関西人でも知らない551蓬莱の魅力と秘密19選

関西のお土産で、差し入れで、小腹を満たすおやつとして、一度は551蓬莱の豚まんを頬張ったことのある人は、多いのではないか。大阪・難波の本店に足を運んでみれば、関西人が知っているようで実は知らなかった、関西圏外の人にもぜひ知ってほしい魅力と秘密にあふれていたので、ご紹介する。

エリア難波(大阪)

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まいど憶良(おくら)です。

 

551蓬莱のお店に行ってみると驚きの連続だった

食べ物の中で、大阪の顔と言えば何? と聞かれると、かなりの率で551蓬莱の豚まんっ! という答えが返ってきます。

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大阪はもとより関西人なら知っていて当然のお店ですが、さて、そのお店に行った事がある人は? と聞いてみると、

「551の豚まんは駅で買ったり、百貨店で買ったりはするけれど、そういえばお店に行った事はないなぁ」という人があまりにも多い事にビックリします。

 

そこで今回は、関西圏以外の人には、関西に行ったら絶対食べて欲しい大阪グルメの代表格を、そして関西の人には、知ってるつもりで知らなかった551蓬莱の魅力と秘密をご紹介します!

 

その1 圧倒的知名度の大阪豚まん

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関西人で、「551蓬莱の豚まんがある時、無い時」というCMを知らない人、551蓬莱の豚まん自体を知らない人を探すことは極めて難しいというほどの、圧倒的知名度を誇ります。

 

その2 全て手包み

551の豚まん(170円)は全て手で包まれます。

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機械で包んだ物と、手で包まれたものでは蒸しあがり方や味も全く違ってしまうため、人件費がかかろうと、包み手を育てるのに苦労しようと、「絶対に手包み」にこだわっているんです。

 

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ちなみに、1つの豚まんが包まれるまでの時間はなんと15秒!

 

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豚まんの生地はとにかくデリケートなので、もたもたしていると手の温度で発酵が進んでしまうため、蒸し上った時に食感も変わってしまうんだそうです。

 

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包まれた豚まんは20分蒸されて出来上がります。

 

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お客さんの状態と注文数などを考えつつ、出来立て熱々を食べられるように数を調整しながら仕上げられます(と言っても、実際はほぼ絶え間なく作り続ける事になるのですが……)。

 

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その3 「出来立てが一番!」に対するこだわり方がすごい

「出来立てがおいしい」という考え方はとにかく徹底されています。生地は工場で作られ、包む分だけが各店に送られていきます。その日1日分だけの分量だけが工場から送られてきて、次の日の分は決して送られて来ないと聞くと、ああ鮮度にこだわっているなぁ、という気がします。

ですが、551では1日3~5便くらいに分けて、その時間帯に使う生地だけが送られてくるという具合に、生地の鮮度にもこだわっているんです。各店のお客さんの入りはもちろん、時間帯、天気、湿度から、近くでイベントがあるなど、さまざまな要因を分析し、その時そのお店が使うぶんだけを届けるというほど徹底されているんです。

 

その4 辛子も自社工場で作る

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熱々の豚まんを食べる時、まず一口目はそのまま食べるのがおすすめですが、その後何かつけるならおすすめはカラシ。このカラシも実は自社工場で作っているんです。理由は、添加物を入れないため日持ちがしないという事と、時間が経つごとにカラシの風味がぼやけるから。基本は作ったその日に使い切る量だけを毎日作ります。業者さんではそこまでの細かい対応を求められないため、これまた自社で作る事となったそうです。

 

その5 夏限定、ポン酢をつけて食べる豚まん

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豚まんにつけて食べると言えば、夏限定でポン酢をつけて食べる事が出来ます。これは高知は宿毛の、幻の柑橘と呼ばれる直七(なおしち)を使って、これも自社で作っているんです。夏場は、ぜひポン酢でいただきたいものです。

 

その6 シンプル過ぎる原材料

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豚まんの具は玉ねぎと豚肉のみ。皮も小麦粉と砂糖と、イースト。シンプル過ぎる材料にも驚きますが、戦後まもなく作られた豚まんのレシピは時代に全く左右されることなく、一度も変わったことがないという事実。現在まで、食にうるさい関西人にその味が受け入れられ続けている事も驚きです。

 

その7 元々はカレー屋さんだった?

