夢はある計画だけど...
アメリカ西海岸で続いている大規模な山火事により、カリフォルニア州の山火事の記録は更新され続け、カナダのブリティッシュ・コロンビア州も史上3番目にひどい山火事を経験しています。そして、そこで発生した煙は大陸の大部分、さらには海を越えて広がりつつあります。各地への影響が懸念されますが、Global Newsはワシントン州のある住民が扇風機を使って山火事の煙をカナダへ送り返すというトンデモ計画で対処しようとしていると報じています。
Global Newsの記事によれば、ワシントン州スポケーンの住民Caleb Moonさんは「Blow Spokane’s Smoke Away to Canada(スポケーンの煙をカナダへ吹き飛ばせ)」というタイトルのFacebookイベントを作成。現地時間の8月24日に開催される同イベントは、なんと町の住民55万人にそれぞれ「最低でも5台の扇風機を屋根に設置」するよう求めています。にわかには信じがたいものですが、冗談ではないのです。少なくともMoonさんは、Global Newsの取材に真面目に答えています。
イベントは冗談のように聞こえますが、Moon氏はこれについて本気であると語りました。
「小型なボックスファンは煙をおよそ6フィート(約1.8m)動かせると計算したので、50万台をまとめたとしたら…計算できますよね。おそらくカナダのだいぶ内陸まで送れると思います」とのこと。
ブリティッシュ・コロンビア疾病管理センターの環境衛生シニア・スペシャリスト、Sarah HendersonはGlobal Newsに対して、そのアイデアは「とてもバカげている」と話しています。扇風機は魔法のように空気を浄化することはなく「むしろ空気を取り込む」とも述べていました。もしうまくいったとしても(いくわけないのですが)、扇風機はカリフォルニアから立ちのぼった煙を取り込むだけでしょう。
ともかく米国では今、山火事に対処するための珍案が流行っているようです。ライアン・ジンキ内務長官はこの数週間、山火事は専門家たちから主な要因であると考えられている気候変動ではなく、ずさんな森林管理やら「環境テロリスト」によって引き起こされていると言い続けています。とにかく、1日でも早く安心して暮らせるようになるのを願いたいですね。
Source: Weather, CBC, The Washington Post, Global News, The New York Times, Twitter, Bloomberg