アンテナ2行縦並び。Apple端末でこんなギークな絵面が見えようとは。
でも今の時代デュアルSIMはギークでもなんでもなく、広く必要とされている技術なのかもしれないけどね。まぁ、そんなわけでiPhone XSとXS Maxは一部のiPhoneユーザーが渇望していたデュアルSIMに対応します。
しかもDSDS(Dual SIM Dual Standby)。再起動なしに、両方のSIMカードで電話の受発信が可能なので活躍の幅が広がりますね。
eSIMの追加方法
要注意なのが国内版のiPhoneですと、片方のSIMは本体内蔵のeSIMです。サポートページを見る限り、eSIMを利用するには、年内にリリースされるiOS 12の次期バージョンが必要となり、iPhone XSの発売後すぐにデュアルSIMが解放されるわけではないみたい。
そして、デュアルSIMが対応になった場合は、通信事業者が発行するQRコードもしくはeSIMに対応した通信事業者のアプリからプランを自分で書き込みます。
たとえばQRコードを使った場合は、以下のようにアクティベートします。
1.「設定」>「モバイル通信」の順にタップします。
2.「モバイル通信プランを追加」をタップします。
3.iPhone を使って、通信事業者から支給された QR コードをスキャンします。
デュアルSIMの使い方
SIMはプライマリ(1枚目)、セカンダリ(2枚目)、パーソナル、ビジネスなど「ラベル」を付けて管理できます。
また、「連絡先」から相手に合わせてSIMカードを固定化もできますし、デフォルト設定では前回電話をかけたときと同じ番号が自動的に使われるようになります。ビジネスの相手なら、常にビジネス用の電話番号(SIM)から発着信するといったルール付けができるってわけですね。
2つの回線がある場合はどちらをデフォルトに使うのか?といった設定ももちろんできます。ちょっと複雑ですけど、このあたりは柔軟に利用できて使い勝手良さそう。
たとえば海外渡航では、プライマリ回線をローミングして音声通話に、セカンダリ回線を現地のeSIMに適用してデータ通信に利用ってのが便利な例でしょうか。また、国内のキャリアと格安SIMを併用するのであれば、キャリアのデータプランを最低容量に変更して、音声通話専用へ。単価の安い格安SIMをデータ通信専用SIMとしてセカンダリに設定するといった、iPhoneらしからぬギークな運用も将来的には(ここ大事です)できると思います。
他にも、2枚のSIMを有効にした際の電話の掛け方やSMSの送り方など、さまざまな使い方が詳細に書かれています。DSDSを活用したい人は「iPhone XSやiPhone XS MaxのデュアルSIMについて」を一読しておきましょう。
ただし、残念。国内キャリアはまだeSIMに対応してない!
先程、「将来的には(ここ大事です)」と言いましたが、そうなのです。いくつかの海外キャリアは対応をうたっていますが、国内主要3キャリアはまだeSIMの書き込みには対応していません。
ただ、国内キャリアも同じeSIMなApple Watchへのプロファイル書き込みは対応しているため、こちらはそう焦らずとも良いかと思います。今すぐに!とはならないけど、ゆくゆくはeSIMへも対応する…はずです。
ただし、物理SIMなしでeSIMだけでの契約ができるかどうかは謎。また、異なる2つの通信事業者を利用するにはSIMロック解除が必要となる点も、キャリア販売分としてはハードルとなるでしょう。このあたりはキャリアがどんな出方をするのか注目したい未来ですね。
格安SIMは、ちょっと…
そして最近利用者も多いMVNOの格安SIMですが、キャリアから回線(SIM)をレンタルしている立場なMVNO(格安SIM)は、基本的にeSIMは利用できないと思った方がいいでしょう。唯一可能性があるとしたら、フルMVNOとなったIIJ、すでにeSIM搭載端末の動作実験も行っているので期待が募ります。そしてIIJの中の人いわく…
私たちも新iPhone・AppleWatchやeSIMには興味を持っています。しかし、現時点では何か検討し、コメントできるような情報がないという状況です。
— 堂前@IIJ (@IIJ_doumae) 2018年9月13日
興味はあるらしい。僕ずっとIIJmioユーザーなので、なんとかなる未来を期待しています。
まぁでも、MVNOで国内での利用がメインな僕としては、eSIMよりも物理SIMが2枚刺さった方が良かったなぁ〜。というのが正直なところですけどね。ただ、そういうiPhoneもあります。
中国、香港、マカオで発売されるiPhone XS Maxは物理SIMカード2枚という構成です。おそらくこの圏内では規制の問題でeSIMがNGなんでしょうけど、まさにこれが僕が求めていたiPhoneンンン!
とワンチャン香港から輸入が正解か? という可能性がひらめくも、対応Bandを調べたら、中国モデルは国内主要Bandの中では「Band 1」しかカバーしていませんでした。国内利用は正直キツそうです…。
あぁ、世の中って自分の思うままに動かないのねっ。でも、諦めないんだからっ! いつかフルMVNOとなったIIJmioがeSIM対応して、白馬の王子様のように僕を迎えに来てくれる日がくるのよっ、きっと!
Source: Apple