本記事はLINE Pay APIを使って決済機能を実装している企業にその連携方法やメリット・デメリットなどをLINE ThailandのTechnology EvangelistであるJirawat Karanwittayakarnがインタビューしたものです。
今回のインタビューはクラウドでプリントアウトサービスを提供するタイのDouble A社です。
LINE> こんにちは。まず、自己紹介からお願いします。
Double A> こんにちは。Pakpoom Kanitlekakarnと申します。現在、Double Aのネットワーク&通信部門のマネージャをやっております。
LINE> 御社のサービスやアプリケーションについてご紹介いただけますか?
Double A> モバイルアプリ&Webアプリからクラウドで提供される便利なプリントアウトサービス「Double A Fast Print」を展開しております。顧客は同サービスを通じて、全国の学校・大学、コワーキングスペースなどに設置された1000以上のFast Printブランチからいつでもプリントアウトをご利用いただけます。顧客はスマートフォンやノートPC、あるいはGoogle Drive、Dropbox、One Driveといった大手クラウドストレージからプリントアウトしたいファイルを選択した後、Fast Printブランチを選んでオンライン決済でお支払いをすれば選択したブランチのプリンターからプリントアウトされたドキュメントをすぐ受け取ることができます。Fast Printは、Fast Print ウォレット、クレジットカード、Rabbit LINE Payなど様々な決済チャネルからご利用いただけます。中でももっとも広く利用されているのはRabbit LINE Pay*ですね。
*注釈:タイではLINE PayはRabbit LINE Payというサービス名で提供されています。
LINE> 御社サービスにRabbit LINE Payを採用した理由は何ですか?
Double A> 私たちはLINEをタイのNo.1チャットアプリとして認識しています。LINEはタイで4300万人の月間アクティブユーザーを擁し、特に最近のデジタルライフスタイルにすっかり馴染んでいるY世代、Z世代(学生)の顧客から支持されています。さらに、Rabbit LINE PayはPCI-DSS認証を取得した決済システムとして、高い顧客満足度が保証されます。そこで、Double AはRabbit LINE Payを自社の決済チャネルの一つとして採用しています。
LINE> 御社システムとRabbit LINE Payはどのように連携されていますか?
Double A> まずRabbit LINE Payアカウントを登録し、Channel IDとシークレットキーを取得します。その後 RESTful APIを利用して自社システムとRabbit LINE Payを連携するスクリプトを作成し、Swift言語を使って開発をおこないました。
LINE> Rabbit LINE Pay連携作業に参加した開発者は何人ですか?
Double A> 社内とアウトソーシングチームを会わせて計5人です。
LINE> Rabbit LINE Pay連携まで時間はどれくらいかかりましたか?
Double A> 自社システムとRabbit LINE PayをSandbox環境で連携するのに約1週間かかり、その後テストを含めて1ヵ月足らずでプロダクト開発は完了しました。Rabbit LINE Payから明確で分かりやすいガイド文書が提供されたおかげで迅速なシステム開発ができたと考えています。
LINE> Rabbit LINE Payのユーザプロモーションはどのように行われていますか?
Double A> Fast Printプリンター、自社HP、FacebookページにPR動画を掲載し、プリンターの 横にはRabbit LINE Payの立て看板も設置しています。
LINE> ユーザからの反応を聞かせていただけますか?
Double A> 使いやすさ、そしてプロモーションが魅力的、ということで大変ポジティブなフィードバックを受けています。弊社の総収益の6割はRabbit LINE Payから発生しているといえます。
LINE> Rabbit LINE Payの長所・短所は何ですか?
Double A>
長所:
- 顧客にとってシステムが利用しやすい
- 開発者からすると、APIにSandboxがあってシステムフローの開発・テストが容易
- 管理者がFast Printからの収入を管理するためのMerchant Centerがシステムの中にある
短所:ない
LINE> チャットボット開発など、LINEプラットフォームの他の機能にもご興味はありますか?
Double A> もちろんです。最近はFast Print システムへのログインに LINE Login機能を採用しています。インクを切らしたとき、バックエンドスタッフが通知を受け取るためのLINE Notify機能も利用しています。 プリントアウトの注文受け付け、顧客対応にはチャットボットを活用し、顧客のニーズにいち早く応えられるように取り組んでいく方針です。さらには、近い将来にオンライン取引を展開しようと、LIFF (LINE Front-end Framework)の研究も進めているところです。
LINE> 近い将来に新しい機能のリリース計画はありますか?
Double A> 現在、Rabbit LINE Payを活用したTop-upシステムを開発中です。
LINE> エンジニアとして、Rabbit LINE Payのシステムを信頼されていますか?
Double A> はい、Rabbit LINE Payシステムを非常に信頼しています。弊社システムと連携して以来、サーバークラッシュは一度も起きてません。安全性の面でも、Rabbit LINE PayはPCI-DSS認証を取得していますので、安心しています。
LINE> 御社のRabbit LINE Payに対するさらなるご要望・ご希望などありましたら、お聞かせください。
Double A> 将来的に中国、韓国、そして香港など東南アジア地域にもRabbit LINE Payサービスが展開され、 Fast Printのビジネス拡大のサポート役になってくれることを期待しています。