自分のお金の使い方を改めようと思ったとき、とても役に立つ方法の1つが、「お金を手放す痛み」を利用することです。
その方法を、ウェブメディア『The Atlantic』のライター、Joe Pinsker氏が説明しています。
カードより現金を
一例を挙げると、カードではなく、現金で代金を支払うのです。クレジットカードを使うと、その場で買って、支払いは後回しにできるので、気軽に購入したり浪費したりしがちです。
現金で支払うと、そのときにその場でお金を手放すことになるため、何かを買うときの精神的な痛みが大きくなるわけです。
こうした「お金を手放す痛み」を利用することによって、自分が好きなように使っているお金を少しは節約できるかもしれない、とPinsker氏は述べています。
カードを使うならスマホに記録
Pinsker氏自身は、クレジットカードを使うごとに、取引内容をスマホに記録しているそうです。
「何かを買った後は、その取引内容をスマホに残しておきます。代金と、何を買ったかを記録するのです。特にクレジットカードを使った場合に、自分が何にお金を使っているかをメモするよう自らに強いることによって、お金を手放すという痛みを大きくするわけです」
Pinsker氏の概算によると、このルールを定めてからは、好き放題に使うお金が10~15%減少したそうです。また、こうすることによって短期的には痛みが増すものの(これは、お金を使いたいという衝動を抑えるのによい方法です)、長期的には、自分のクレジットカードの請求を知らずにいることの痛みが軽減されるそうです。いいことずくめですね。
行動経済学者が教えるムダづかい防止策
Pinsker氏のやり方をさらに改善する手段として、行動経済学者のダン・アリエリー氏は、「購入する前に記録する」という方法を推奨しています。無駄遣いをなくす効果がさらにありそうですね。
アリエリー氏が推奨するもうひとつのやり方は、自分がいま使おうとしているお金で、他に何が買えるかを考えるというものです。
例えば、毎週使えるお金の額を決めておき、週末に残ったお金は夕食に使ってもいい、というルールを決めてみてはどうでしょうか。
こうした管理には家計簿をアプリを使うこともできますが、「Bear」や「OneNote」のようなメモ帳アプリに出費を記録するほうが、何もかもカテゴリー別に分類するよりも単純で、痛みを実感できるうえ時間もかかりません。
ただしPinsker氏は、自分のやり方について、お金に関するあらゆる問題を解決するわけではないと注意を促しています。
「通常は、自動車保険や住宅保険の証書や、電話代の請求書を見直すほうが、ささやかな一杯のコーヒーを我慢するよりも大きな倹約になります」というのです。
さらに、このような些細な決断を何度も行うことによって、お金に関するストレスが増えることも事実です。結局のところ、つまらないものに多少のお金を払ってもかまわないのです。
けれども、好き勝手なお金の使い方を改めたいとか、もっとちゃんと把握したいと思う人にとっては、Pinsker氏の方法は適切といえるでしょう。
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Image: Prostock-studio/shutterstock
Source: The Atlantic
Alicia Adamczyk - Lifehacker US[原文]