でも、アルゴリズムの製作者は憤慨。
AIプログラムが出力した絵が、ニューヨークで開催された、競売会社クリスティーズのプリント・アンド・マルチプルアートオークションで43万2500ドル(約4800万円)で落札されました。
もともと、7,000ドルから1万ドル(約80万から110万円程度)で取引されるだろうと予想されていたので、この結果には驚くしかありません。
BBCによると、「エドモンド・ベラミーの肖像(Edmond De Belamy)」と呼ばれるこの絵画は、パリのアートコレクティブ「Obvious」が開発したアルゴリズム「Generative Adversarial Networks」テクノロジーを使って描かれた肖像画で、14〜20世紀の間に描かれた1万5000の肖像画データを学習させて出力させたものです。
ニューヨークタイムズ紙によると、「エドモンド・ベラミーの肖像(Edmond De Belamy)」の近くにはアンディ・ウォーホルとロイ・リヒテンシュタインの作品が吊り下げられ、それぞれに約840万円、約1000万円の価格がつきました。AIアートは、7分間のオークションで、有名アーティストふたりによる作品の取引額を足した額よりも高い値がつけられたことになります。
AI肖像画を製作した「Generative Adversarial Networks」テクノロジーには何人かのアーティストが関わっていますが、そのアーティストのひとりであるロビー・バラットさんは、Obviousが自身が書いたコードを公にリリースしたと納得いかない旨をツイートしています。
left: the "AI generated" portrait Christie's is auctioning off right nowright: outputs from a neural network I trained and put online *over a year ago*.Does anyone else care about this? Am I crazy for thinking that they really just used my network and are selling the results? pic.twitter.com/wAdSOe7gwz
— Robbie Barrat (@DrBeef_) October 25, 2018
右:自分が学習させたニューラルネットワークから出力させたもの。一年以上前にオンラインにのせたやつ。
私のネットワークを使って出した結果を売ってる…だと…?
Obviousは、バラットさんの作品を使ったことを認めていますが、コードは改造してあると主張しています。また、販売における公式声明で「AIコミュニティ、特にGANアルゴリズムの制作者であるイアン・グッドフェロー氏を含む、この新技術の使用を先駆けてきた人々や、多大なる影響をもたらしてくれたアーティストのロビー・バロット氏に感謝したい」と書いています。
肖像画にはアルゴリズムの一部「min G max D x [log (D(x))] + z [log(1 – D (G(z)))].」が署名されています。