昔は大好きだったけど…
私はお笑い番組が好きでよく観るほうだが、最近はまったく松本人志の番組を観ることがなくなった。単に面白くないからだ。昔は大好きな芸人の1人だったし、独特のボケはまさに天才的だった。
しかし、いつの頃からか、取り巻きをたくさん従えて、ヨイショされていい気分になっている姿が見苦しく、自然と観るのをやめてしまった。
最近は何を思ったのか、「ワイドナショー」という番組で、日曜日の朝から時事問題などを語っているという。とはいえ、私はこの番組も一度も観たことがない。裏番組の爆笑問題のほうをたまにではあるが観ているからだ。
松本人志の番組は観ていないが、いろいろと雑音は耳にする。そしてたびたび炎上騒ぎを起こしているという。
今回松本人志を語るにあたって、何も知らないで語るのはいくら何でも失礼であるし、無責任であるので、さまざまな過去の炎上騒ぎを調べてみた。
「松本人志 炎上」とネット検索しただけで、出るわ出るわ、山のように出てくる。
たとえば、今年2月「ネットカフェ難民」の問題を番組で取り上げたとき、ネットカフェ難民に対して、「僕はみんなにちゃんと働いてほしい」と言ったことが炎上していた。
ネットカフェ難民の多くは、ちゃんと働いている。しかし、非正規などの不安定雇用のため、ネットカフェなどで寝泊まりを強いられているのだ。その実情も背景も知らず、上から目線のコメントに対して批判が集まったわけである。
また、過去には福島原発問題で、現地を訪れた人々が鼻血を流すという描写をした漫画への批判を「著者への冒涜」と述べたり、川崎中1殺害事件を茶化すような発言をしたりして炎上したこともある。
いずれも弱者を標的にする暴言ばかりだ。ちょっとは関心をもって調べればよいものを、無知と思い込みで人々を傷つける。
その一方で、権力側や強い立場の人々を批判したという話はとんと出てこなかった。
それどころか、あからさまな政権べったりの姿勢が、多くの識者によって指摘されていた。2016年5月には安倍首相が番組に出演し、その後一緒に食事をしたことなどが大きく報じられたこともある。
そして、今回はよりによって自殺した「ご当地アイドル」の16歳の少女に対して「死んだらみんながかばってくれるっていうこの風潮がすごく嫌なんです」と言ってのけたことが炎上した。
自殺した人にまで暴言を吐いて、傷つけて、いったい彼はどうなってしまったのだろう。