メラメラと…地球温暖化の可視化がポップアートみたい

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  • author Brian Kahn - Gizmodo Earther
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メラメラと…地球温暖化の可視化がポップアートみたい
GIF: Antti Lipponen/Twitter

ポップに見えても、ヤバい現実。

地球温暖化が進みつつあるという事実を改めて突きつけられるような動画が公開されました。

この動画を制作したのは、フィンランド気象研究所の研究科学者であるAntti Lipponenさん。米GizmodoのBrian Kahn記者が「地球温暖化の泡」と呼んだこのビジュアライゼーションは、1880年から現在にいたるまでの国ごとの気温偏差の変動(ここでは1951年から1980年を基準と定義)を可視化したものです。

各国を示すドットは大きくなったり小さくなったり、赤くなったり青くなったりとせわしないですが、現在に近づくにつれて全体的に赤色に染まっていきます

各国のデータは見やすいよう、ドットの色とサイズで表現されています。濃い青の大きなドットは通常よりも寒冷な状態を、そして鮮やかな赤色の大きなドットは温暖な状態を示しています。こうやって可視化されたデータを見ると、地球温暖化は本当に起きている、そして地球規模で起きているということがありありと見てとれますね。

ほかの国々よりも温暖化の進みが早い国もあるものの、人間が多くの二酸化炭素を大気に排出するにつれ、結局はどの国でも温暖化は進んでいく。上昇する気温の可視化からは、気候変動の影響と深刻化する問題が手に取るようにわかります。

「このデータはどう可視化したって、恐ろしく見えるものです。特に1980年から現在にかけてはね」とLipponenさんは語ってくれました。「残念ながら、このドットは大きくなりすぎても割れて弾けることはないんですよね」

この数年、気候変動データの可視化がいくつかバズることがありました。地球温暖化を月ごとに分析した気温変化のスパイラルグラフや、最近だと年別の地球の平均気温を赤、白と青で示した気温のストライプなどです。

しかし、これらの地球の平均気温の可視化も重要なのですが、それは誰も体感することのない不安定な概念にすぎません。もともと地球温暖化とその影響はすべて局地的なものであって、だからこそ今回のデータのビジュアル化はある意味でより直感的だと言えます。

Lipponenさんは昨年の8月に、今回と同じ国別データを表示した円形グラフ(気温の上昇に応じて国ごとの棒が伸びる)も作りました。同氏は新たなプログラミングの技術を学びたいと言っていましたが、それもあって今年のドット版ができたのでしょう。

今回の地球温暖化のビジュアル化には単なるデータ以上の価値があります。どの国も探しやすくて(イギリスやベルギー、それにごく一部の国々はプログラムの問題により含まれていません)、ビジュアルはロイ・リキテンスタインによるドットを使ったポップアートを彷彿とさせるもの。不安を表現しているという点もまた、似ていますよね。

Source: Twitter(1, 2)