• お金を使うのは簡単だ。しかし、本当にその価値があるかどうかをどうやって見分けたらいいのだろうか?
  • エミー賞にノミネートされたトラビス・シェイクスピア(Travis Shakespeare)氏は答えを持っている —— 明日死ぬとしたら、それを買うことでどれだけ幸せになれるか、自分に問うのだ。
  • 自らの死を考えることは、究極のリトマス試験紙になると、シェイクスピア氏は言う。

何にお金を使い、何にお金を使わないか、取捨選択するのは難しい。

必要なものがたくさんあると感じているときなら、なおさらだ。

自分が買おうとしているものに、本当にその価値があるかどうかを、あなたはどうやって見分けているだろうか?

マッド・ファイエンティスト(Mad Fientist)のポッドキャストで最近、まさにこの問いに答えているのが、エミー賞にノミネートされたハリウッドのプロデューサー、トラビス・シェイクスピア氏だ。

シェイクスピア氏は1年をかけて30代のカップルを追跡し、その経済的独立と早期退職(FIRE:Financial Independence / Retire Early)やコミュニティーを取材、十数人の早期退職者たちとの会話を通じてそのトレンドを探るドキュメンタリー作品『Playing with FIRE』を監督した。

お金の価値を見極める簡単な質問

金銭面では『価値』を重視するシェイクスピア氏は、「明日死ぬとしたら、これは自分の価値尺度のどこに来るだろうか? 」という1つの質問に答えは要約されると言う。

同氏は常日頃から、何かちょっと欲しいものがあったり、やりたいことがあったときに、自分自身に尋ねている。

究極のリトマス試験紙は、常に自分の死について考えることだ。とてもストイックなやり方と言えるかもしれない」とシェイクスピア氏は語った。

若い頃、シェイクスピア氏はウェブサイトでタンザニアの贅沢なサファリ旅行を目にし、いつか行こうと自分自身に誓った。そして50歳の誕生日を目前に、自身の節目をこの希望を叶えることで祝おうとした。

お金はある。

でも、そのお金があれば他のことに使えるかもしれない。そこでシェイクスピア氏は自分自身に尋ねた。

「明日死ぬとしたら、どっちがいい? 」

答えは簡単だった。

「『タンザニアのサバンナで3週間を過ごすという、人間にとって素晴らしい体験をせずにこの世を去るなんてありえない』と思ったんだ」とシェイクスピア氏。100%その価値はあったと言う。

だが、ロサンゼルスのショービズ界のライフスタイルという外部からのプレッシャーに囲まれながら自身の価値観を貫くのは、時として難しいと言う。

例えば、シェイクスピア氏はたまにしか買いに行かないが、着るものに対するこだわりは強い。あまりにも製品の質が違うため、75ドルの靴と400ドルの靴でどちらにするかものすごく悩むと言う。

しかし彼にとっては、物質的なアイテムよりも体験の方が重要だ。シェイクスピア氏は、エミー賞の授賞式のためにタキシードをレンタルした。1着も持っていないからだ。

「ぼくはものすごくケチなんだ。『ありえない! その2000ドル(約22万円)があったら、スコットランドに行けるじゃないか』ってね」

シェイクスピア氏は言う。

「だから、買わずにインターネットで110ドルで借りるんだ。誰も気付かないさ。まぁ気付くかもしれないけど、ぼくは気にしない」

BUSINESS INSIDER JAPANより転載(2018.10.14)

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