カルロス・ラモス主審【写真:Getty Images】

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セリーナから暴言を受けたラモス主審に米テニス協会のアダムス会長が謝罪

 テニスの4大大会、全米オープン女子シングルスを制した世界ランク7位・大坂なおみ(日清食品)。決勝戦の相手となったセリーナ・ウィリアムズ(米国)はカルロス・ラモス主審に暴言を吐き、ラケット破壊などの行動を見せた後、記者会見で性差別を主張。全米テニス協会のカトリーナ・アダムス会長はセリーナの肩を持ち、主審を批判していたが、事実誤認の事態が判明。渦中の主審に手のひら返しの謝罪に出たことが発覚した。英地元紙「デイリー・テレグラフ」が報じている。

 全米オープンでセリーナに「盗人」呼ばわりされるなど、再三の暴言を浴びたラモス主審。客席からのコーチからの指導、ラケット破壊、暴言というコードバイオレーションに適切な罰則を下したのだが、試合中はセリーナ贔屓のファンからブーイングを浴びた。

 試合後にはセリーナからペナルティの基準について「性差別があった。男子ではこうはならない」と標的にされていた。この件について、アダムス会長は中継局「ESPN」で「公平性が存在しなかった」とポルトガル人主審を批判していた。

 大坂のグランドスラム初優勝となった大会。“セリーナ劇場”の影響で、世界的な注目を浴びることになったラモス主審は、同紙によると、14日に行われるクロアチア・サダルで行われるデビス杯の米国対クロアチア戦を裁くことが決まった。クロアチアの地で、ラモス氏と再会したアダムス氏は直接謝罪したことも伝えている。

過去20年の4大大会において男子に与えられたペナルティの数は女子の約3倍

 ペナルティが与えられる基準について、男女でのダブルスタンダードの存在を公然と批判したが、アダムス会長には重大な事実誤認があったという。

 特集では、今回の全米オープンにおけるコードバイオレーションが言い渡された回数は男子が86回に対して、女子は22回。過去20年のグランドスラムでも男子の1534回に対して、女子は526回。実際のところは男子の方がペナルティを受けている事実も伝えている。

 グランドスラム優勝23回で米テニス界で絶大な人気を誇るセリーナを擁護したアダムス氏。しかし試合後も女王の振る舞いは物議を醸している。

 審判たちがセリーナの試合のジャッジをボイコットする動きが報じられるなど、騒動が拡大している。カルロス主審を擁護する声も高まりを見せる中、アダムス会長は手のひら返しに出た格好だ。(THE ANSWER編集部)