応用の幅は無限大。
アコーディオンカーテンって、すごくキレイに畳んだり伸びたりしますよね。同じように、フタと底面を開いたダンボール箱も、ちょっとした力でパタンと畳むことができます。これは、どちらも折り目が関節の役目をするから。
現在MITメディアラボが研究しているのは、骨組みだけの立方体やオープンな箱の途中に折り目を与え、そこを軸に折り畳むという構造。折り目を縦だけでなく斜めに入れることで、立体的な動きが生まれ、複雑かつ幾何学的で美しい形に歪むのです。
百聞は一見にしかず。映像で「KinetiX」の仕組みをご確認あれ。
使い方はいろいろ
MITはこの折り目を「ヒンジ(蝶番)」と呼んでいます。そこを軸に畳むと、人工衛星の太陽光パネルを畳む「ミウラ折り」のように、箱が変形して違う用途を生み出してくれます。
それぞれ異なるヒンジを持つ箱同士を組み合わせると、動きが伝わってヘビのように動かせるコンビネーションがいい。これを応用すればマジックハンドのようなり、宇宙基地や探査機でアームとして使えそうです。また、ロボットのパーツにすれば、小さな動力でも大きな動きを生みだせそう。
映像を見るに、縮めたときにだけ文字が浮かびあがるような細工もできるようです。上からの衝撃にも強く、丸く変形させればヘルメットのクッションになったり、ちょっとした力で開いた六面体が閉じて梱包用の箱になったりもします。
研究チームは、この技術が新素材の創造に役立つことを考えているそう。実用化させるとしたら、どんなものが良いんでしょうね? 自動車のバンパーとか、精密機械のケースとか、仮設住宅の骨組みとか? アイディアはいろいろ出てきそうです。
Source: YouTube, ScienceDirect, Wikipedia