アイデアは良いけど見た目が悪い、Echo Dot埋め込み系サウンドバー:Polk Command Barレビュー

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  • author Adam Clark Estes - Gizmodo US
  • [原文]
  • Kaori Myatt
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アイデアは良いけど見た目が悪い、Echo Dot埋め込み系サウンドバー:Polk Command Barレビュー
Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

リモコンどこいった?

よくソファの背もたれと座るところの間に挟まってますよね。まるでブラックホール。でもやっと、リモコン探さなくてよさそうなガジェットが出てきました。テレビも音声アシスタントで操りたいAlexaファン必見、米GizmodoのAdam Clark Estesが、Polk Command Bar(ポーク・コマンドバー)をレビューしてくれました。


スマートサウンドバーって興味深いアイデア商品ですよね。スマートスピーカーと似ているけど、テレビと接続することによって音声アシスタントを介したTVリモコンになる。この着眼点やよし!

Polk Command Bar

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Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

これは何?:Echo Dotを飲み込んだという形容がぴったりのサウンドバー

価格:300ドル(約3万3000円)

好きなところ:サウンドは抜群!

好きじゃないところ:見た目がかっこ悪い。Alexaの音声アシスタントはリビングルームに置くのもテレビ鑑賞にも不向き

「あっ」となったけど、正直言って微妙

2018年の1月、アメリカ合衆国はメリーランド州、ボルチモアに本社を置く会社Polk(ポーク)が、ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー「CES 2018」にて新しいPolk Command Barをお披露目し、会場をあっと言わせました。

でも正直言ってこのCommand Barは…かなり大きいということもあり、Amazon(アマゾン)の音声アシスタントAlexaを中にいれただけの「おっきなEcho Dot(エコー・ドット)」という感がぬぐえないという、かなり残念な感じ。Echo Dotにちょっと毛が生えた程度の機能性に加え、見た目はお世辞にもかっこいいとは言えないのも、なんとも微妙なとこですね。

老舗のチャレンジ

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Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

Polkは、オーディオマニアのリビングルームを飾るめっちゃ高額な直立型のスピーカーを製造・販売してきた、70年代から経営を続ける老舗オーディオメーカーさんです。ところがCommand Barは、この老舗の方向転換がうかがえる新製品となっています。ここしばらくは500ドル(約5万5000円)をゆうに超えるサウンドバーを販売してきたのに、Alexaの音声アシスタントシステムがビルトインされてて300ドル(約3万3000円)なんですから。

このガジェットをユーザーが便利と感じるかどうかは別として、次世代ガジェットの値段の方向転換としては、まぁいいところをついているのかもしれません。AmazonのスマートスピーカーEcho(エコー)は100ドル(約1万1000円)で買えますが、3倍払えばオーディオ・クオリティがとっても良好で、サブウーファーが付いているPolk Command Barが手に入ります。

そしてPolk Command Barの目玉となる特徴は、なんといってもあらゆるテレビとの互換性を考えて作られた、ARC対応のHDMI端子、光デジタル音声端子、そしてFire TV Stickに合わせた仕様のUSB端子を搭載しているところです。Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

見た目が興ざめ

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Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

ただし、Polk Command Barの最大の欠点は、何度もいうようですが「見た目」です。サブウーファーはセンスの悪いSF映画に出てきそうな様相だし、サウンドバー自体もテクノロジーを飲み込んで膨れあがった肥満体の電子タバコが、Echo Dotを喉につまらせている姿といわずもがな。私の目には曲線を多用したスタイルは最悪のテイストとしか写りません。2000年代初頭に流行ったミレニアムデザインが好きな人には、「よいな」と思えるのかもしれませんが。

それでも、Echo Dotの光の環だけはどうにもいただけません。Alexaにテレビの音量を上げて欲しいだけの時も、めちゃ青白く眩しく光るのです。映画を見ている最中でもお構いなし。興ざめです。第一、Echoのマイクをミュートにしても、リビングの様子をこっそりとうかがおうとしているかのように、この環がずっと赤く光り続ける仕様なのも勘弁してほしいです。いつでも話しかけてね、といわんばかりに。音声アシスタントが好きじゃない人にとっては、まず購入する気を失わせるガジェットであることは間違いありません。

音声アシスタントとしては割高

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Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

音声アシスタント機能に関しては、Polk Command Barに特筆すべき機能はありません。音量を調整できるのが便利ですが、LG(エルジー)、Samsung(サムスン)、Sony(ソニー)、Vizio(ビジオ)製テレビの一部機種としか互換性がありません。それに、Polk Command Barには新しいAmazon Fire TV Cubeにあるような新機能は搭載されておらず、 Philips(フィリップス)製のスマート照明Hue(ヒュー)の電灯をともすなど、今や珍しくもない基本的な音声アシスタント機能が使えるのみ。でも、同じ機能が30ドル(約3300円)のEcho Dotでも使えるんですよ。

サブウーファーがいい仕事をしてる良サウンド

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Image: Adam Clark Estes/Gizmodo US

Polk Command Barにも長所はもちろんあります。サウンドはとにかくハイクオリティ。サウンドバーのたっぷりとした大きさから放たれる音響は抜群そのものです。またサブウーファーも(外観はさておき)、低音がバランスよく力強く響きます。名作『プラトーン』なんかの戦争ものの映画を見るなら、200ドル(約2万2000円)のSamsung TV Mateなんかとは比べ物になりません

Polk Command Barは、サブウーファーが付いているという点だけで、同じく音声アシスタントがついた400ドル(約4万4000円)のSonos Beamよりお買い得かもしれません。でもSonos BeamはApple AirPlay 2に対応しているほか、今年中にGoogle Assistantにも対応する予定です。なにを取るかですね。

で、Polk Command Barは買い?

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今年リリースされた3つの新製品のうちから選ぶなら、どれも値段相応ということを覚えていた方がいいでしょう。そしてだからこそ、Polk Command Barには十分考慮する価値があります。

ちょっと奮発できるなら、サブウーファーこそついていないものの、機能が充実したSonos Beamを購入できます。節約したいならSamsung TV Mateは廉価なチョイスですが、値段相応に機能はそれなり。見た目を気にしないならCommand Barがその中間。まぁ、Amazonデザインに慣れてるなら、見た目も気にならないのかもしれませんが。そこはお好みということで。

それに、今後Command Barが進化する可能性も十分にあります。Alexaの音声アシスタントは最近どんどんスキルを追加していますから。でも、これがどんなに進化を遂げて賢くなっても、私個人はこれをリビングルームに置きたいとは思わないでしょう。

まとめ

・良いサウンドバー

・Alexaとの統合はちょっと失敗

・デザインはカッコ悪い

・良心的なお値段(かなり安い)