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「Intelは難航する10nmプロセスを中止する」という情報、Intelは速攻で完全否定

by steamXO

10nmプロセスでの製造に後れを生じているIntelが、ついに10nmプロセスを諦めたとテクノロジーニュースサイトのSemiAccurateが報じました。しかし、Intelはこの事実をすぐに打ち消しています。

Intel kills off the 10nm process - SemiAccurate
https://semiaccurate.com/2018/10/22/intel-kills-off-the-10nm-process/

Intelの10nmプロセスの開発が遅れていることが初めて明らかになったのは2015年7月のことでした。当時、「10nmプロセス製品のリリースが予定より遅れ、2017年後半になる見込み」だとアナリストに対して説明がありました。

ムーアの法則に黄色信号点滅、Intelの10nmプロセス移行の遅れが確実に - GIGAZINE


しかし、計画の見直しが再三繰り返され、その間はコードネーム「Broadwell」「Skylake」「Kaby Lake」「Coffee Lake」「Coffee Lake Refresh」とIntel Coreプロセッサーシリーズでは第5世代から第9世代までを14nmプロセスの改良でしのぎ続けるという事態になっています。

過去に例を見ないほど難航する10mプロセスですが、記事作成時点で、Intelは2019年末までに10nmプロセス製品(コードネーム「Cannon Lake」)がリリースされる予定だと発表しています。


これに対して、かねてからIntelの10nmプロセス製品は採算が取れず経済的な観点から失敗するのではないかと指摘し続けてきたSemiAccurateの代表であるチャーリー・デメルジャン氏が、「信頼できる内部関係者から、Intelが10nmプロセスを終了するとの情報を得た」と、Intelの10nmプロセス・キャンセルを報じました。デメルジャン氏は、仮にIntelが10nmプロセスの製造に突き進んでいれば大幅な損失を被っていたことだろうから、Intelにとって正しい判断だと評価しています。

しかし、SemiAccurateの記事に対してIntelは、「メディアが今日、Intelが10nmプロセスを終了したと報じましたが、事実ではありません。Intelは10nmプロセスで良い進歩を見せています。イールド(歩留まり)は着実に改善されておりタイムラインにのっていることは前回の業績報告時に共有した通りです」とツイートし、10nmプロセス中止という報道を否定しました。


SemiAccurateはアンチIntelの論調で知られていることから、情報の真偽については疑問視する声もありましたが、普段はウワサや憶測に反応しないIntelによって速攻で火消しされたようです。なお、記事を執筆したチャーリー代表はアジアに旅行中で不在のため、記事に関する問い合わせへの対応は遅れるとの注釈が付けられています。


Intelは2018年10月25日(木)に2018年Q3(7月から9月)決算を発表する予定ですが、指摘されているプロセッサの供給不足の懸念や、今回の「10nmプロセス中止」報道に対する何らかの回答が行われることになりそうです。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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