はやぶさ2、小惑星への初着陸リハーサルがうまくいかず自己判断で中止に

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  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
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はやぶさ2、小惑星への初着陸リハーサルがうまくいかず自己判断で中止に
Image: Jaxa

がんばれ、はやぶさ2!

9月12日、小惑星探査機「はやぶさ2」は小惑星リュウグウへの着陸リハーサルをおこないましたが、途中で中止となってしまったようです。

地球から遠く2億8千万km離れたところにある直径900メートルの小惑星リュウグウ。そのリュウグウへの着地とサンプル採取のために2014年の12月に日本を飛び立ったはやぶさ2ですが、2020年にサンプルと一緒に地球に戻って来る予定です。今年6月にリュウグウに到着したはやぶさ2は、接近して写真を撮ったりといろんなミッションをスムーズにこなしてきたのですが、先日が着地リハーサルがうまくいかず、途中で中止になってしまいました。なんでもこなしてきたはやぶさ2も、ミッションで初めて壁にぶつかることに。

本着陸は10月下旬に予定されていて、それまでに何回か着陸リハーサルを行なうことになっています。最初のリハーサルは9月10日と12日。最初のタッチダウンリハーサル(TD1-R1と略されています)は、リュウグウには着陸せずに高度40mのところまで近づき再上昇するというもの。JAXAによると、今回のTD1-R1の目的は「探査機運用について確認をすることと、リュウグウ表面を至近距離から撮影することでタッチダウン候補地点の安全性を確認すること」だったそうです。

計画というのはいつだって完璧ではありません。TD1-R1の3日目に高度約600m地点で急にはやぶさ2が自動的に止まり、上昇したとのこと。これは、はやぶさ2が自分で判断して起こしたアクションなんですって。賢い…なんておこがましいですが、でもめちゃめちゃ賢いですね。

どうやら惑星の表面と探査機の間の距離を計るレーザ高度計(LIDAR)の計測がエラーとなったのが理由みたいです。原因はリュウグウの表面の光反射が弱く、高度計がうまく働かなかったからではないかとJAXAは話しています。

リハーサルは中止になってしまいましたが、はやぶさ2には異常もなく、現在はホームポジションに戻っているそうです。JAXAは現在、2回目のタッチダウンリハーサルを計画中で新しい降下手順やLIDARの設定見直しなどをおこなっているとのこと。

前回はやぶさ2が送ってきたリュウグウの表面写真を見ると、表面はゴロッゴロの岩塊だらけでした。着陸のプロセスもさることながら、着陸自体も難しいミッションになるのかもしれません。でも2020年にサンプルを持って帰ってくるのを、我々地球人、待ってますからね!

Source: Twitter