先日、米Lifehackerのヴァージニア・スミス編集長が、社内のSlackでこんな疑問を投げかけました。

iPhoneから写真を削除しても安全だよね?

実はこの質問、あなたが思うよりもずっと複雑な問題をはらんでいます。一歩間違えると悲劇が待っているので要注意ですよ。

もちろん、iPhoneから写真を削除しても何ら問題ありません。

iPhoneの容量がいっぱいになった、さっき撮った写真の構図が気に入らない、他のサービスやストレージデバイスに写真を落としたなど、理由は何であれ、削除したところでスマートフォンには何の影響もありません。

iCloudフォトと同期している人は要注意

とはいえ、「安全」の意味は、「消えるのはコピーなのか、それともオリジナルなのか」という問いかけなのでしょう。その問いへの答えは少し複雑です。

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Screenshot: David Murphy

上の画像のようにiPhone上でiCloudをセットアップしていて、写真を自動でアップロードしている人は要注意。

「同期」は、一方通行でないことを認識しておきましょう。

言い換えると、iPhone上で写真を削除してしまうと、次にインターネットに接続したときにiCloudからも消えてしまいます。

Appleは親切なことに、写真アプリで写真や動画を消そうとすると「すべてのデバイス」上のiCloudフォトから削除すると警告を出してくれます。

それは、iCloudからも消えることを意味するのですが、少しわかりにくいため、混乱を招いているのが現状です。この文言に困惑しているのは、我らが編集長だけではないのです。


iPhoneが容量不足になったら、まずは5つの処置を試してみて

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Screenshot: David Murphy

MacでiCloudフォトを同期している場合にも、同じ理論が当てはまります。

Macで写真を削除すると、次回オンラインになったときに、接続済みのiPhoneやiPadだけでなく、iCloudそのものからも消えてしまうのです。

もちろん、iPhoneから写真を削除したものの完全に消すつもりがなかった場合、プロセスを元に戻すことは可能。

iOSなら写真アプリの「アルバム」、macOSなら写真アプリ左のサイドバーの「ライブラリ」、iCloud.comなら「アルバム」にある「最近削除した項目」を見つけてください。

ただし、うかうかしていてはいけませんよ。40日たつと、削除した写真や動画は完全に消えてしまいます。

複数のAppleデバイスでiCloudフォトを共有している場合、どのデバイスからでも削除した写真を復活できます。たとえば、iPhoneで削除した写真を、iPadから復活することも可能です。

この一連のプロセスが混乱を招いているのは、決してAppleが悪いわけではありません。

とはいえGoogleフォトをはじめとするその他のクラウドサービスでは、写真の同期は異なる方法をとっているのも事実です。

そのため、それらのサービスを使い慣れた人は、同じような処理を期待してしまうのでしょう。

それでは、Googleフォトの場合は

たとえばGoogleフォトの場合、iPhoneから写真をクラウドにバックアップしておけば、iOSの写真アプリからそれらの写真を削除しても何ら問題ありません。

Googleフォトアプリやphotos.google.comから消さない限り、写真はGoogleのクラウド上に残ります。

Googleの「端末の空き容量の確保」が便利なのはこのためです。写真をGoogleのサービスにアップロードしたら、Googleフォトアプリのこの機能を使うことで、それらの写真をデバイスから安全に削除することができるのです。

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Screenshot: David Murphy

ただし、Googleフォトアプリから直接写真を削除すると、クラウドからも消えてしまいますので注意してください。

整理すると、「端末の空き容量の確保」機能なら、ボタンを押すことでデバイス上の写真のみが削除されます。

一方で、通常の方法で写真を削除すると、Googleのクラウドからもアプリからも写真が削除されますが、デバイスには残ります。違いはわかりましたか?

GoogleフォトにiOSデバイス上の項目も削除(つまり、iOSの写真アプリからもiCloudからも削除)してほしければ、Googleフォトアプリで写真や動画を削除したのち、「"Google Photos"にこの写真の削除を許可しますか?」というメッセージが表示されるので、「削除」を選択してください。

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Screenshot: David Murphy

ここまでの回答は、ヴァージニア編集長の質問に対するiOSでの回答です。

Androidデバイスの場合は

では、Androidデバイスの場合はどうなのでしょう。

GoogleのPixel 2など、主な写真ストレージアプリとしてGoogleフォトを採用しているAndroidデバイスをお使いの場合、もう少し合理的なプロセスが用意されています。

アプリで写真を削除すると、デバイス上からもクラウドストレージからも削除されます。

そして、アプリまたはオンラインサイトでゴミ箱から回復させると、デバイスにもストレージにも戻ります。

もちろん、Android上で「端末の空き容量の確保」機能を使うこともできます。その場合、写真や動画がクラウドから消えることはありません。

以上、まとめると、

  • iCloudの同期にサインインしている場合、写真アプリで削除した項目は、同じセットアップのデバイスからも、iCloudからも削除されます。
  • Googleのクラウドストレージにアップロードしている項目は、写真アプリから削除してもGoogleアプリからは消えません。
  • Googleフォトアプリで削除した項目は、GoogleフォトおよびGoogleフォトを使用しているその他のデバイスからも削除されます。ただし、それらのデバイスのGoogleフォトから削除されるだけです。
  • Googleフォトアプリで削除した項目は、明示的にGoogleフォトに命じない限り、iOSデバイスからは消えません。

上記が複雑すぎると思う人は、デバイス上の写真を外部のハードディスク(あるいは別のクラウドサービス)に定期的にバックアップすることをおすすめします。


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Screenshot: David Murphy

David Murphy - Lifehacker US[原文