編集部イチオシ

3分でわかる地震の話

地震の予知は不可能です
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うえだしたお @YT1093

ちょっと時間が空いたので、ちょうど北海道で大きな地震が起きたこともあり、「ざっくりわかる地震の仕組み」をやろうと思います。短めです。 pic.twitter.com/ufDSFQM2oN

2018-09-08 07:08:31
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うえだしたお @YT1093

地震はなぜ起こるのかというメカニズムについて、実は絶対確実にこれだという理論はいまだ完成していません。学会の通説となっている「仮説」を例に挙げておくならば、以下のふたつの仮説になります。

2018-09-08 07:22:38
うえだしたお @YT1093

学会における「通説」としての仮説 1. 弾性理論:弾性反発説 2. 周期説、固有説:周期性と固有地震 各論はざっくり触れておきます。

2018-09-08 07:24:07
うえだしたお @YT1093

地震のメカニズムにおける前提として、プレートテクトニクス理論があります。現在の地球物理学では定説となった理論ですが、歴史は長くありません。最古に遡っても、1915年に「大陸と海洋の起源」を著したアルフレッド・ウェゲナー(1880~1930)の予想、大陸移動説が起源となっています。 pic.twitter.com/pMh5k0f75Y

2018-09-08 07:31:53
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うえだしたお @YT1093

ドイツの気象学者、ウェゲナーは世界地図を眺めながら、大陸の輪郭がパズルのように重なり合うことに気づきました。はたして、大陸は移動して現在の位置に収まったのではないか?こうした予想が、後の地球物理学において一定の貢献を果たすことになったのです。

2018-09-08 07:33:20
うえだしたお @YT1093

でも、この辺りに詳しく触れると長くなるので割愛します。あばよウェゲナー。

2018-09-08 07:33:58
うえだしたお @YT1093

ウェゲナーの予想は学術的には誤りの多いものでしたが、着眼点は正当なものであり、後に多くの研究者たちによって改良されてゆきます。これを科学の不可逆な進歩と言うのですが、そんなこたぁどうでもよかですたい。

2018-09-08 07:37:01
うえだしたお @YT1093

やがて、比重による浮き沈み理論=地殻均衡理論(アイソスタシー)が生まれて地球の多くの場所で、地殻均衡理論の有力な証拠が発見されます。長くなるので割愛します。 pic.twitter.com/FGRRJfWjQ4

2018-09-08 07:39:57
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うえだしたお @YT1093

こうした仮説の積み重ねのなかで、地殻の運動がなにを原動力としているのかという発想が生まれました。地球の自転による遠心力や、月の重力によって引っ張られる潮汐力など、様々な仮説が試みられたなかで、やがて有力な理論が生まれました。マントル対流説です。 pic.twitter.com/XkGxLs34fs

2018-09-08 07:44:25
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うえだしたお @YT1093

ここで大切になること、覚えておいて欲しいことがひとつあります。科学という遊びのなかで、仮説をまのあたりにしたとき、私たちは先ず鼻でもほじりながら「ほ~ん、で、お前はそれを見たのか?」と問うて欲しいのです。

2018-09-08 07:45:40
うえだしたお @YT1093

ウェゲナー「大陸は移動しとる」 うえだ某氏「ほ~ん、見たんかそれ?」 ウィルソン「プレートテクトニクスは正しい」 うえだ某氏「ほ~ん、見たんかそれ?」 この姿勢についてはは、結論のあたりでまた言及します。

2018-09-08 07:47:18
うえだしたお @YT1093

ウェゲナーの予想から様々な研究者の手を経て、プレートテクトニクスが生まれます。理論を統合したのはカナダの地質学者、ツゾー・ウィルソン(1908~1993)でした。 pic.twitter.com/5ciLIrFacP

2018-09-08 07:55:01
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うえだしたお @YT1093

なぜ、地震についてざっくり話すと言っておきながら、シケた爺さんの肖像画を並べ立てているのか。彼らの生年月日を見るがよろしい。ウェゲナーでも1880年生まれ、ウィルソンが1908年生まれ、要するに歴史の浅い分野ですよと言いたかっただけなのだ。

