Samsung、まさかの方針転換…これからはミドルレンジスマホに注力か

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  • author 湯木進悟
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Samsung、まさかの方針転換…これからはミドルレンジスマホに注力か
Image: Karlis Dambrans/Shutterstock.com

格安スマホ勢いが止まらない…?

毎年、秋にiPhoneの新作を発表し、スマートフォン業界の最新トレンドをけん引するApple(アップル)に対して、Samsung(サムスン)はAndroidの雄として真っ向勝負。Galaxy SシリーズNoteシリーズといったハイエンドモデルには、iPhoneキラーとなる最新機種を送り込み、長らく激しい争いを演じてはきたのですが、ここへきて、かつてない方針転換を実施するようですよ!

このほどSamsungのモバイルコミュニケーションズ部門を率いるDJ Koh CEOは、CNBCのインタビューに対して、こんなふうに語ったとされています。

これまでは最新の技術や初めて世に出る新機能を、まずフラッグシップモデルに搭載し、その後、ミドルレンジモデルへと採用していくのが常だった。しかしながら、こうした戦略に今年からは変更が加えられ、まずミドルレンジから新技術や新機能が搭載されるようになるだろう。

たとえば、5万円以下のモデルも用意される、Galaxy Aシリーズなどのミドルレンジスマホに最新の技術や機能を搭載し、年内にもお披露目されることになるんだとか。

世界も驚く革新的なハイエンドスマートフォンを毎年のようにアップデートを送り出し売れに売れていたスマートフォン業界も、いま大きな転機に差しかかっています。今年第2四半期(4~6月期)には、業界トップのSamsungが、スマートフォンの出荷台数で大失速。代わりに、ミドルレンジのスマートフォンを発表する中国メーカーのHuawei、Xiaomi、OPPOなどが、グングンと上位のSamsungおよびAppleに迫ってきていることが伝えられていました。

どうやら、インドや中国、東南アジア諸国といった急速に拡大を続けるスマートフォン市場では、SamsungもAppleもそれほど人気がないようです。むしろ、低価格なのに高性能なモデルを次々と発売する中国メーカーなどが、大いに支持を得てシェアを広げており、この流れを、とうとうSamsungも無視できなくなってきたというわけでしょうかね~。

Koh CEOは、このようにも語ったとされています。

ミレニアル世代の若者たちは、高価なフラッグシップモデルを追っている余裕がない。だが、この世代にこそ注目し、優れたイノベーションを着実に届けていくためには、ミドルレンジセクションの充実こそが不可欠になるとの結論に達した。

トンでもなく高い最新機種に手を出すより、ほどよい価格で購入できるミドルレンジのスマートフォンでも満足できてしまう、新たな若者中心の世代。新興国市場のみならず、世界の主流として、ハイエンドよりコスパのいいミドルレンジスマホに魅力を感じるユーザー層の台頭が、先進諸国でも目立ち始めているのかもしれません。そういえば、iPhone Xなんかは優れた性能や機能を備えているものの高すぎると敬遠されていますし、スマートフォンを取り巻くトレンドは、やはり大きく変化してきているのでしょうか?

Source: CNBC