新MacBook Airは、本当にスゴいのか?と疑ってかかりたくなる、これだけの理由

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  • author Sam Rutherford - Gizmodo US
  • [原文]
  • 湯木進悟
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新MacBook Airは、本当にスゴいのか?と疑ってかかりたくなる、これだけの理由
Photo: Alex Cranz(Gizmodo US)

盛り上がってるところに悪いけど…。

新しいMacBook Air、皆さんは感動しました?もうMacBook Airなんて引退ですよとの前評判を覆し、いきなり北米ではハロウィーン前日に、颯爽と2018年モデルとして復活してきました。故スティーブ・ジョブズ氏が、2008年に封筒のなかから、あの薄い薄いMacBook Airを初めて発表してみせたとき、ボクらはたしかに感動したはずです。でも、それから10年が経過して、新たによみがえった形のMacBook Airは、それと同じほどの感動を誘うものだったのか、落ち着いて考えてみると、答えは否のようにも思えてきましたよ。

たとえば、新しいMacBook Airに、なにか完全に目新しいものってありませんでした。それでいて、販売価格は1200ドル(日本価格は13万4800円)からとなっています。もしかすると、旧モデルであれば、とにかく安いというアドバンテージを抱えていたのに、それさえも取り去られてしまった新モデル。思うに、これはもっと早くに出しておくべきモデルだったのでしょう。

この評価が決して酷なものではないことを、実際に新しいMacBook Airのスペックから見ていきましょうか。まずは、13.3インチで、新たに美しい2560×1600ピクセルの解像度のRetinaディスプレイを備えました。でも、これって、どこかで見ませんでしたか? そう、すでに2016年モデルの第4世代のMacBook Proで、このスペックは実現していましたよね?

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Photo: Alex Cranz(Gizmodo US)

あのクールで最高と評価されたTouch IDの搭載はいかがでしょう? こちらも、すでに形は違えど、やはり2016年モデルのMacBook Proで採用済み。同じく、USB-Cポートの装備だとか、バタフライキーボードにForce Touch対応のトラックパッドも、すべて今回のMacBook Airが初というものは見当たりません。新しく洗練されたアルミニウムボディだって、従来デザインの改良くらいにしか思えないでしょう。

一方、セキュアな仕様のT2チップですけど、こちらは昨年のiMac Proの発表で姿を現わしたものです。そして、このT2チップも、実は2016年および2017年モデルのMacBook Proに採用されていたT1チップが、ちょっぴりアップグレードしたという位置づけになっていますよ。

2018年モデルのMacBook Air限定となる、とにかく目新しいものとは、Intel製の新Core i5のCPUが採用されていることでしょう。従来のMacBook Airに用いられていた第5世代のCPUからは、格段に進化しているはずです。とはいえ、このCPUだって、突き詰めるならば、これから続々とIntel製のCPUを採用しているマシンで、普通に搭載されていくものですよね? MacBook Airに採用されているのは、デュアルコア1.6GHzというベースクロックに過ぎないことも覚えておきましょう。このパフォーマンスって、そんなに感動できるものではないです。

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Photo: Alex Cranz(Gizmodo US)

いろいろ、なんかディスってしまうような内容ばかりを並べてしまってゴメンなさい。なにが言いたかったのかというと、要は、この同じMacBook Airを、もしAppleが、昨年ですとか、あるいは2016年に出してくれていたらなってことなんです。どうしてそうはならなかったのか、その本当の理由を知ることはないでしょう。ただAppleがやったのは、12インチのMacBookを、MacBook Airの代わりにリリースしました。そして、このMacBookこそ、今回のMacBook Airの登場によって、今度は先行きが不安な存在と化してしまったわけですよね。

もう一度だけ繰り返しましょう。2018年モデルのMacBook Airを、すばらしい新発表だって、両手をあげて喜んでいる場合ではありません。むしろ、どうしてこんなに新モデルを出すのに時間がかかったんだ? そんなに革新的でもないし、それほど安くもない。Airという名にふさわしい、もっとスゴいモデルを、次はもっと早く出してくれって、Appleにはリクエストしてもいいんじゃないかなって感じていますよ。