愛犬、かわええ。
アクションカメラとしてその名を定着させたGoPro。新しいラインナップがリリースされたわけですがそのトップ・プロダクトがGoPro HERO7 Blackです。米GizmodoのAndrew Couts記者はその性能を試すべく、ペットの犬とモーターバイクに装着してテストを行ないました。以下、Andrew Couts記者です。
私ほど典型的なGoProユーザーはいないかもしれません。スノーボードとマウンテンバイクが趣味で、モーターバイクやダートバイクも大好きです。ドローンを飛ばすし、犬を連れて自然の景色を楽しむハイキングに出かけたりもします。そんな私が最後にアクション・カメラを購入したのは2014年のHERO4 Silverでした。4年がたった今も、Hero4 Silverは十分に最新カメラに負けないくらい使えると思ってたんです。しかし、それは間違いでした。
GoPro HERO7 Black Review
価格: 400ドル
これは何?: GoProのフラッグシップアクションカメラ
好きなところ: 驚くべき手ぶれ補正、改善されたタッチUI、くっきり4K撮影
好きじゃないところ: HERO6を持っていたら買い替えないかな
GoProがリリースしたHERO7カメラのラインナップのトップクラスとして輝くのがHERO7 Blackです。会社としてはなかなか苦戦を続けているGoPro、今回のHero7 Blackも会社を救う革命的なプロダクトと言うほどではありません。それでも「おっ」と目につく改善点がいくつもあるんです。その一つが最も大きいセールスポイントである「ハイパースムーズ」手ぶれ補正です。
GoProにスタビライゼーションが導入されたのはHERO5 Black。そして彼らのカスタムGP1プロセッサのおかげでHERO6 Blackでは大幅に改善されました。HERO7 Blackも同じGP1を利用しているのですが、RAMは2GBへとブーストアップされています。ウェブサイト上ではこのハイパースムーズは「ジンバルのような」「狂ったようにスムーズ」と形容されています。手ぶれ補正された4Kビデオを60fpsで撮影することができる、これはこれまでのモデルでは不可能でした。
というわけでHero7 Blackの性能を試してみたのですが、結果かなり信頼できる性能を持っていることが分かりました。なかなか、すばらしいです。
どれくらいスタビライゼーションの性能がいいのかを測るために、極端な状況でこのカメラを使うことにしました。私が試したのは、走り回るのが好きなペットの犬サッギオに取り付けてみるテストです。もう1つのテストはVツインエンジンによって猛烈に振動を生むハーレー・ダビッドソンのSportsterに取り付けるというもの。Sportsterはあまりに震えるので、長時間運転した後は手がしびれるほどなんです。もちろん、旧モデルのHERO4 SilverとHERO6 Blackも同様に使ってみて、どれほど性能が向上しているのか比較してみました。
まずSportsterのハンドル部分に取り付けられたHERO7 Blackはバイクが常時生み出す重い振動にもかなり良く対応していました。生まれた映像はスムーズそのもの。しかし道路に大きな凸凹があってバイク自体が大きく揺れ動くところは、見て取れました。そういう点では「ジンバルそのもの」とは言えません。しかしバイクが常時生み出す振動の影響を消せているのはすばらしいです。HERO4では避けられないグラグラっとした映像とはまったく違います。HERO6もこのテストでなかなかいい性能を発揮しました。ハイパースムーズ機能ほどは振動をコントロールできてはいないものの、最小限の歪みで高画質イメージを提供してくれました。HERO6 Blackの結果には私も驚きました。
現実的なテストとしてモーターバイクを使ったテストを考えたわけですが、犬のテストはなんとも現実離れしたぶっ飛んだ結果となりました。GoProには純正の犬に取り付けるためのハーネスがあるのですが、それは私は持っていなかったので、DIYで対応することに。その結果生まれた映像は...うーん、控えめに言って乗り物酔いを起こす内容でした。
走り、飛び、跳ね回る犬に取りつけられた状態での撮影では、3つのカメラはどれも「良い」スタビライゼーション性能を発揮することはできませんでした。シッチャカメッチャカな犬のアクションが次から次につながった映像は見るに耐えられません。(とは言ったものの、犬の生活がどんなものか、彼らの視点を知るという点では勉強になります)。犬のテストはさすがに馬鹿げていたかもしれませんが、GoProのスタビライゼーション機能を極限まで試すという私の目標は達成されました。ハイパースムーズでもこれは扱いきれなかったと。しかし、3つのカメラを比べてみるとHERO7がこの狂気のアクションを一番良くおさえていることは事実です。
使ってみての私の意見は、HERO7 Blackはジンバルの代替品として完璧とは言えないものの、ジンバルがないときには検討するべき性能の高いカメラだ、というものです。もちろん、プロのビデオグラファーか狂気のアマチュア撮影者でないかぎりはジンバルを犬やバイクに取り付けるということはしないでしょう。他のGoProカメラと比較してもはっきりと見て取れるくらいスムーズな映像を生み出してくれます。また他のGoProカメラには存在しない機能もついています。手ぶれ補正なしなら4Kを120fpsで撮影できるのに加えて、ブレを抑えたタイムラプス撮影「TimeWarp」があります。直接Facebookライブ、YouTube、などの動画プラットフォームにストリーミングできる機能もついています。タッチスクリーンのインターフェースも改善されています。RAW撮影やHDRモードのオプションもあり、縦向きのビデオも撮影することができるようになりました。
値段は400ドル(日本価格4万9800円)ということで、HERO7 BlackはしっかりとGoProラインナップのアップデート版の役割を果たしています。特にHERO4からのアップグレードを考えている場合はその価値ありです。HERO6 Blackのユーザーはもう一世代待ってからアップグレードしたほうがいいかもしれません。アクション・カメラは初めてだし、400ドルも払う勇気は無い、という人は300ドル(日本価格4万1580円)のHERO7 Silverか、さらに安価な200ドル(日本価格3万1860円)のHERO7 Whiteを検討するといいかもしれません。どちらもGP1チップは搭載していないものの、Hero6 Blackよりも安価にスタビライゼーション機能を使うことができます。
と、レビューはここまでですが、私はこれからカメラについた犬のよだれを落としてきますね...
まとめ
・カジュアルなユーザーにとってはジンバルなんて必要のないレベルの手ぶれ補正を提供してくれる「ハイパースムーズ」。前モデルと比較して明瞭な性能の改善があります。
・性能が向上した手ぶれ補正はたしかにいいセールスポイントではあるものの、2017年のHERO6 Blackを購入したユーザーにとっては十分なアップグレードにはなりません。
・4K撮影のオプションが改善されていること、ブレないタイムラプス、ユーザーインターフェースの改善、ライブストリーミング機能といった他のアップグレードも搭載。
・アクションカメラは数年前の古いものしか持っていない、もしくは1つも持ったことがないというユーザーにとっては値段に見合った機能と性能をHERO7 Blackは持っています。