Galaxy Watch レビュー:Samsungのスマートウォッチ、良くなったよね

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Galaxy Watch レビュー:Samsungのスマートウォッチ、良くなったよね
Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

Samsungのスマウォ、進化してます。

新しいGalaxy Watchの魅力って、ずばり何だと思いますか。これから買おうと思っているなら、単なる「腕時計」に毛が生えたぜいたくなおもちゃという先入観を、まず捨てたほうがよいみたいです。 米GizmodoのSam Rutherford記者がレビューしています。


スマートウォッチは万能、なんて、ナードっぽい夢みたり、SFちっくな未来幻想を抱いたりしてませんか。ウェアラブルにあれもこれもを期待しているなら、考え直すときがきています。そんな幻想を抱いているなら、今ある端末を手にとってみたら、期待と現実のはざまには大きなギャップがあることに気づくでしょう。時は2018年、「腕につける携帯端末」のよさって何でしょう。腕時計でゲームをする、腕時計で動画を見る、どれも「便利そうだな」と思わせてくれますね。でも、そんなちっこい画面でせせこましくゲームや動画を見るだけの使い方なんて、ちょっと悲しいと思いません?

健康、そこは最後のフロンティア

Galaxy Watch(ギャラクシーウォッチ)は、これからのスマートウォッチがどうあるべきかという方向性を定めてくれたウェアラブルだと思います。携帯からのリレー通知や万歩計、テキストメッセージへの返信など標準的な機能に加え、フィットネス関連の機能がぐっと充実したGalaxy Watchは、現代のスマートウォッチの真の目的である、「健康とフィットネス」のトラッキングをとことん追求することに狙いを定めたウェアラブルです。

Galaxy Watch

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

これは何?:Samsungの最新スマートウォッチ

価格:42mmモデルは330ドル(約3万7000円)、46mmモデルは350ドル(約4万円)

好きなところ:バッテリーの持ちがよい。回転ベゼルが素敵。ワークアウトの種類が増えた。3G/LTE接続できる

好きじゃないところ:アクティビティトラッキングがやりづらい。ストレストラッキングは機能性向上の余地あり。Samsung PayはNFC決済のみ対応(MSTなし)。Bixbyの感度悪し

今年のSamsung(サムスン)のスマートウォッチでは、ソフトウェアが自動でトラッキングしてくれる項目が、前モデルの3つから6つに倍増しました。手動セットでモニタリングできるアクティビティーも一気に増え、39項目がチェックできるようになっています。脚も鍛える腕立てエクササイズや、激しいインターバルトレーニングの統計をとるなど、さまざまなエクササイズを組み合わせて数値を測れるようになりました。また、睡眠トラッキングの機能も向上しており、さらにはストレスのトラッキング機能も組み入れてきました。もちろん役に立つのもそうじゃないものもありますが。

ずばり、自分の健康状態をトラッキングするのが現代のウェアラブルデバイスの使い方です。廉価な端末を選ぶと、安さの代償として機能が充実していないことがありますが、端末によってはマラソン競技者やトライアスロンなどのアスリートに特化したものなどもあったりします。スマートウォッチはスマホのコンパニオンとしての役目を果たす汎用デバイスとしても使えますが、スタンドアロンの「ワークアウトトラッキング専用」ガジェットとしてしっかりと機能してくれます。

相変わらず、回転ベゼルはいい

ここ数年のSamsungスマートウォッチの進化に注目していた方は実感していると思いますが、Galaxy Watch、とてもよくなりましたよね。Galaxy Watchは見てすぐに好きになる、親しみやすい外観です。これは主観ですが、Galaxy Watchは市場でもっともすぐれたデザインのデジタルウォッチといっても大げさではないでしょう。ケースは軽量なプラスチックをベースとし、丈夫なアルミ製。Gear S3のアグレッシブなデザインを彷彿とさせるデザインは、かっこよくスリムな感じです。レビュー用に用意されたのは46mmモデルでした。ここ数週間つけてみて確かに小さいとは感じませんでしたが、大きすぎるかどうか気になる人には42mmモデルもあります。

