- スマートフォンは、いつでもすぐに繋がり、無限の情報へのアクセスを可能にし、思い通りの暮らしを支えてくれる。
- しかし、ソーシャル・メディアに時間を使い過ぎたり、通知を常に受け取ったり、スマートフォンを近くに置いて眠ることは、思った以上にあなたの生産性を落としているかもしれない。
- あなたの生産性に悪影響を及ぼしているスマートフォンでの10の習慣を見てみよう。
スマートフォンがなかった時代を想像することは難しい。
多くの人が、この小さなコンピューターをほぼどこにでも持ち歩き、日々のタスクをこなしている。
だが、いつでもネットサーフィンができ、愛する人と24時間365日つながっていれば、集中力は簡単に失われてしまう。結果として、生産性は落ちる。
「生産性はしばしばフロー状態にあるときにピークとなる」と、ニューヨークで活躍するサイコセラピスト、ジョーダナ・ジェイコブス(Jordana Jacobs)氏はBusiness Insiderに語った。
ジェイコブス氏によると、スマートフォンが提供するテクノロジーは素晴らしいものだが、我々を注意散漫にもしてしまう。
スマートフォンは「生産性の根幹である」フロー状態を妨げてしまう。「本質的に我々は、絶えず自分自身の思考プロセスを妨げている」と彼女は語った。
簡単に言うと、スマートフォンは「我々を『今、この瞬間』から引き離してしまう」。
おそらく、スマートフォンを完全に捨て去ることは現実的ではない。しかし、目標達成の妨げとなることを防ぐことはできる。
より生産的になるためのファーストステップは、スマートフォンがどのようにしてあなたの集中を妨げているかを明確にすること。
ジェイコブス氏、そしてサイコセラピストで『米国カリスマセラピストが教える何が起きても平常心でいられる技術(原題:Be Fearless: Change Your Life in 28 Days)』の著者、ジョナサン・アルパート(Jonathan Alpert)氏が教える生産性を低下させるスマートフォンでの10の習慣を見てみよう。
1. メールのチェック
ジェイコブス氏によると、スマートフォンは今やっていることを妨げる。仕事やプライベートのメールを絶えずチェックしていることで、「今、ここにいるよりも、この作業をしていた方が良い」というマインドセットに入ってしまう。
何も考えずにメールをチェックすることは、生産性アップに必要なフロー状態を簡単に妨げてしまう。
2. 写真の撮影
最新スマートフォンの魅力は、高性能カメラとしても使えること。
素晴らしい瞬間を記録するために、いつでもどこでも写真を撮りたいと思うのは素晴らしいことだ。しかし、普段の生活でパパラッチのように振る舞うことは、今を生きることの妨げとなるとジェイコブス氏は語った。
3. ソーシャルメディアのチェック
ソーシャルメディアは、他人の生活に対する我々の妄想を満たしてくれる。そして、フォロワーに自分がやっていること、やり終えたことを自慢するためのプラットフォームでもあるとジェイコブス氏は語った。
ジョイコブス氏によると、絶えずソーシャルメディアをチェックすることで、我々は他人がやっていることに捕らわれてしまう。そして、他人に自分が今やっていることを見せつけることに捕らわれてしまう。実際にやらなくてはならないタスクを犠牲にして。
4. チャットやメッセージ
誰かとチャットしたり、メッセージを送ることで、相手が今、何をしているかに関心が向いてしまう。つまり、本来やらなければならないことの妨げとなる。
5. 常にスマートフォンを持ち歩くこと
我々は1人でいられる能力を失ってしまったと思うとジェイコブス氏は語った。
「今、我々はスマートフォンを一番身近なものと考えている。友人や家族、愛する人は皆、スマートフォンの中に生きている。スマートフォンは会話の手段なのに」と彼女は語った。
「以前のように、熟考したり、振り返りをしたり、自分のことをじっくり考えるために一人になる時間が事実上なくなってしまった」
自分を知り、成長させることは、我々ができる最も生産的なこと。だが、スマートフォンは妨げとなり得る。
6. 生産性向上アプリのダウンロード
アルパート氏は、生産性向上アプリの中には役立つものもあると考えている。しかし同時に、アプリだけに頼ってしまう、もしくは不適切なアプリを使ってしまうと逆効果になり得るとも考えている。アルパート氏によると、生産的でいるために最も有効な方法は、正しいマインドセットを持つこと。
「考え方は、その人の行動、やる気、そして最終的にはアウトプットに大きな影響を与える」と彼は語った。
「自分の中に、すごいマインドセットを育てることができるということに、誰もが勇気付けられるべき」
7. 通知に捕らわれてしまう
スマートフォンが振動した瞬間に、作業を中断してしまった経験はないだろうか?
アルバート氏は、ほとんどの人にその経験があると語った。スマートフォンの通知は、メッセージだろうと、ニュースのアラートであろうと、今、取り組んでいる作業からあなたの気を逸らしてしまう。
アルバート氏は、ソーシャルメディアの通知を完全にオフにすることを勧めた。
「ただ単に邪魔でしかなく、おそらく緊急性の高い内容ではない」
8. 罠に落ちる
アプリやインターネット、その他のスマートフォンの機能によって、気がついたら長い時間、横道に逸れていた経験があるだろう。
「インターネットやスマートフォンを使う際に、元々の目的から外れない人はめったにいない」とアルバート氏は語った。
「天気を調べようとしていたのに、いつの間にかメールやメッセージをチェックし、ニュースを読んでいる。こうしたことが積み重なり、生産性に影響を与える」
9. ブルーライトを浴びる
アルパート氏によると、スマートフォンから出るブルーライトは睡眠パターンに影響を及ばす恐れがある。
「ブルーライトは目から脳に伝わり、松果腺に影響を与えると考えられている。松果腺は、睡眠サイクルを整えるホルモン“メラトニン”を生成する役割を持っている」とアルバート氏は語った。
「寝る前にスマートフォンを使うと、適切な休息に影響を及ぼす可能性がある」
気分、エネルギー・レベル、集中力、タスクを完了する能力などに大きな影響を与える可能性があるとアルバート氏は語った。
10. すべての答えを手にしている
これは生産性と明確に関係があるわけではないが、懸念すべきことだ。我々は思考する能力を失ったとジェイコブス氏は語った。
なぜなら、必要なことはほぼ何でも調べることができるから。我々に降りかかるかもしれない、差し迫った問題に対する答えを、いつだってスマートフォンで知ることができる。
[原文:10 things you're doing on your phone that could undermine your success at work]
BUSINESS INSIDER JAPANより転載(2017.09.02公開記事)