液晶でフルスクリーン+ノッチはやはり高度な技術。
iPhone新モデルの中で唯一、有機ELディスプレイではなく液晶ディスプレイを搭載しているのが廉価版モデルであるiPhone XRです。ギズモードのハンズオンでも私達が驚いたのはやはり、液晶ディスプレイでありながらほぼベゼルレスを実現している点です。「そんな事もできたのね」と感心してしまったわけですが、これはやはりかなり難しいディスプレイ技術のようです。
液晶ディスプレイにはバックライトが必要なわけですが、非常に正確なノッチの切り取りとソフトウェアによる調整が必要であります。ノッチ部分から光が漏れてしまうという不良が起きやすく、これが原因で生産が希望通りのスピードに追いついていないという報道はこれまでも何度かされていました。
そういった経緯があり、新モデルの発表ではiPhone Xs、Xs Maxは来週にも発売が開始されるいっぽうでiPhone XRは1ヶ月先となっていたわけです。「やはりディスプレイ生産が追いついていないのか」と多くの人が推測したわけですが、The Vergeもつい先日、メディア企業International Data Corporationモバイルリサーチ部門バイスプレジデントであるRyan Reithさんの次の発言を報じています。
「Appleは(iPhone XR用の)ディスプレイを十分に入手できていない」とReith氏は述べました。(中略)Appleはビジュアルを改善するためにソフトウェア面からLCDスクリーンを調整しないといけない状況が続いており、またスクリーンの製造者にはノッチの形に沿って切り出すという工程も存在しています。
Reithさんはまた「(iPhone XRは)液晶スクリーンでありながら、フルスクリーンでノッチがある初めてのプロダクトだ」と指摘しています。
昨年の発表ではiPhone 8とiPhone 8 Plusが発表から10日ほどで発売開始されたいっぽうで、有機ELディスプレイの供給不足からiPhone Xは11月まで待つ必要がありました。 今回はiPhone Xの後継モデルがすぐに発売開始され、廉価版のXRが一カ月遅れて発売というちょうどひっくり返った状況ですね。