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

Galaxy Watchは操作性が抜群でした。右側面にはふたつのボタン。操作は複雑でなく、素早く画面を切り替えできる感じです。で、回転ベゼル。双方向にくるくる回して通知、ウィジェット、アプリの切り替えができます。かっこよさと機能性が融合されて、まさにスマートウォッチの見本のような潔さがあります。

ベゼルを左に回すと、通知を順次確認できます。速く回せばさっと確認、ゆっくり回してじっくり確認。すべて確認したら、ゴミ箱アイコンを押していらない通知は消しておけます。右に回すと、音楽の選択や、カロリー計算、などなどお気に入りのアプリやウィジェットにアクセスできます。IP68/5気圧防水となっているので、3G/LTE接続が行なわれていれば、プールサイドでもスマホがそばになくても気にせず使えます。Galaxy Watchには4GBのストレージが内蔵されているので、ウォッチで音楽のストリーミングしつつ、Bluetoothのヘッドホンで聞くことができちゃいます。 ということは、もう音楽を聴くのにスマホを持ちあるく必要がなくなったということ(Apple Watchでも同じ体験できるけどね…)。

5日持つから、寝ているときも着けられる。睡眠トラッキングもできる

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

ランニングや自転車をメインのワークアウトにしてるなら、自動のアクティビティトラッキングがおススメです。このウォッチを数週間つけてみて、トレッドミルで走ったときに一度だけ認識できなかったことがあったけど、認識できなかったのはその一回だけでした。ラットプルダウン(ウエイトトレーニングの一種)の検出はとても正確でしたね。手の動きがあって数秒してからウォッチが感知するという「時差」があるため、自動トラッキングにはまだまだ改善の余地ありという感じです。でもいつか、自分の動きすべてをスマートウォッチが検出してくれるような日もくるかも。Galaxy Watchはまだそこまで到達してはいませんが、道は十分開けていると思います。

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US
ストレス、睡眠、アクティビティをグラフで見ることができる。またはSamsungのS Healthアプリでも確認できる

睡眠のトラッキングについては、Samsungの睡眠分析はだいぶ向上していると言えます。良質の睡眠をどれだけとったか、睡眠状態の変遷まで逐次トラッキングしてくれます。あくまでも僕の場合ですが、僕は8時間睡眠を心がけています。ですが、睡眠の効率は80までしか上がっていませんでした。これは、8時間眠っているのに、6時間から7時間ぶんくらいの睡眠しかとれていないことになります。どうも朝起きても疲れがとれないと思った。

睡眠トラッキング機能が向上したのはSamsungのチップの性能のおかげです。多くのWear OS端末と異なり、SamsungによればGalaxy WatchのExynos 9110プロセッサは去年のGear SportのExynos 7270よりも35%効率がよくなっているそうです。バッテリー寿命に至ってはその違いは明らか。5日は余裕で持ちました。使い始めてからの数日間はめちゃくちゃいろんな機能を試し続けたためか、4日しか持ちませんでしたが、これは激しい使い方をしたからと思います。

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

これくらいバッテリーが持ってくれると助かりますね。週末に旅行に出かけるときや急な出張でも、Galaxy Watchのワイヤレス充電器を家に置いて行っても安心です。Apple Watchの18時間とは圧倒的に持ち時間が違います。Apple Watch Series 4にはECG(心電図)などの面白い機能が搭載されていますが、 Apple Watchは毎晩のように充電が必要なため、睡眠トラッキングのような機能はちょっと使えません。