2018-09-08 07:56:51
うえだしたお @YT1093

それでは、アホのうえだくんにでも理解できる「地震が起こる仕組み」の動画をご覧になっていただきましょう。 pic.twitter.com/Z5I4AXv4Oq

2018-09-08 08:07:46
うえだしたお @YT1093

さて、学会にはふたつの通説(主流説)があると冒頭で述べました。 1. 弾性理論:弾性反発説 2. 周期説、固有説:周期性と固有地震 これらについてかんたんに触れておきます。

2018-09-08 08:09:57
うえだしたお @YT1093

まず、弾性理論(弾性反発説)です。プレートに力が加わり、一方が歪むことでひずみが生じたのち、ひずみに耐えきれなくなって地殻が壊れるといった仕組みになっています。耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで最後に爆発する、どこか懐かしい高倉健映画のようなものです。 pic.twitter.com/VpjcM4K5IK

2018-09-08 08:14:41
うえだしたお @YT1093

周期説(周期性理論)については、説明しなくても察しのつく通りで、プレートには一定の時間をかけて沈み込む性質があるため、その速度を測定することによって、次の地震までの時間が逆算できますよという理論です。ぶっちゃけ、概算なのであまりアテにはなりません。

2018-09-08 08:17:35
うえだしたお @YT1093

最後に固有説(固有地震説)ですが、こちらはNHKの特集「メガクエイク」だかそこらでアスペリティ理論をわかりやすく扱っていたので、暇でモテない人は、そちらをご覧ください。

2018-09-08 08:20:53
うえだしたお @YT1093

固有地震が発生する理由としては、周期説で述べたように、震源には一定の力が蓄積してゆく過程があること(周期説)、蓄積した力により地殻が壊れて地震が発生すること(弾性理論)が挙げられます。加えて、様々な理由の重なり合いによって「なぜかよく揺れる固有の場所=アスペリティ」が生まれます。

2018-09-08 08:23:13
うえだしたお @YT1093

たとえばわたくしは左半身を上にして眠るのですが、朝になると右肩甲骨周辺がやたらと凝りまくっています。太ももやケツなど、広い面積を持つ範囲では体重が分散されてエネルギーが散逸しますが、肩甲骨のあたりは寝返りを打ってもベッドに接触しています。従って、特定の部位に限って凝るわけですね。

2018-09-08 08:32:31
うえだしたお @YT1093

わたくしの体重が蓄積する過程が周期説であり弾性理論、肩甲骨の辺りがやたら凝る現象(特定の場所が痛む=揺れること)を「固有地震説」だと理解しておいてください。試験には出ません。

2018-09-08 08:33:45
うえだしたお @YT1093

よくある誤解:活断層は地震のアスペリティ(強い揺れを引き起こす場所)だと思われているのだが、そうではない。鶏卵論争と同じで、因果関係と、先後関係の錯誤が生み出した謎の概念である。揺れた傷跡が活断層というだけで、活断層そのものが地震を起こしているわけではない。

2018-09-12 01:28:56
うえだしたお @YT1093

なんだっけ、地震の話か。地震というか地球物理学のこの分野は、非常に歴史の浅い領域なのだ。プレートテクトニクスも、地震のふたつの理論も仮説に過ぎないのであって、特に地震の二大理論には「そうは言うけど、証拠はあるんか?」という意味で、データの蓄積が待たれている。

2018-09-08 08:36:22
うえだしたお @YT1093

例えば弾性反発説、こちらは地殻の範囲をどれだけ取るのかによってもデータの解析が根底から異なってくる。例えば、プレートにひずみが溜まる過程を見ても、(一部アスペリティ理論で補完可能だが)次に力の発散が起こる場所=震源地は特定できない。つまり、観察対象となる範囲が広すぎるのだ。

2018-09-08 08:38:48
うえだしたお @YT1093

次に周期説と固有地震説、こちらは気候変動という変数によって、地殻に溜まる力の総量と、プレートの移動する速度が変わる。したがって周期を概算で得ようにも、そのズレが大きすぎて実用には向かないと言うこともできるわけ。固有説については弾性反発説の限界に重なるところが大きい。

2018-09-08 08:40:29