宇宙ではとっても貴重な物資です。
最近は日本の小惑星探査機「はやぶさ2」ばかりが脚光を浴びていますが、実は「こうのとり」7号という無人輸送機も活躍しているんです。
この輸送機は、去る9月23日に種子島宇宙センターからH-IIBロケット7号機で打上げられました。その任務は、日本全国から仕入れた、野菜や果物など生鮮食品を国際宇宙ステーション(ISS)にデリバリーすること。
どんなものが届いたのか、映像でチェックしてみてください。
ISSという密室に長期滞在する宇宙飛行士たちは、映画鑑賞会やピッツァ・パーティー、それに宇宙テニストーナメントなどを開催して気分転換を図るのですが……やはり故郷である地球からの美味しい「食」が届くことは、かなり嬉しいことのようです。
「こうのとり」7号が届けた日本の新鮮な野菜たち
JAXAのプレスリリースより、届いた食材を見てみましょう。
・北海道:玉ねぎ(「こうのとり」6号機に続き2回目の搭載)
・宮城県:パプリカ(今回初搭載)
・岡山県:シャインマスカット(今回初搭載)
・愛媛県:温州みかん(「こうのとり」6号機に続き2回目の搭載)
・佐賀県:温州みかん(「こうのとり」6号機に続き2回目の搭載)
コスモポート種子島に到着した生鮮食品たちは、いくつかの検査を経て洗浄され、消毒、乾燥、さらにまた鹿児島で菌数検査をされたのちにようやく梱包されます。
配達の目的は?
まず宇宙飛行士が抱える長期宇宙滞在によるさまざまなストレスを緩和し、パフォーマンス向上に繋げたい、というのがひとつ。そして“食”という身近なテーマから、ISSにいる宇宙飛行士たちの活動を人々に身近に感じてもらうこと。さらには、日本から出発したロケットなので、ISSプログラムにおける日本のプレゼンス向上が主な3本柱となっています。
ISSのセリーナ・オナン・チャンセラー博士は、動画にて「これらの食材は我々の健康や雰囲気を良くしてくれるだけでなく、幸せを感じさせてくれます」と嬉しそうに語ります。
彼女はこれらでチーズバーガーを作ると話していましたが、動画の最後ではタコスの写真が……? ともあれ、日本はこういう形でも、ISSで頑張っている宇宙飛行士たちをサポートしているのです。