多くの家庭では、本物の子どもが生まれるまでは、犬が子どもみたいな位置づけです。
赤ちゃんが生まれたら、人間のお兄ちゃんやお姉ちゃんと同じように犬もできるだけ良い環境で赤ちゃんと対面させるべきです。
赤ちゃんがお腹にいる9カ月の間に、愛犬にどうやって赤ちゃんと対面させるかじっくり考えましょう。犬の中には、神経質なタイプもいれば、日常のルーティンの変化に敏感なタイプもいます。
この機会に、赤ちゃんが家族に加わる前に、時間をかけて愛犬にも赤ちゃんを迎える準備をさせてください。
1. まず飼い主が内省する
問題犬の訓練士をしているCesar Milanさんによれば、犬は人間の心の鏡だそうです。ですから、飼い主はまず自分の内面をチェックしましょう。不安や恐れやワクワク感を表に出していますか?
そうだとしても、それはごく自然なことであり、ペットのために必ずしも抑える必要はありませんが、犬が今から過剰に興奮しているならその理由を考える価値はあります。
それから、犬との関係を本気で考えることも大切です。
犬をコントロールできていますか?
ストレスの多い環境でも犬に指示を出したり安心させたりする自信がないなら、専門家に相談すべきかもしれません。人も犬も訓練が必要かもしれないからです。
2. 犬をクレートに入れるトレーニングをする
犬をクレート(持ち運び用のゲージ)に入れるトレーニングをすると、犬はストレスを感じたとき隠れる場所ができますし、飼い主もお行儀が悪いことをした犬を隔離する場所ができます。
ほとんどの犬は、クレートがプライベートの小さな天国になるので、そこで過ごす時間を楽しめるようになりますが、そうなるまでには訓練が必要です。ケージに犬を放り込むだけでは、ストレスは解消されません。Victoria Stirlwelさんは次のように言います。
犬を孤独にさせるのではなくて、安心できる場所があることが大切なのです。
クレートを犬を無視する口実にせず、犬が安心できるスペースにするようにしましょう。
3. 生活上の変化を想定する
家族に赤ちゃんが加わると、生活がどのように変化するか予想もつかない気がするかもしれません。
ある意味、その通りです。
でも、ASPCA(米国動物虐待防止協会)によれば、事前に想定できる変化もあるので、今から犬に馴染ませておくようにしたほうがいいようです。
たとえば、使えなくなる家具や立ち入り禁止の部屋ができるなら、赤ちゃんが来る前に愛犬に教えておきましょう。
確固とした犬の散歩のルーティンがあるなら、赤ちゃんが来ると飼い主のスケジュールはどうなるかわからないので、柔軟性を持たせるようにしましょう。
犬を散歩させてくれる人が必要だと思うなら、早いうちに見つけて、犬を慣れさせてください。
犬に対する愛情表現の仕方も工夫しましょう。
赤ちゃんが家に来る数週間前から、犬に過剰な注意を向けないように心がけましょう。そうでないと、赤ちゃんが来て家族の中心になったとき、犬の落ち込みが激しくなります。
ですから、犬と遊んで抱きしめる短い時間を何回かスケジュールして、それ以外の時間は徐々に犬に払う注意を減らしていきしょう。この遊び時間は決まった時間でなくランダムに設定して、犬が特定の時間に遊んでもらえると期待しないようにしてください。
可哀想な感じがするかもしれませんが、犬が赤ちゃんに愛情を持てなくなることを避けるためだということを忘れないようにしましょう。そんな恨めしい感情を家族の誰かが抱くなんて悲しいことですから。
4. 赤ちゃんの泣き声に慣れさせる
本物の赤ちゃんが来て、静かな環境が乱される前に、赤ちゃんの泣き声のビデオやサウンドをかけて、犬に慣れさせましょう。
犬にご褒美をあげたり、たっぷり注意を払ってあげたりしながらやると効果的です。1回5分から10分、毎日数回これを繰り返すと、犬は赤ちゃんの泣き声をポジティブなことと結び付けるようになります。
泣き声のサウンドが強烈過ぎたり、犬を怯えさせるようなら、最初は小さなボリュームからはじめてください。犬の聴力は人間よりはるかに優れているので、それでも大丈夫です。
5. 匂いに慣れさせる
赤ちゃんが来ると、ベビーローションやお尻拭きなど新しいものをたくさん買うことになります。事前に開封して犬に匂いを嗅がせましょう。
犬が周囲を認知するときは、優れた嗅覚に多分に頼っています。
赤ちゃんが生まれるとしばらく病院にいるでしょうから、病院で使っていたブランケットを自宅に持ち帰り、犬に匂いを嗅がせるか、犬が大好きなおもちゃをそのブランケットで包めば、犬はその匂いに慣れます。
繰り返しになりますが、こういう訓練をするときは、犬に優しく接して、必ずご褒美を上げましょう。
6. 赤ちゃんサイズの人形で訓練する
これは個人的には賛成しかねますが、赤ちゃんと同じサイズの人形を買い、これはおもちゃではないことを明確に打ち出して、犬に馴染ませる人もいるようです。
本物の赤ちゃんでないことは犬にもわかりますが、赤ちゃんといるときの飼い主の動きに犬を慣れさせる狙いです。
たとえば、赤ちゃんの世話をしている飼い主に飛びつかないことや、赤ちゃんを抱っこして座っている飼い主には、ゆっくり近づかなければならないことを教えることができます。
一緒に住みはじめてからも子どもから目を離さないで
赤ちゃんはゆっくり成長して幼児になり、犬をどうしようもなくイラつかせる存在になります。Milanさんは、赤ちゃんが犬と同じぐらいきちんと振る舞えるようになるまでは、犬と赤ちゃんが接するときは絶対に目を離さないようにすべきだとアドバイスしています。
子どもがいろいろなものに興味を持つ段階に達したら、子どもと犬が接するときは絶対に目を離さないようにしてください。
犬の尻尾を引っ張るなど、犬が嫌がることをしないように子どもに教える機会でもあります。お互いを尊重する訓練をはじめるのに、早すぎることはありません。
大人が目を離したり、子どもに正しい躾をしていなかったせいで、普段は大人しい犬をうっかり怒らせてしまう子どもが何と多いことか。
犬にばかり一方的に期待してはダメですよね。
Image: Romanova Anna/Shutterstock.com
Source: Cesar's Way, Animal Planet, ASPCA
Aimée Lutkin – Lifehacker US[原文]