敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。

今回は社会保険手続、給与計算、福利厚生業務、人事データ等の管理などの人事労務に関するサービスを企業に提供するJustworksの創業者であるアイザック・オーツさんの仕事術です。

時代遅れの給与制度や官僚的な人事部に苦労しているなら、中小企業や成長企業に近代化された給与計算、福利厚生、人事、法務・コンプライアンスのサービスを提供するJustworksは魅力的に映るはずです。

Justworks自体が成長途上の会社で、人事・給与アウトソーシングサービス業界の世界最大手のADPや新興勢力のスタートアップであるZenefits、WageWorks、Gustoなどと競合しています。

創業者のアイザック・オーツ(Isaac Oates)さんから、「自分がビジネスをしていて苦労の種だったことを次のビジネスの製品に転換する」という古典的なスタートアップ由来のストーリーを聞きました。

居住地:ニューヨーク市

現在の職業:Justworksの創業者兼CEO

現在の携帯端末:iPhone

現在のPC: MacBook Pro

仕事の仕方を一言で言うと:効率的に

── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?

私が最初に就職したのはAmazonで、エンジニアとして「第三者支払い(3PP)」に取り組みました。

これは、市場で買い手と売り手の間でお金を動かすトランザクション処理システムのことです。その後、ビジネススクールに行き、Amazonのプロダクトマネージャーになりましたが、結局は退職してAdtuitiveという広告テクノロジーの会社を共同設立しました。

その会社はEtsyに買収され、その後3年かけて私はEtsyの支払いプラットフォームとなるDirect Checkoutを構築しました。

その間、起業家らしい生活はできませんでしたが、Etsy時代に総務系の仕事の大変さを実感できました。よりいいシンプルなやり方があることはわかっていたので、それがJustworksを立ち上げる閃きになりました。

成長途中のビジネスが、もっと簡単に総務系の仕事をこなしていけるようなものを作りたいと思いました。

──最近の1日の流れを教えてください

  • 早起きして朝は投資家向けプレゼン制作
  • オフィスに行き、毎週1回ある全員参加の会議に出席。会議の内容は毎回異なりますが、300人以上いる社員全員で情報を同時に共有する機会にすることが主要目的なので、形式は多様です。現在我が社は社員を増やしているところなので、ほぼ毎週チームに新人を紹介しています。
  • 社員会議が終わると、午後はずっと短い会議でした。スタッフと1対1ミーティングや、重要なプロジェクトの現状アップデートなど、全部で8つの会議をこなしました。
  • 5時に退社して息子を学校に迎えに行きました。

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

ほとんどの起業家と同じで、Microsoft Word (メモを書くため), Excel (データ分析をするため), Google Slides (プレゼンテーション作成のため)といった基本的なものとiPhone (急ぎのことはテキストメッセージで対処します)です。

── 仕事場はどんな感じですか?

Justworksは成長中なので、今年オフィスを移転して、今はニューヨーク市のStarrett-Lehigh Buildingに入っています。

広いオープンフロアにみんなで座っていますが、6つの区画に配置されたワークステーションを各人が持っています。

私も普段はこのフロアでみんなと一緒に自分のデスクに座っていますが、私専用の個室も持っていて、会議や電話に使っています。オープンスペースのオフィスは必ずしもすべての会社に向いているわけではありませんが、我が社には向いているようです。

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Justworksのオフィス
Photo: Justworks

── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?

メールに返信する時間を週末にとっていますが、週末は送信せず下書きフォルダーに保存しておいて、月曜日の朝に送信します。

こうすることで、週末にチームにメールをどんどん送り付けずに済むので、自分自身のストレスも軽減できています。平日は、受信したメールはすぐに返信せず、2、3日に1度まとめてApple Mailで読んでいます。

前述した通り、緊急な件はテキストメッセージで対応しています。

──仕事場で採用しているプロセスで、興味深いもの、珍しいもの、こだわりがあるものがあれば教えてください

我が社では、週に1度リーダーシップ・チーム・ミーティングがあり、リーダーたちは重要な意思決定を書面で提案します。

このミーティングにはかなりきっぱりした取り決めがあり、文書で提案しないと決定はされないことになっています。これにより、社員の思考の質が10倍向上しました。

── どんな人たちからどのように仕事を助けてもらっていますか?

私はこれほど優秀なチームに囲まれていて、本当にラッキーです。どのメンバーもすごい能力を持っているので、私は会社経営に関しては彼らを大いに信頼しています。アシスタントのSabrinaさんは、大きなイベントやプレゼンを含めて私のスケジュール管理をしてくれます。

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アイザックスさんのデスク
Photo: Justworks

──ToDoはどうやってトラッキングしていますか?

やり方はシンプルです。対応すべきことをすべてMicrosoft Wordでリストにしています。あとは、会議中に思い浮かんだことは自分で自分にメールをしてリマインダーにしています。

──どのように充電したり休憩していますか?

週末ごとに2、3時間かけて、ゆっくりやっていい仕事(メモやプレゼン等を書くことです)をしたり、メールに目を通したりしています。

それを除けば、本気で週末は充電に使うようにしています。年に2、3回は旅に出て、完全にメールをシャットダウンします。最近、息子をスコットランドに1週間連れて行きました。実に素晴らしかったですよ。

──仕事の合間に何をするのが好きですか?

元エンジニアなので、今でもデータの分析は楽しくて仕方がありませんし、まだ誰も気づいていないトレンドを見つけるようにしています。仮説を実証するには良い方法ですし、ビジネスをもっとうまくやっていける気分になれるんです。

──今、何を読んでいますか? おすすめの本はありますか?

Tom DeMarco著『Peopleware: Productive Projects and Teams』をおすすめします。エンジニアのチームの統率について書かれた良い本です。

──今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

オバマ元大統領です。

──これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

君は君のレーンで集中して泳ぎなさい。競争相手のことは放っておきなさい。

──取り組んでいる課題はありますか?

Justworks は急速に成長しています。とても嬉しいことではありますが、会社の規模が急に大きくなると、あらたに社内の課題も増えます。

チーム全体が目標を共有してそれに集中してはいますが、お互いに話がすぐ聞こえる距離で仕事をしていた日々ははるか昔になりました。

そこで、私はみんなが効率的に仕事をするためのコミュニケーション・チャンネルを継続的に整えています。チームの誰もが必要な情報にアクセスできてこそ、我が社は成長力を維持できるのです。


Image: Courtesy of Justworks/Lifehacker US

Source: Justworks, Amazon

Nick Douglas – Lifehacker US[原文