アリババの創業者ジャック・マーが早くも引退→教育活動に専念

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  • author 中川真知子
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アリババの創業者ジャック・マーが早くも引退→教育活動に専念
Image: Sek Samyan/Shutterstock.com

お疲れ様です。

アリババ創業者のジャック・マー氏が、20周年の節目である2019年9月10日にトップを退くことを正式に発表しました。

後任はダニエル・チャン現CEO。マー氏は今後12ヶ月かけて引き継ぎ作業をし、2020年の株主総会までは取締役にとどまるとのこと。来年9月10日に54歳となるマー氏は、引退後は教育分野を中心とした慈善事業に専念するようです。

2013年にアリババのCEO職を辞めて会長として存在感を発揮してきたマー氏の前職は英語教師。アリババ在職中に純資産額が約4兆4200億円を超え、もっとも成功したビジネスパーソンになっても、事あるごとに教育の大切さ、人材育成の重要さを説いてきました。過去のスピーチでも「50代は若者の育成に力を注ぐべき」だと力説しています。引退後は教育に重きを置いた「ジャック・マー財団」を立ちあげ、ビル・ゲイツ氏にならって慈善事業により一層力を入れていく模様。

では、残されたアリババはどうなってしまうのでしょうか。おそらく、心配することはありません。というのも、マー氏は引退を視野にいれて10年前から綿密な準備をすすめてきました。後任のダニエル・チャン現CEOは46歳とまだ若いのですが、1兆億円以上も稼ぐアリババ最大イベント「独身の日(11月11日)」を定着させた人物として知られています。「2018年の素晴らしい中国人CEOランキング」トップにも選ばれており、その手腕とリーダーシップはマー氏のお墨つき。アリババ設立時に掲げられた「102年間成長を続ける」企業の伴走者として、今後も活躍することでしょう。

さて、マー先生は今後どのような教育の道を展開させていくのでしょうか? 私は彼の教育論や哲学が好きで、スピーチ動画をYoutubeでよく見ます。彼の言い回しはシンプルで発言は筋が通っていて的を得ていて、まさに理想の教育者であり、子どもに見せたい大人の姿です。今後、ジャック・マーの教育を受けたくて、世界中から中国を目指す人たちが増えるかもしれません。

Source: The Verge, Bloomberg