チューリッヒ工科大の学生たちが航続距離400kmのハイテク電動バイクを作る

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  • author 岡本玄介
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チューリッヒ工科大の学生たちが航続距離400kmのハイテク電動バイクを作る
Image: ethec

実はテクノロジーの塊です。

チューリッヒ工科大学(ETH Zurich)に通う13人の機械科とひとりの電気工学科の学生たちが、チューリッヒ芸術大学に通うふたりの工業デザイン科の学生たちと手を組み、電動バイク「ethec」を完成させました。

まずはその姿をご覧ください。

Video: ethec/YouTube

革新的なデザインとスペック

タンクから伸びて吊り下げられたヘッドライトが特徴的ですね。これは若きデザイナーたちが設計した、テールからライトまでをひとつに繋いだ、美しいモノボディー・デザイン

SIA Magazinによりますと、巨大な15kWhリチウムイオン電池はたった1時間でフル充電でき、1260個あるセルが400kmの航続距離を可能にしたとのことです。モーターは空冷だけでなく油冷、それにペルティエ冷却システムも完備。

それに全後輪ともにモーターを仕込んでAWD(2輪駆動)で走り、前輪はハブモーターが組み込まれ、減速時のエネルギーを電力に変える回生ブレーキも搭載しているハイテクっぷりなのです。

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Image: ethece

未来のモビリティーは高効率

公式サイトには、「エネルギー貯蔵には限られた能力しかないため、より効率的にエネルギーを利用し、現代のモビリティーの世界で新たな可能性を開拓したいと考えている」とあります。これが回生ブレーキに繋がったのでしょうね。

バッテリーや回生ブレーキは独自のOSで制御されており、メーター類はすべて7インチのタッチスクリーンに集約。そのたすべての重要な情報を表示してくれるのです。ついでにポケットに入れたBluetoothトランスミッターが鍵となり、スクリーン横のボタンひとつでモーターが起動するようになっています。

教育方針も革新的

ETH Zurichでは、学生たちに草案から設計、生産、マーケティングまで全行程を任せる教え方をしています。必要な知識とスキルは自ら探求しつつ、教授や業界の専門家らから助言を貰い、独り立ちする力を養っていくのです。

学生たちはすべて能動的にやらないといけませんが、そのぶん得るものは多そうですね。その結果がこのバイクなら、彼らの未来も明るそうです。

Source: YouTube via SIA Magazin via ethec