ソニー「NW-A50」ハンズオン:イヤホン/ヘッドホンの個性を最大限に引き出してくれる稀有なプレーヤー

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ソニー「NW-A50」ハンズオン:イヤホン/ヘッドホンの個性を最大限に引き出してくれる稀有なプレーヤー
Photo: 武者良太

ポケットにインしているとき、ブラインドでの操作もしやすくなりました。

ソニー・ウォークマンのミドルレンジをカバーする「Aシリーズ」が新装一転。「NW-A50」シリーズとして2018年10月8日(土)にデビューです。こちら、FLACもDSDもMQAにも対応したハイレゾモデル。Apple Losslessも奏でられるから、iTunesにストックしている曲も鳴らせるんですよね。カバーエリアは広大です。

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Photo: 武者良太

ハード面に新しい工夫が

見た目としては、ボディ左右のエッジが丸く「NW-Z300」のよう。物理スイッチも同じく。単に似せた、というのではありません。このカーブがあるから握りやすいんですよ。手の内にすっぽりと収まるから落としにくく、安心して使えます。各ボタンも押しやすくて好印象。

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Photo: 武者良太

シャーシはアルミ押し出しの一体構造となりました。オーディオ機器って面白いもので、わずかなパーツの形状差・素材差が音に関係してくるんですよね。極めてちっちゃなパーツでも共振が重なって、音に素材の色を載せちゃうんです。ウォークマンのようなポータブルプレーヤーでもそうなんですよ。

新設計シャーシを用いたNW-A50シリーズは、NW-A40シリーズと比較してクリアで力強い低音域を実現したとのこと。また、金を添加した無鉛はんだを使うことで、透明感があり、艶のあるボーカルを実現しました。

レコードを聞いているような音を再現

さらに、アナログレコードの豊かな音を再現する「バイナルプロセッサー」を搭載しました。プロセッサーといいつつもハードウェアではなく、ソフトウェア(DSPのプログラム)で実現したものとのこと。

ほほう。では聴いてみましょうか。

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Photo: 武者良太

NW-A40シリーズもアタックとリリースをしっかりと描き、立体的な音場の再生能力をもったプレーヤーです。しかしダイナミックさは薄く、やや儚げな音の持ち主でした。

たしかに、NW-A50シリーズはバスドラムがドンっと鳴ったときのインパクトが強まっています。低域を強調したEXTRA BASSシリーズと合わせたら、外来ノイズに負けないドラム&ベースを聴かせてくれそう。

中域のクリアさはというと「言われてみれば…」という印象。でも、アタックの立ちあがりは良くなっています。といいますか、高域も見通しがよくなっている。それでいて音全体のまとまりがよく、いい意味で塊感のあるサウンドです。付属イヤホンではなくより高解像なモニターヘッドホン・イヤホンと合わせたら違いを見せてくれそう。

あくまで個人的な印象ですが、NW-A50シリーズはイヤホン・ヘッドホンの個性をグッと引き出してくれる稀有な低価格プレーヤーとなるのではと感じましたね。

スマホとの連携機能も

面白いのが、スマートフォンとの連携機能。Bluetoothレシーバー機能をもっているんですよ。スマートフォンを音源、NW-A50シリーズをワイヤレスヘッドホンアンプとして使えるという機能です。これによりストリーミングサービスの曲を、NW-A50シリーズのアップスケーリング機能やクリアサウンドを用いて聴けるようになります。よき。

ただ残念というか、仕方ないのかなと思うしかないというか、コネクタは従来どおりのWM-PORT…。ソニーとしては譲れないところがあるのでしょうけど、いちユーザーとしてはUSB-Cにまとめてほしいな、と思うところ。

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Photo: 武者良太

トータルで見たときの完成度は高く、5万円とか10万円とかのハイエンドなイヤホン・ヘッドホンをドライブさせるのでなければコイツでいいんじゃないでしょうか。やっぱり価格って大事ですよ。ローエンドの「NW-A55」(16GB)の予想価格は2万2000円前後。64GBモデルの「NW-A57」は3万7000円前後ですが、microSDカードスロットがあるので、16GBモデルでいいでしょう。

Bluetoothで聴きたいという方にもオススメ。首掛けワイヤレスイヤホンh.ear in 2 Wireless(WI-H700)がセットになる「NW-A55WI」(16GB)は4万円前後で、ちょっとお得になっていますよ。

Source: SONY(1, 2