元々立ち上げ時は、カレーライスが評判の定食屋さんだった事を知る人は、ほぼいないのでは。早く提供出来て、安くて量があっておいしいと評判のお店だったのですが、同じコンセプトで台湾出身の創始者が「マントウ」を大阪人の舌に合うようにアレンジした豚まんが登場しました。

創業の翌年からメニューに加わった豚まんは、徐々に主力商品へと成長しましたが、551蓬莱の本店では今でも定食メニューがあり、その2階で食べる事が出来るんです。

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店舗横の階段前には定食だけでなく、さまざまな中華メニューが並んでいますよ。

 

その8 本店限定のチャーシューまん

551には本店限定メニューがあります。

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その一つがチャーシューまん(200円)。豚まんとの一番の違いは、豚まんが朝仕込んでから作られるのに対して、チャーシューまんは前々日から仕込みが始まるところ。タレに一日付け込まれた豚肉を焼いてチャーシューを作り、角切りにした物をベースに作られたあんが、とにかくおいしい。

 

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本店でしか食べられない希少メニュー。豚まんに比べて数が少ないので、あればぜひ食べてみてください。余りに手間がかかるため、こればかり売れるとツライと思っているスタッフもいるようです。

 

その9 黒いあんまん

これも本店のみで提供されているあんまん(160円)。

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どこが黒いあんまんかというと、中のあんなんです。

 

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この黒さの秘密は、黒ゴマ。あずきの粒をつぶさないように、丁寧に炊かれた黒ゴマ風味のあんは優しくて上品な甘さ。甘いのが苦手な人でも楽しめます。

 

その10 551蓬莱レストランで、出来立て中華が食べられる

秘密その7でも少し触れましたが、意外と知られていないのが2階、3階の存在。

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本店右側にあるディスプレー、階段のところに確かに「レストランはこちら」の文字が。

 

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階段を上がっていくと、こんな雰囲気。

 

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そして2階。カップルや、ファミリー、友達同士で使うのにもよさそう。

 

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さらに、3階に進むとこんな様子。会席でも使えそう。

551でご飯食べよっか? なんて誘うと、「ええーっ! こんなの知らなかった!」って驚かれるかも。

 

その11 豊富な中華メニュー

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中華が食べられるといいましたが、そのメニューは想像していたよりも豊富です。

 

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コースを頼んでゆっくり食べるのもいいですが、飲み会利用も便利そう。

 

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お酒など飲みながら料理は単品を頼んでシェアしたり、飲めない人や、しっかり食べたい人は麺メニューや定食メニューを頼むのもいいですね。

 

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点心メニューを頼んでお酒に集中するなど、いろんな使い方ができそうです。

 

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いろいろ迷ったら盛り合わせメニューもあります。551でご飯が食べられるというだけでも驚きでしたが、メニューの豊富さと使い勝手の良さにも驚きですね。

 

その12 ワンフロアが調理場。出来立てをすぐに食べられる

中華メニューがある事もあまり知られていないのですが、実際は2階、3階と2フロアのレストランスペースがあります。当然調理場も広く、ワンフロアが丸々使われています。その様子をのぞいてみました。

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調理場に入ってみますと、当然のことながら調理中。中華包丁のリズミカルな音、中華鍋からジュージューという音。にぎやかに調理が進んでいきます。

ちょうど私が注文した海鮮焼きそば(970円)を作り始めた様子です。

 

いよいよ調理、そして実食です!

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固焼き麺を作るところからスタート。作りたて、手作りにこだわる551です。固焼き麺を仕入れるなんてありえません。

 

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それどころか、麺自体も自社で作っているんです。(その13ですね)

 

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仕込みは万全。

 

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素早く調理が、しかもリズミカルに進みます。

 

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ベーシックな味付け。

 

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基本に忠実で、奇をてらわない。

 

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だから老若男女問わず誰にでも好まれる味にまとまるんです。

 

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具材ごとに火入れをし、最後に合わせるという作り方ですので、出来上がりにはすべての具材に最適な火が入った状態でテーブルに出されます。

 

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甘酢4品盛り合わせ(1,620円)は、エビ、鶏肉、肉団子、酢豚と、4つの味が一度に食べられる、シェアに最適な一品。酸味をプラスするフルーツは、各具材に合わせて全て違うものがのっています。(その14)

 

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エビはぷりぷりっと。

 

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そして肉団子。肉団子を作る機械を導入し、団子の試作をしたところ、どうしても手作りのふわっと感が出ない、目指す触感が表現できないという理由で一度も使われないまま廃棄されたということです。(その15)

 

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続いて点心メニューから小籠包(450円)。

 

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なりは小さくても、中は熱っつアツ。

 

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油断をしているとやけどするよッ!

