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音の“空気感”伝えるソニーヘッドフォン進化版「MDR-Z7M2」。Z1R技術を投入

 ソニーは、70mm径ユニット搭載のヘッドフォン上位モデル「MDR-Z7M2」を10月6日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は75,000円前後。

MDR-Z7M2

 '16年発売の最上位機「MDR-Z1R」の技術を投入したアラウンドイヤー型のヘッドフォン。「MDR-Z7」('14年に発売)から改善し、音質や装着性、耐久性などを高めた。

 音質で追求したのは「空気感」の実現。音楽が奏でられる空間における音の広がりや、透明感、臨場感、静けさなどを再現可能としている。

 アルミニウムコートのLCP(液晶ポリマー)振動板を用いた70mm径「HDドライバーユニット」を搭載。LCPとアルミニウムの相互作用により全帯域で高くフラットな内部損失特性を実現、色付けのないクリアな中高域を再生する。ドームを大型化して形状を最適化したことで中低域はクリアに、中高域は艶やかに表現するという。

 Z1Rで導入された「フィボナッチパターングリル」をZ7M2にも採用。フィボナッチ数列を参考にした曲線のパターンにより開口を均等化。高剛性材料により桟の部分を細くして空気の伝搬を阻害せず、色付けの少ない、ハイレゾの忠実な再生を可能にしている。なお、Z1Rのグリルと同一ではなく、Z7M2に最適化した形状となっている。

フィボナッチパターングリルを採用

 ネオジウムマグネットはZ7よりも外径が約1.4倍のものに大型化。ヘッドフォンとして最大級サイズとしている。ハイレゾ音源の入力信号にも高感度で反応し、解像度の高いクリアな音質を実現する。

 ハウジングは密閉型だが、通気孔により空気の流れを調整することで低域をコントロールするビートレスポンスコントロールを採用。低域の過渡特性を改善し、リズムを正確に再現する。従来機のMDR-Z7から、通気孔の形やデザインを変更している

左が従来機のMDR-Z7、右が新しいMDR-Z7M2

 ケーブルは着脱可能で、接続端子にはコルソン合金製ジャックを使用。銅合金の中でも抵抗値が低く強度が高いため、接続端子に適した材料だという。端子表面には非磁性合金メッキの上に金メッキを施している。ソニー専用の高音質はんだも使用し、音声信号のロスを防ぐ。付属ケーブルは、4.4mmプラグのバランスケーブル(約1.2m)と、ステレオミニケーブル(約3m)。標準プラグアダプタも同梱する。

4.4mmバランスケーブル装着時
ステレオミニケーブル

 イヤーパッドは、頭の凹凸にフィットするように立体縫製し、厚みのある低反発ウレタンフォームを使用した、エルゴノミック立体縫製イヤーパッドを使用。ドライバ前後空間の気密性を高めて重低音の迫力を再現。装着時の快適性を高めるため、合皮に特殊な加工を施し、高い吸放湿性を実現。長時間のリスニングでも蒸れにくく、快適なつけ心地を維持できる。

 イヤーパッドが内側に倒れ込むエンフォールディングストラクチャーにより、耳を包み込むような装着感と気密性を追求。また、ハウジングの回転軸を内側に向けて装着性を向上するインワードアクシスストラクチャーも採用。可動部のガタつきを低減するサイレントジョイントも採用。装着時のメカノイズを抑え、静けさの中で音楽に没頭できる。

 ハウジングを支えるハンガーとスライダーには、薄肉で高い剛性が得られるアルミ合金を使用。刑事変化がなく最適な装着性を長期に渡って保てるという。ハンガー表面には、硬度を2倍に高めた特殊なアルマイト処理を施し、傷つきを抑えている。

ハンガー部

 再生周波数帯域は4Hz~100kHzでハイレゾ対応。感度は98dB/mW、インピーダンスは56Ω(1kHz)、最大入力は2,000mW。重量は340g。