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Qualcommが次世代スマートウォッチ向けチップセット「Snapdragon Wear 3100」を発表、最大2日のバッテリー寿命を実現


Qualcommがスマートウォッチ向けの次世代プラットフォーム「Qualcomm Snapdragon Wear 3100」を発表しました。Snapdragon Wear 3100は従来よりもはるかに優れた長時間のバッテリー寿命を実現するため、新しい超低電力システムアーキテクチャに基づいて設計されたチップセットで、CPUには4コアのARM Cortex A7、GPUはAdreno 304を搭載しており、新設計の超低消費電力を実現したコプロセッサの「QCC1110」や、高性能な統合DSPを組み合わせることで、スマートウォッチのバッテリー寿命を延ばすことに大きく貢献できるとのことです。

Snapdragon Wear 3100 Platform | Qualcomm
https://www.qualcomm.com/products/snapdragon-wear-3100-platform

Qualcomm Snapdragon Wear 3100 Platform Supports New Ultra-Low Power System Architecture for Next Generation Smartwatches | Qualcomm
https://www.qualcomm.com/news/releases/2018/09/10/qualcomm-snapdragon-wear-3100-platform-supports-new-ultra-low-power-system

Qualcomm’s Snapdragon Wear 3100 smartwatch chipset promises up to 2 days of battery life
https://venturebeat.com/2018/09/10/qualcoms-new-snapdragon-wear-3100-smartwatch-chipset-delivers-up-to-two-days-of-battery-life/

Qualcommが発表したSnapdragon Wear 3100は、可能な限り消費電力を抑えることで、スマートウォッチのパワーだけでなく使用用途も幅広く拡張することを目指したチップセットです。QualcommはWear OS by Google開発チームと協力して新型チップセットの開発に取り組んできたとのこと。なお、Snapdragon Wear 3100を搭載した最初のスマートウォッチは、ルイ・ヴィトンFOSSILモンブランといったファッションブランドからリリースされる模様。


Snapdragon Wear 3100の主な特徴は「リッチ・インタラクティブ・モード」「新しいパーソナライズド・エクスペリエンス」「長時間のバッテリー寿命をサポート」の3点です。

「リッチ・インタラクティブ・モード」は、高性能で優れた接続性、スマート・センシング、魅力的な機能を提供するための強力な基盤として機能します。QualcommはSnapdragon Wear 3100の開発時にWear OS by Google開発チームと綿密に連携しており、Wear OS by Googleの製品管理ディレクターであるDennis Troper氏も「我々はQualcommとエコシステムを合わせることで、Wear OS by Googleを、消費者に幅広い選択肢と多様性を提供することが可能な魅力的なウェアラブルデバイスへと変えることができました」とコメントしています。

「新しいパーソナライズド・エクスペリエンス」は、Wear OS by Googleベースのプラットフォーム向けに3つのモードを提供します。その3つのモードというのは、「アンビエントモード」「スポーツエクスペリエンス」「トラディショナルウォッチモード」の3つ。「アンビエントモード」はスムーズな秒針や最大16色の色を用いて、ファッションウォッチのようなファッショナブルなスマートウォッチを作成できるようにするためのもの。「スポーツエクスペリエンス」はアクティブなユーザーがマラソンや遠泳、長距離のサイクリング、さらには山間部でのハイキングなどを行う際に、心拍数を測定し、GPS機能を有効にするために設計されたモードです。そして「トラディショナルウォッチモード」は、消費者が長時間スマートウォッチを利用できるように設計されたモード。


加えて、Snapdragon Wear 3100は「長時間のバッテリー寿命をサポート」するために、低消費電力モードを搭載。また、GPS/位置バッチ処理、分/秒クロックアップデート、センサー処理、MP3再生、Wi-Fi/Bluetooth音声照会などの分野で、電力使用を削減するための設計が施されています。前モデルのSnapdragon Wear 2100と比較すると、バッテリー寿命がどれくらい延びるかは端末構成やディスプレイサイズ、バッテリー容量などにより大きく変化しますが、平均で4~12時間ほど長くなるそうです。それにより、Snapdragon Wear 3100を搭載したスマートウォッチのバッテリー寿命は1日半から2日ほどになるとのこと。

そんなSnapdragon Wear 3100の中核を担うのが「Qualcomm QCC1110」で、21平方ミリメートル以下という超コンパクトな新設計のコプロセッサです。コンセプトである「超低消費電力」を実現するために最適化されており、次世代スマートウォッチのオーディオ・ディスプレイ・センサーエクスペリエンスを再定義するメインプロセッサの強力なパートナーとして機能するとのこと。なお、QCC1110はキーワード検出などのカスタムワークロードのためのディープラーニングエンジンも統合しています。


さらに、Snapdragon Wear 3100は低消費電力と高集積度をサポートするための新しいウェアラブル電源管理サブシステム「PMW3100」を搭載。PMW3100はオープンな実行環境で次世代のセンサー処理をサポートするための新しいDSPフレームワークを採用しており、階層的なアプローチをサポートする新しいデュアルディスプレイアーキテクチャを実装しています。

また、Snapdragon Wear 3100に搭載されている4G LTEモデムは既に10億台以上出荷されているものを改良したものとなっており、具体的には新しい高性能ガリウムヒ素パワーアンプとペアとすることで、電力効率を向上させているとのことです。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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