コンデジの未来、此処にあり。6つの目玉でギョロッと捉える、8K 360°カメラ「Insta360 Pro 2」

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  • author 山本勇磨
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コンデジの未来、此処にあり。6つの目玉でギョロッと捉える、8K 360°カメラ「Insta360 Pro 2」
Photo: 山本勇磨

Insta360のライバルはGoPro。

#羽生結弦の写真撮るの下手くそ選手権で不意のバズを見せた、Insta360のプロフェッショナル向け360°カメラ「Insta360 Pro」がアップデート。名前はシンプルに「Insta360 Pro 2」となり、中身を刷新した新型が登場しました。外見や構成はほぼ変わらず。ってことは、これからも羽生くんのようなおもしろ画像を期待していいのか!?

プロフェッショナル向けモデル。価格もプロな68万円

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Photo: 山本勇磨
220°のカメラが6つ。最大20mの範囲での遠隔操作(Wi-FI接続)するための、アンテナ端子が頭につきました

球体の外周にカメラが6個もついた構成で、解像度(映像)は最大8K、7,680×4,320px。VRでのユーザーの視野は、映像全体のだいたい4分の1の解像度になるそう(Insta360談)。なので、8Kで撮影すれば、やっとフルHDの画質を越したくらいです。

リアルなVR映像を撮るには、まだまだプロフェッショナルな仕様の(ゴツい)機材が必要なんだなぁと。価格は68万円(税込)。ぐわぁ。Insta360 Proは絶対に失敗できないお仕事向けの360°カメラですから。ですから…。

Video: Philip Bloom/YouTube
サンプルまでに8KのYouTube動画を貼っておきますね

とはいえ、8Kは先代のProでもできたこと。では、Pro 2で何がアップデートしたかというと、8Kの3D撮影に対応しました。3D撮影とは、複数あるカメラのうち、右目用と左目用に撮影を分け、視差を利用して奥行きのある映像を記録する方式。

8Kに加えて3Dって、スペック特異点を完全に越しちゃってて、どう凄いのかはもう数字だけではよくわかりません。

しかもPro 2から、内蔵マイクでも録音できるようにファンを15分だけ止めるモードも追加。リミッター解除的な童心がむずむずするモードですが、冷却をせず6つのセンサーを使うので「この時間より長くなるとセンサーがダメになる」とのこと…。

SDカードは7枚さします

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Photo: 山本勇磨
microSDが6枚+SDが1枚

GoPro FusionでmicroSDが2枚ささるくらいで驚いてちゃダメですね。Pro 2では、6つのレンズそれぞれに1枚のmicroSD、母艦に1枚のSDカード、計7枚のSDカードが挿せるように。

それぞれのmicroSDに撮影した本データ(最大120Mbps)を記録。母艦のSDには手ブレ修正などのメタデータや、microSDに記録された本データの低解像度を保存します。低解像度…?

この低解像度というのが、撮影後の編集でいい仕事をしてくれます。対応の編集ソフトなら低解像度のまま編集でき、出力時に本データに差し替わります。だから、わざわざおっもーい本番のデータを編集しなくてもいいんです。この「プロキシ編集」はAdobe Premiereが対応。

見ている部分だけレンダリングして軽量化。VR動画の新フォーマット「CrystalView」

上のYouTube動画で、8K VR映像でなかなか読み込まないのを実感いただけたと思いますが、たとえオフラインで再生するとしてもスマホの描画性能に難あり。4Kならまだしも、8Kの動画だと流石にヒーヒーいいます。それならと今回つくったのがVR動画の新フォーマット「CrystalView(クリスタル・ビュー)」で、VR空間でユーザーが見る部分だけを高画質にレンダリングするスマートな技術。

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Image: ギズモード・ジャパン
拡張子はvrd(ファイルはInsta360提供)

このフォーマットに変換した動画なら、スマホ、Oculus Go、Gear VRでも8Kの映像が再生可能。CrystalViewはPro 2を皮切りに、 メーカー問わずオープンに利用を広げていきたいとのことで、VR業界の表現にも影響していくのではないかと未来に期待です。

1シャッターで360°すべて=撮影の未来

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Photo: 山本勇磨
重さは約1,550g(バッテリーとアンテナ装着時)

最大300m離れても、30fpsのプレビューをしながら遠隔操作できる独自の映像伝送「Farsight」、Insta360 ONEゆずりの手ブレ技術「FlowState」を搭載するなど、プロフェッショナルにとっては痒いところに手が届くアップデートが数多くあります。

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https://www.gizmodo.jp/2018/03/insta360-one-gimbal-killer.html

しかし興味深いのは、Insta360のライバルは同じ360°カメラメーカーではなく、GoProといった小型カメラメーカーと語っていることです。Insta360は「360°撮影のための360°カメラ」を作っているわけでなく、1シャッターで360°ぐるっと撮影して、後から見せたい部分を切り出すカメラとして考えています。

そういった意味では、切り出してもある程度の画質が保てる8K解像度は、360°カメラの完成形。もちろん1.5kgの筐体では、普段使いは話になりません。でも、どんどんコンパクトに、どんどんマス化していけば、8Kの360°カメラこそ未来のコンデジなんじゃないかと思うわけです。

Video: Insta360/YouTube

Source: Insta360