どんな理由があるにせよ、地球温暖化が進んでいるのは間違いありません。

先ごろ「気候変動に関する政府間パネル」が発行したレポートには、私たち人類がいかにやらかしてきたかが事細かに記されています。

温暖化の進行を少しでも遅らせるためにも、現在の状況について皆で話し合う時期が来ているのではないでしょうか。そこで、気候変動についての基本的な疑問に答えてみたいと思います。

なぜ温暖化が進んでいるの?

諸説ありますが、かつてないほどに大気中の二酸化炭素が増えているからです。

二酸化炭素は、地球の表面に熱を閉じ込める「温暖化ガス」の1つ(ほかにもメタンなどがありますが、気候変動に与える影響は二酸化炭素が最大です)。NASAのサイトに、これについてのナイスな解説が載っています(英語)。

二酸化炭素には、自然に存在するものと人間が作り出したものとがあります。年々増加しているのは後者の方。

私たち人類は、化石燃料を燃やすことで、大気中に二酸化炭素をばらまいているのです。その一例として、車の運転(ガソリンは化石燃料です)や、石炭火力発電所からの電力を使うこと(石炭も化石燃料です)が挙げられます。

でも、それって本当なの?

はいどこにも疑いはありません。科学者は同意しています。あらゆる測定値、今日の測候所、歴史的記録、何千年も前にトラップされた氷の層などのすべてが、ここ150年ほどの間に二酸化炭素が激増し、結果として気温が上昇したことを示していると。

ほんの数℃のことでしょう?

産業革命で化石燃料を大量に燃やすようになってから、地球の気温はすでに1度上昇しています。パリ協定に署名した国々は、温暖化を2℃に食い止めようとしています。そう、グローバルレベルで見ると、数℃は非常に大きいのです。

温かいほうが好きなんですが。

あなた個人の問題ではありません。ニューヨークよりカリフォルニアの気候が好きならば、カリフォルニアに住めばいいだけのこと。それでニューヨークが消えてしまうことはありません。でも、地球が温まると、涼しい場所や涼しい季節が、金輪際なくなってしまうんですよ。

ほかにもいろいろな変化が起こります。蚊が増える(病気を運ぶ奴らも含む)、メープルシロップが減るサンゴ礁がなくなるハリケーンが増える南極や北極の氷が解けて海面が上昇する、などなど。海面がすでに20センチも上がってるって、ご存知でしたか?

回避は難しいの?

冒頭で紹介したレポートでは、科学者らがこの点について考察しています。どうやら状況はあまりよくないようです。というのも、私たちは今、3℃の温暖化への道をたどっているのです。

とはいえ、今すぐ化石燃料を燃やすのをやめれば、温暖化を1.5℃未満に抑えられるそうです。

もう少し楽観的な見方をすると、化石燃料を燃やすペースを劇的に下げ、大気中の炭素を減らすための努力を惜しまなければ、理論上は温暖化を1.5℃未満に抑えられるとのこと。

ただし、そのためには技術的な方向転換が必要であり、それはまだ起きているとはいえません。ある科学者が、Washington Postにこう述べています。

オスロにある国際気候環境研究センターでリサーチディレクターを務めるGlen Peters氏は言います。

「たとえ技術的に可能でも、技術面、政治面、社会面での実現可能性がそろわない限り、それは起こりえません。その点において、温暖化を1.5℃、あるいは2℃未満に抑えるには、すべての国とすべての部門による行動が不可欠なのです」

このシナリオによると、現在の排出量ではあと10年から14年しか持たないとされています。今後の二酸化炭素の垂れ流しに歯止めをかけるためには、高額な炭素税の導入が必要になるかもしれません。。

じゃあ、リサイクルすればいいんでしょ!

個人的に炭素排出量を減らすには、子どもを減らし、車を手放し、飛行機に乗らず、ビーガンになるといいでしょう。

でも、事態は個人で対処できる範疇を超えています。ですから、議員にロビイングして、グローバルカーボンフットプリントに影響を及ぼすような劇的な変化を起こしてもらうしかありません。

政治的には、たとえば高所得国と低所得国の責任分担など、私たちがすべきことには議論の余地があります。でも科学的には、地球温暖化は紛れもない事実であり、その傾向をひっくり返すにはほぼ超人的な努力が必要です。どうか、うまくいきますように。


Image: 2M media/Shutterstock.com

Source: NASA, Wikipedia, Reuters, The National Geographic(1, 2), Gizmodo(1, 2, 3), EPA, IPCC, The Washington Post

Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文