9月13日2時より行なわれたApple Special Eventにて、新型の「iPhone XR」が発表されました。液晶の画面ながらもiPhone Xと同様のベゼルレス+ノッチ(凹)デザインになっており、発表された3つのiPhoneの中でもっとも安価なモデルとなっています。それでいて最新のプロセッサやカメラ機能を備えている魅力的なモデル。
iPhone 5c以来となるポップなカラーバリエーションが特徴的なiPhone XRですが、一体どんな仕上がりとなっているのでしょうか? スペックから発売日まで一挙にまとめます。
また、iPhone XSやiPhone XS Max、Apple Watch Series 4のまとめは各リンクからどうぞ。
予約開始日・発売日
iPhone XR予約は10月19日(金)16:01からスタート。発売日は一週間後の10月26日(金)です。SIMフリーモデルはAppleのオンラインサイト、もしくはApple Storeアプリから予約購入が可能。またソフトバンク、au、ドコモのキャリア版も同時刻に予約が開始され、同日に発売されます。キャリア版は、各公式サイトまたは店舗より予約可能です。
価格
デザイン
今回から、8/8 Plusの後継となるスタンダードモデルでもベゼルレスディスプレイを採用。正面から見るとiPhone Xに似ていますが、ベゼルはiPhone XやXSよりも数mm太め。
iPhone XRのディスプレイサイズは6.1インチで、アルミフレームとガラスの背面パネルで覆われています。カラバリは(PRODUCT)RED、イエロー、ホワイト、コーラル、ブラック、ブルーの6色展開。背面はiPhone 8と同じくガラス&シングルレンズカメラとなっていて、ワイヤレス充電に対応しています。
新機能:「iPhone 8/8 Plus」から何が変わった?
・画面は大きく、サイズは小さく、ちょこっと軽く
iPhone 8が4.7インチ、iPhone 8 Plusが5.5インチ。6.1インチのiPhone XRは、8 Plusよりもさらに画面が大型化しています。しかし筐体の縦横の長さは8 Plusより若干短くなっており、重量は8g軽くなりました。厚みは少し増し(iPhone 8からは1mm増し)ています。
ちなみに発表された3つのiPhoneの中では、大中小のうち中サイズとなっています(XS Maxが6.5インチ、XSが5.8インチ)。
・液晶だけどベゼルレス
iPhone 8/8 Plusともっとも違う部分は、やはりホームボタンを廃したベゼルレス+ノッチのデザイン。画面は「Liquid Retina HDディスプレイ」と名付けられた液晶画面になり、1,792×828の解像度(326ppi)。また、120Hzのタッチセンシングにも対応しました(ディスプレイのフレッシュレートではない)。3D Touchはなくなり、代わりに触覚フィードバックだけを返す「Haptic Touch」が採用されています。
・Touch IDはなくなり、Face IDヘ
ノッチのデザインになったということは、顔認証Face IDを行なうためのTrueDepthカメラがそこに搭載されています。去年のiPhone Xと同様、ロック解除から決済まであらゆる認証をFaceID(顔認証)で済ませるようになります。
・新型プロセッサ「A12 Bionic」
iPhone XRのA12 Bionicプロセッサは合計18コアのモンスターです。業界初の7nmプロセスを採用し、6コアCPU(4つの効率コア、2つの性能コア)、4コアGPUに加えて、毎秒5兆回のAI処理をこなす8コアNeural Engineと、カメラを支えるISP(画像信号プロセッサ)も備えています。
Neural EngineによりFaceIDの認証が少し早くなったそうで、これはiPhone Xより早くなっています。またリアルタイムの機械学習も可能になったので、ML Kit(AI機能のAPI)を活用したアプリや、画像認識を利用するARアプリがとてもスムーズになりそう。
ISPは、Appleがカメラ新時代と呼ぶ「コンピュテーショナル・フォトグラフィー」を支えています。レンズやセンサーが小さいスマホカメラは撮影時の画像処理が大事なので、ISPはその処理に特化しているのです。このアプローチは当時スマホ史上で最高のカメラだと謳われた「Pixel 2」と同じですね。iPhone XRにおいては、Neural Engineと組み合わせることでカメラにさまざまな新機能をもたらしています。
・シングルレンズなのにボケがイジれるカメラ
iPhone XRの背面カメラはiPhone 8同様のシングルレンズですが、デュアルレンズのiPhone 8 PlusやXで使えるポートレートモード(被写体を映えさせる撮影モード=周りを暗くしたりボケさせたり)が利用できます。しかもボケの度合い(f値)を撮影後にイジれるというボーナス付き。またスマートHDRによりダイナミックレンジが広がっているので、白飛びや黒つぶれが抑えられます。
またセンサーのピクセルサイズが大きくなったことにより、暗所での撮影も改善しています。
一瞬を見逃さないためにゼロシャッターラグとよばれる機能も付きました。シャッターボタンを押した瞬間を捉えるために、カメラを向けている時から仮の撮影を繰り返している、といったイメージです。
・デュアルSIM対応に
nano-SIMとeSIMの組み合わせに限定されますが、DSDS(デュアルSIMデュアルスタンバイ)に対応しました。ただしeSIMが使えるようになるのは今年中にリリースされるiOS 12のアップデートが来たあとなので、早い段階で購入する方はシングルSIMデバイスとして考えたほうが良さそう(どのキャリア・MVNOで利用できるのかもまだ不明なので、勢いに任せてポチるしかない!)。
・バッテリー、スピーカー、防塵・耐水性能
iPhone XRのバッテリーは、iPhone 8 Plusと比べて1時間30分長く持つそうです。これは主にプロセッサの省電力化によるものが大きそう。
また、スピーカーはステレオの広がりがiPhone Xと比べて大きくなったそうです。コンテンツの再生やゲームをプレイする際に嬉しいですね。
防塵・耐水性能はiPhone 8 Plusと変わらないIP67等級です。防塵は最高級で、耐水は最大水深1メートルで最大30分間、という意味になります。
iPhone XSやXS Maxとの比較はこちらよりご覧ください。