「壊せない」なんて言うから...。
モトローラが「落ちても壊れない」ディスプレイを搭載したスマホ「Droid Turbo 2」を発売した時に、70回連続で落下させて実験をした米Gizmodo。先日Samsung(サムスン)が「壊せないスマートフォン・パネル」を発表したのを受けて米GizmodoのAdam Clark Estes記者が「壊すのが待ちきれないよ」と興奮の記事を書いております。以下、Adam Clark Estes記者です。
つい先日、Samsungが誇らしげに発表したのが「壊すことができないスマートフォンのパネル」です。安全性の規格基準を設定し評価する機関、UL(Underwriters Laboratories)の認証を受けたものであり、耐久性が非常に高いこのパネルは軍事、自動車産業におけるプロダクト開発にも使えるとしています。
しかしです。チャレンジャー溢れるインターネット時代、絶対にどこかの誰かが壊す方法を見つけ出すはず。そして声高らかに宣言したいのは、そのチャレンジに私も貢献したい、ということです。
この新しいディスプレイの耐久性にはいくつかのイノベーションが隠されています。まずこのOLEDディスプレイ・パネルには、カソードやダイオードといった素材に特別なコーティングが施されているとのこと。またディスプレイ自体もガラスのようにヒビが入らない新しい種類のプラスチックを使っているようです。そのため落とす、叩きつける、曲げる、といったアクションを加えてもディスプレイは壊れないと。うーん、そんな夢のようなディスプレイが本当に実現したんですね。
プレスリリースにはSamsungが行なったテストの内容が説明されています。
1.2m(約4フィート)の高さから継続して26回落下させたテストの後に、高気温(華氏71度)と低気温(華氏-32度)テストを行なった結果、Samsungの破壊不可パネルは前面、横、エッジ部分に何のダメージも無く、通常通りに機能し続けました。アメリカにおける軍事スタンダードよりもはるかに高い1.8m(約6フィート)からの落下テストにおいても、ディスプレイのパネルはダメージ無く、通常通りに機能し続けました。
また新ディスプレイの耐久度を見せる非常に味気のないビデオも公開しています。このビデオではゴム製のハンマーで打ち付けています。なるほど、努力は認めます。しかし私に言わせると、これは壊す気の無い人による試みです。どれだけの耐久性があるかを本当にデモンストレーションしたければ、もっと他の方法があるでしょう。
そしてこのプレスリリースでSamsungが何回も「軍事」という単語を使っている点も気になります。確かに耐久性をユーザーに実感してもらうには便利な言葉ですが、それと同時に米軍にスマートフォンなどのデバイスを提供しようと考えているのかな?とも勘ぐりたくなります。
このディスプレイを見て、2015年に米Gizmodoが行なったDroid Turbo 2の落下テストを思い出した方もいるかもしれません。Droid Turbo 2は落下しても壊れないことを謳っていたため、我々は70回連続で落としてみました。そして実際に、Droid Turbo 2は壊れなかったのです。
なのでSamsungのこのプレスリリースを読んだ私達の手は疼いています。Samsungが使っている「アンブレイカブル(破壊不可)」という言葉は大胆な、大それた表現です。メーカーが気安く使える言葉ではありません。なので私達はゴム製のハンマーではなく、金属製のハンマー、もしくはナタでも用意したほうが良いかもしれません。今から待ちきれないです。
Source: YouTube