 

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タレを少しレンゲに入れておいて、箸で割ってしばし待ち、ちょっと冷めたところでパクリ。あんをかむと、その瞬間肉汁がじゅわっとあふれ出し、うま味が口中に一気に広がります。

 

どれもこれも、変わった素材だとか、珍しい調理法を使うのではなく、基本に忠実で、なんだか安心する味。豚まんが主力だけに、安心(あんが芯にある)な事が大切でしょう。

 

その16 関西圏以外で食べられない訳

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551の豚まんが食べられるのは関西のみ。その理由は、すべての豚まんが同じクオリティーで食べられるよう、工場を1つにしていること、そして鮮度にこだわるため、工場から150分圏内のみに出店すると限定しているため。

関西以外ではイベントや催事として551の豚まんを食べる事ができますが、この時にも作り置きした材料を持っていくのでなく、原材料と仕込み用の機械を現地に持ち込んで仕込むということですので、もうとにかく大変なんです。

 

その17 お土産用チルド豚まんのおいしい食べ方

レンジでチンするより、鍋で湯を沸かし、そこにザルを逆さに入れ、その上に豚まんを乗せて10分ほど蒸すのがおすすめ。レンジよりずっとおいしく食べられます。

でも、一番のおすすめはやっぱりお店で出来立てを食べる事です。

 

その18 豚まんが食べられない551蓬莱の店舗がある?

551蓬莱の創始者、羅邦強(ロー・パンチャン)から名前をとった、パンチャン店は高級中華をメインとしたお店。このほかも数店舗で豚まんのないお店があるんですって。これもびっくり。

 

その19 社員は全員豚まんが包める

なんと551蓬莱の社員さんは、ほぼ全員が豚まんを包むことができるんですって! それは店舗スタッフだけでなくて、営業さん、広報さんから、役員さんまで。これは入社前に豚まんを包むという研修があるためなんです。

店舗スタッフでも一人前の包み手になるには1年くらいかかるという事ですので、もちろん全員がそのレベルで、という事ではないですが、何かあった時には全員で手伝えるのが理想という事でした。

でも、役員さんの中には叩き上げの方もいて、中には店舗スタッフより早く美しく包むことができる人もいるそうですよ。

 

その551 大阪のソウルフードを食べて観光スタート

関西圏以外の人、関西の旅はとりあえず551蓬莱の豚まんでスタートしてみませんか?そして、ホテルのTVではぜひCMにも注目してください。551蓬莱のCMが見れるかもしれません。

そうそう、ホテルでちょっと寝酒をという時には、お供に551の甘酢団子(10個入り300円)なんかもいいですよ。これは駅の551売店でも売ってますので、ぜひとも一度試してみて欲しいです。

 

そして関西の人は、本店限定まんやお食事を楽しんでください。もっと551の魅力が広がると思いますよ。

 

お店情報

551蓬莱 本店

住所:大阪市中央区難波3-6-3
電話番号:06-6641-0551
営業時間:テイクアウト10:00~22:00、レストラン11:00〜22:00(LO 21:30)
定休日 : 第3火曜日

www.hotpepper.jp

 

書いた人:憶良(おくら)

憶良(おくら)

ゲームプランナー、プロデューサー、CMディレクター、ゲーム企画講師や駄菓子屋店長などを経て現在に至る。日本で一番古いハンドルネーム、OKURAです。休日はよく温泉に行き、その道中では積極的に食べ歩いたり、行先の地元スーパーで珍しい食材を買い込んで料理したりと、食に対してはかなり貪欲。「美味しいものを食べている時、美味しいものについて話している時に、悪いことを考える人はいない」という持論を持つ。

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