はやぶさ2が小惑星リュウグウを接写! だいたい徒歩1時間15分くらいの距離

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  • author 岡本玄介
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はやぶさ2が小惑星リュウグウを接写! だいたい徒歩1時間15分くらいの距離

(2018年07月30日 17:55修正)「近さ」を「大きさ」としていた誤訳を修正いたしました。記事に誤りがありましたこと、お詫び申し上げます。

直径900mの大きな小惑星です。

日本のJAXAが作った小惑星探査機「はやぶさ2」より、高度約6kmから地球近傍小惑星 「リュウグウ」を撮影したデータが着信しました。かねてから20km地点をホバリングして観測してきたのですが、今回その高度を下げてみたのです。

7月20日に望遠の光学航法カメラで撮ったものがこちらです。

180728_ryugu2
Image: JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研

ザラザラの地表ですね。写真の中央には緩やかに凹んだクレーターがあることもわかります。この写真は1画素が約60cmに対応とのこと。

ちなみに私たちが飛行機で空を飛ぶのは、大体地上から10.7kmの上空。なので6kmの距離というとかなりの低空飛行ってことになるのです。

ではこのリュウグウがどれほどデカい近いのかを見てみましょう。まずは米ギズモードのMandelbaum記者が6kmの距離から撮った、メキシコで一番高い標高を誇る、5,636 mのオリサバ山のキャプチャー画像がこちら。

180728_ryugu3
Image: Ryan F. Mandelbaum

そしてふたつの写真を合成すると……?

180728_ryugu4
Image: Ryan F. Mandelbaum

この近さ! もう歩いて行ける感じですね。ちなみに6kmは不動産屋さん的に言うと(80m=1分換算)、だいたい徒歩1時間15分くらいです。山手線で言うと5駅くらいの距離(路線距離を駅数で割って、駅間の平均距離を出しました→約1.19km)。

ドーン! もしリュウグウが地球に落っこちたら、半分めり込んでもこんな巨大な岩の塊になるのです。ロッククライマーたちの聖地になっちゃいますね。

*この合成写真はサイズ感が統一されておりません。リュウグウがそのまま地球に落っこちたら、オリサバ山の1/6ぐらいの高さの巨石になります。あとクレーターができます。

はやぶさ2はリュウグウの地表に降り立ち、サンプルを採取してくるミッションを帯びています。ですがこの小惑星には弱くて複雑な重力場が発生しているので、そっと着陸するのがとても難しいんですって。着陸予定は今年8月を予定しており、2019年3~4月には人工クレーターを作ったうえでサンプル採取。最後は2020年末に地球に戻ってくる予定とのこと。

成功を祈りましょう!


Image: JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研, Ryan F. Mandelbaum
Source: JAXA
Reference: Wikipedia(1, 2

Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文
(岡本玄介)