちゃうんです。マキタが純正品として販売している「サイクロンアタッチメント A-67169」。これを装着することで、なんとマキタの掃除機は「紙パック+サイクロン」という、光と闇が混じって最強に見える的な最強掃除機(?)へと進化するのです! 変身ヒーロー、ヒロイン、往年のロボットアニメのような追加武装でのバージョンアップ。これはたぎる!

といいつつ、サイクロンて後付けして、ちゃんと機能するのか気になりますね。でも、心配ご無用でした。そこにはロマンだけじゃなく、僕の予想を上回る性能があったのです。

紙パックの不安を解放した神アタッチメント

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Photo: 小暮ひさのり

構造は実にシンプルで、ノズルとノズルの間にアタッチメントを差し込むだけ。サイクロンアタッチメントの分だけ長さが伸びるため、僕としては使いやすい長さになってくれました。

前々からこの掃除機、もうちょっと長いほうが使いやすいんじゃない?って思ってた176cm男子です。

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Photo: 小暮ひさのり

さて、サイクロンアタッチメントのお仕事がこちら。

ノズルから吸われたゴミは見事なトルネード状の気流によって、サイクロンアタッチメント内部で遠心分離。大半のゴミはそのままサイクロン底部に貯まります。

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Photo: 小暮ひさのり

これは一般家庭(絨毯多め)を掃除した時のゴミの貯まり方(お目汚し失礼)。

サイクロンアタッチメントを装着すると、若干の吸引力低下がある印象でしたけど、さすがマキタですね。強力に吸ってくれて、多くのゴミを集められました。しかし、このアタッチメントで驚くべき点はゴミの吸引力ではありません。

サイクロンで濾し取っているため、ほとんどのゴミは紙パックまで到達しません。大事なことなのでもう一度言いますけど、ゴミはほぼ、紙パックまで到達できません!

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Photo: 小暮ひさのり

紙パックを取り出してみても、ほんのわずかなホコリしかありませんでした

紙パック式を使っていていつも感じてしまう、「紙パックそろそろいっぱいかな?」といった不安もなければ、紙パックのコストも節約できます。掃除機の中にゴミを溜め込まないため、気分的にも最高! マキタの説明によれば、クリーナ本体のゴミ捨て頻度は約1/6になるとのことですが、体感としては紙パックに侵入するゴミの量はさらに少ないように思えます。

わずか3,300円の追加装備を手に入れるだけで、紙パックの弱点である、吸引力の低下とランニングコストのその両方を一挙に解決できるんです! 本当に神がかっている!

メンテナンスの楽さにも惚れた

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Photo: 小暮ひさのり

メッシュフィルターにゴミが詰まらないのもお気に入りです。

サイクロン式掃除機って、機種によってはメッシュ状のフィルターにゴミが付着してしまい、掃除後に毎回掃除機の掃除をするといった、不毛なメンテナンスが求められるものもあります。一方でこちらは、家一軒掃除してもメッシュフィルターは綺麗なままでした。

これが建築現場など、細かな粉塵が多い現場だと、吸引力やフィルターのメンテナンス頻度、紙パックへ到達するゴミの量は変わるのかもしれません。でも、一般的な家庭で使うのであれば、ほぼノーメンテンでイケるんじゃないのか?と期待させてくれる機構です。

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Photo: 小暮ひさのり

もちろん、ゴミ捨ても楽ちんで、ダストケースはワンタッチで分離できます。ゴミカップが細長いので、ゴミ箱の奥まで突っ込んで捨てるとゴミが舞い散りません。

ただしハンディ不可! 重く、かさばる

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Photo: 小暮ひさのり

利点ばかりではなく、機能追加による弊害もあります。ひとつはハンディ不可なところ。

ハンディにするとSF武器感がアップしてやる気なフォルムになります。カッコ良さが1割ほど増すものの、この形状だとアタッチメントが邪魔してゴミが吸えないという欠点に気が付き衝撃を受けました。せっかくサイクロンというオプション装備を手に入れたのに、この仕様は悲しすぎます…。

ハンディで使いたい時にはわざわざアタッチメントを取り外さねばならず、この点は若干の煩わしさを感じましたね。また、アタッチメントを使わない=ゴミが直接紙パックに貯まるってことですし、ハンディでの利用シーンが多いという方にはおすすめできません。主に床掃除用という割り切りが必要です

また、どうしてもサイクロンアタッチメント部が出っ張るので、狭い場所はやや苦手になります。ユニットの重量も約350gあるため…腕への負担もマシマシに。このあたりは買う前によ〜く覚悟しておきましょうね。

解決への最善策ではないが、最良の選択肢

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Photo: 小暮ひさのり

紙パック式、その手軽さの裏にはいくつかの弱点があります。

僕はこれまで、その弱点は紙パックの常識であり、構造ゆえのしょうがないものだと割り切って…いや、諦めていました。でも、その諦めは間違いだったことに気付かされたんです。でも、その答えがまさか「サイクロンを後付けする」だとは、夢にも思わなかったけどさぁ。

装着すると重くなる、ハンディで使えなくなる。なんてデメリットもありますけど、僕としては、紙パックの潜在的デメリットを解決できる、最善…かどうかはわからないけど、現時点では最良の選択肢。

「マキタ、便利で使いやすいんだけど紙パック式なんだよなぁ…」

といった、紙パックコンプレックスをギュイーンと遠心分離してくれると思いますよ。

ただし、全マキタ対応というわけではなく、機種によって装着できないものもあるので、対応状況をチェックしてから購入しましょうね。対応機種はAmzonの商品ページに記載されています。


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Image: 小暮ひさのり
Source: マキタ, Amzon.co.jp

(小暮ひさのり)