ストレスチェックは自分で測らないといけない。イライラ…

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

マイナスな点をあえて挙げれば、Galaxy Watchのストレストラッキング機能かな。役に立たないわけではないですが、正直、期待外れでした。計測自体はとても簡単です。スクロールでウィジェットにアクセスするだけで、簡単にストレスを測れます。でも、自動で計測してアラートを送ってくれるわけではありません。イライラが絶頂に達しようとしているのを検出し、深呼吸の指導アプリなんかを提示してくれたらいいもんです。Samsungはストレストラッキングを向上させるとは言ってはいますが、そんな機能が将来的に追加されたらいいなと思います。

もうひとつ、正直言って落胆したのは、Galaxy Watchから搭載されたAIアシスタントの「Bixby Voice」。前モデルの音声認識機能「S Voice」をちょっと改造しただけというていたらく。音声でテキストメッセージを送ったり、アクティビティトラッキングをオンにしたり、そんなことができるんですが、通勤路の混み具合を聞いたり、野球の結果を聞いたりといった、SiriやGoogleの音声アシスタントや、スマホ版のBixbyでは簡単にできるようなことも、残念なことにエラーになってしまっていました。

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

アプリの充実度もまた、改善してもらいたい点のひとつです。これは、どんなスマートウォッチにもこれは共通している点ですが。Galaxy WatchのTizenアプリエコシステムも、残念ながら品薄な感じです。Samsungでメインアプリとなっている感のあるSpotify、Strava、 MyFitnessPalといったビッグネームから、去年リリースされたPhilips Hue Tizenアプリはまだ使えません。Samsungはアプリのキュレーションや文字盤ストアも向上すべきと思います。 Galaxy Wearableアプリでアプリを探すのは結構ストレスなんです。

ウェアラブルドリームにふさわしい

心拍数のモニタリングやアクティビティトラッキングを通じてウェルネスを向上させてくれる一方で、スマホのコンパニオンとしても機能してくれます。またLTEに接続できるワークアウトツールとしても使えるGalaxy Watchは、まさにスマートウォッチの最先端を行っています。デザインはイケてるし、インターフェースのデザインは業界ベスト。330ドルという価格はもちろん安くはありませんが、Apple Watchほど高くはありません。 確かに、Samsungがウェアラブルドリームをとことん追求するのだったら、まだまだ改善の余地はあるとは思います。ですが、Galaxy Watchは十分スマートウォッチの王者としてドリームをかなえるのにふさわしい風格があると言ってよいでしょう。

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Image: Sam Rutherford/Gizmodo US

まとめ

・46mmモデルのバッテリー寿命は5日。 小さな方のモデルは約4日もちます。LTEに接続して使用するなどすれば、寿命はもっと短くなると考えてもよいでしょう。

・Galaxy Watchのデザインはシンプルかつスタイリッシュ。回転ベゼルはスマートウォッチのUIとしては最高の操作性です。

・トラッキングできるエクササイズはぐっと増えて39項目に。そのうちの6つは自動でトラッキング可能。残念ながら、自動トラッキングはときどきうまく動作しないことがあります。

・ストレストラッキングは期待通りに動かないことも。改善が期待されます。

・AndroidでもiOSでも連携可能。Appleユーザーは機能の制限にがっかりするかも。

・Galaxy WatchにはSamsung Payがビルトインされていますが、NFC決済でしか使えません。Gear S3がサポートしているMSTには対応していません。

スペック

Tizen OS 4・360 x 360 1.3インチ、アクティブマトリクス式有機EL(AMOLED)スクリーン・Exynos 9110 1.15 GHzデュアルコアCPU・768RAM/4GBストレージ (Bluetoothモデル)・1.5GBRAM/4GBストレージ(3G/LTEモデル)・Bluetooth 4.2・802.11 a/b/g/n Wi-Fi・NFC・GPS・Qiワイヤレス充電・IP68防塵防水・5気圧防水・Android 5.0以上を走らせている端末またはiOS 9.0以上のiPhoneに対応・大きさは2種類、42mmと46mm