どうも最近、スマホの大型化が進んでやしませんか。
iPhoneのイベントに出るたんびに、そんな流れを感じるんですよね。 Apple(アップル)のティム・クックCEOをはじめとする重鎮たちが、にこやかにステージに立って新しいiPhoneがどんなにいいのかを説明していたけど、うーん、ちょっと待ってくださいよ。
iPhone、このままどんどんおっきくなっていくのでは? それで数年後には50インチの画面を背負いながら電話することになったりして。
iPhone SEの終焉が語るもの
また、小型画面のスマートフォンの衰退も、新しい製品の大画面化の原因のひとつだと思いませんか。Apple Storeの「お待ちください」画面が切り替わって製品ラインナップが現れたとき、みんな4インチのiPhone SE(2016年)が逝ってしまったのを知りましたね。iPhone 5sをベースにしたこのモデルは、小さな手の人たちに人気に。ポケットにも、ほとんどのスマホケースにもおさまるプチサイズが愛されていたのです。おまけにお手頃価格。今や安いiPhoneを購入しようと思っても、2年落ちのiPhone 7だって5万800円以上はします。iPhone XSは5.8インチ。11万2800円〜という値段は、iPhone SE登場時の倍にもなります。
年々、大型化していくiPhone
iPhoneは年々、確実に大型化しています。かつては、4.7インチだってスマホのディスプレイとしては「おっきいな」という印象だったのに、いまや廉価版のiPhone XRだって6.1インチもあります。iPhone XR(150.9×75.7×8.3mm、194g)は、iPhone 8(138.4×67.3×7.3 mm、148g )とiPhone 8 Plus(158.4 mm×78.1 mm×7.5 mm、202g)の中間の大きさ。幅だけを見るともうちょっと厚くなっています。
iPhone XRはフラッグシップのiPhone XSより安いのに、より大きい画面を持っています。安かろう小さかろうという先入観がある多くの人が、これには驚いたでしょう。
そして、iPhone XS Maxは、名前のごとくサイズもマックスです。Samsung Note 9(161.9 x 76.4 x 8.8mm)には大きさでは負けますが、157.5 x 77.4 x 7.7mm、208gという大きさは思わず「デカっ」とつぶやかせるサイズ感です。
実は、iPhone 8 Plusが今までAppleが販売してきたなかでも最大サイズのiPhoneです。ですが、ディスプレイサイズだけでいうとiPhone XS MaxとiPhone XRは8 Plusをしのぐ大きさとなっているんです。 それぞれ6.5インチと6.1インチのディスプレイは、片手で操作するには大きすぎる感があるんですよね。わたしのように小さな手の人には特に! 画面の端から端までの距離が長いので、操作しづらいんです。試しに触ってみましたが、手が痛くなっちゃいましたもん。スティーブ・ジョブズシアターすぐそばのロビーでちょっと遊んだだけで手が疲れるんだから、ずっと使用し続けたらどれほどストレスを感じることか…。
スマホは今や私たちがインターネットを見るための主要な端末です。大は小を兼ねるじゃないですけど、画面が大型化していくのも無理はありません。みんなスマホで映画やYouTubeの動画、画像などを見ますよね。また多くの人はウェブに使っています。画面が大きければ、一度に見られる情報も増えますね。それはそれでよいんじゃないでしょうか。
でもサイズが大きいことで、日常の操作に支障は出ないんでしょうか? いや、操作しづらい人だっているはず。大きいことはよいこと…と一概には言い切れません。でも、Appleの考えは違うみたいですよね。iPhone XS MaxとiPhone XRを見れば、それは明らかです。
Apple Watchはどうなる?
ところで新しい「Apple Watch Series 4」ときたら、これもまた従来機種よりも大きくなっています。
正直、最近のスマートウォッチのサイズ進化には、目を覆わずにはいられません。ウェアラブル製品のメーカーはこぞって縮小したスマホを腕に巻きつけようとしているような感があります。…ってね、昔のSF映画じゃないんだから。
その点、38mmのApple Watch Series3では一般的なトレンドに反抗しているように見えます。Appleは単なるiPhoneのミニチュアとしてのウォッチでなく、別のカテゴリを切り拓こうとしていることを実証してきました。
今年度前半に、Appleは売れていない、単なるスマホアプリのクローン的要素が多いwatchOS 1アプリ端末をお蔵入りさせました。これは、Appleがウェアラブルにはスマホと異なる需要があることをきちんと理解している証拠です。ウェアラブルにはウェアラブルの用途があるのです。だから、内蔵されるアプリもまたウェアラブルのエコシステムに合わせる必要があると考えているってことなんです。
だから、今回のSeries 4が大きくなるという噂を聞いたとき、わたしは心配せずにはいられませんでした。Appleは今まで、競合他社にない何かを届けてくれていましたから。そのAppleがサイズを大きくしさえすればよいとは思っていないことを切に願っていたのです。
結果、2mmだけ大きくなったからって、Appleに落胆するわけではありませんでした。実際に40mmの新機種と38mmの自分のを比べたら、Apple Watch Series 4はよりカーヴィな感じで、画面自体が大きくなっていましたが、実際つけてみるとたいした違いはないように思えます。たった2mmの違いですからね。
…でもこのまま「大きなことはいいことだ」という風潮が続いたら? Apple Watch Series 4は、確実に大きくなりました。今や42mmや46mmというウォッチも台頭しています。このままいくと初代iPhoneと同じ3.5インチまで進化するのも夢ではないと、わたしは気が気でないのです。
このままどんどん大きくなっていくの?
3.5インチ初代iPhoneから6.5インチiPhone XS Maxへ。過去10年間で、iPhoneはおよそ倍まで大きくなりました。
スマホの大型化はいつまで続くんでしょうか? 何度も言うようですが、大きけりゃいいってもんじゃない。時代が変われば品も変わるものです。以前、スマホの小型化がどんどん進んでいき、将来的にはディスプレイを見るのも大変になるんじゃないかというジョークすらありました。それも懐かしい思い出です。このままだと今使っているiPad Miniが、iPhoneの標準サイズになる日も近いのでは?
2年後には、 ティム・クックがイベントで7.9インチのドデカiPhone XXS Maxxを発表してたりして、ね。