復学できる、その日まで。
持病などを抱えた子どもたちが直面する問題のひとつ、それは学校に通えないこと。長期入院や自宅療養などによって学校にいけなくなると、クラスメイトと疎遠になって孤独感を抱えてしまうかもしれません。
「AV1」は、そんな闘病中の子どもの代わりに教室での目となり耳となり、声となるテレプレゼンス・ロボットです。ノルウェーのスタートアップNo Isolationが開発しました。
Dezeenによれば、闘病生活のため自宅や病院のベッドにいる子でも、教室の机に置かれたAV1のカメラとマイク、そしてタブレット端末やスマートフォンを介して学校の授業を受けれられるようになります。つまり、通学が難しくてもクラスメイトとともに学べるということ。
受動的に授業を受けるだけでなく、動画にあるように「手を挙げて」授業に参加することだって可能になります。アプリを操作すれば教室にあるAV1の白いライトが光りますし、発言は搭載されているスピーカーから発信されます。さらに、教室を360度ぐるっと見渡したり、頭部を上下に動かしたりも可能。さらに、教室だけでなく校庭などでもやりとりを続けられるようWi-Fi&4Gに対応しています。
通学が難しい時期に学校やクラスメイトとの架け橋となるAV1ですが、ビデオ通話に関しては、闘病中の子どもたちの「姿をさらしたくない」というリサーチ結果に基づき受信のみの仕様になっています。
AV1を開発したNo Isolationは、社名が示すとおり、社会的な孤立をなくすことをミッションとしています。彼らのサイトには、このように書かれています。
社会的な孤立と孤独が苦しめるのは、社会において一番傷つきやすいグループです。最も危ういグループは80歳以上と、長期にわたる病気を患った子供&青少年の2グループです
同社は子どもをターゲットにしたAV1以外にも、お年寄りを子世代&孫世代をつなぐ、ボタンひとつのデバイスKOMPも開発しています。
AV1は現在、イギリスで開催中のロンドン・デザイン・ビエンナーレで展示中。