夫と妻の両方が雇用者または就業者である、共働き世帯数の割合が60%を超えたと言われる今、夫婦の家事分担はあたり前。
しかし、出勤前や帰宅してからすべての家事をやるのは、かなり大変です。食事の準備や子どもの世話など、やらなくてはいけないことがてんこ盛り。
掃除や洗濯は、ついつい「週末にまとめて…」と後回しにしてしまいがちですよね。ところが週末まで溜めてしまうと、汚れは落ちにくくなり、掃除や洗濯が、より大仕事になってしまいます。
結果、家事を手抜きしたりサボったりしているのではないかと、お互いにストレスを感じるようになってしまうかもしれません。
せっかくの週末を家事に費やすのは共働き夫婦の宿命? いえ、そんなことはありません。家事のストレスは、平日のちょっとした工夫で大幅に軽減できます。
そんな平日にできる掃除と洗濯のハック術や、夫婦の家事分担のコツを、ライオン株式会社のお洗濯マイスター・大貫和泉さんにお聞きしました!
掃除は週末にまとめてより、日常のちょこっと
まずは掃除について大貫さんから「汚れがガンコになってしまってから掃除しようとすると、なかなか落ちずに、余計に時間や労力がかかってしまいます。そうならないうちにケアするようにしましょう」とアドバイス。
わかってはいるけど、1分1秒を争う共働き家庭で、毎日の掃除は難しい…そんな人たちに向けて、大貫さんが各エリアの時短アイデアを教えてくださいました。
【キッチン】
キッチンで嫌なものと言えば、油汚れと排水口のヌメリ。溜めてしまうと、不快感が増大してしまいます。
「汚れを定着させないことが、結果としてラクや時短につながる」と考えることがポイントです。
・レンジまわりは「都度拭き」を習慣化
油は、最初はサラサラしていますが、時間が経つと変質してベタベタな汚れになってしまいます。そうなるとお掃除は大変。
調理が終わったら、レンジ周りを布巾やキッチンペーパーなどで水拭きしましょう。
・生ゴミはこまめに捨てる
排水口に生ゴミが残っていると、それを栄養としてヌメリ汚れはどんどん増えて、気づいたら“見たくもない”という状況になってしまうことも。
そうならないために、生ゴミはこまめに捨てるようにしましょう。また、折角の掃除のときはヌメリ汚れをしっかり落とすことも大切です。
粉を入れて水を注ぐだけ、スポンジでこすらなくていい「発泡タイプの排水口用クリーナー」は、2週に1回使用するだけでキレイがキープ。こんな洗剤を使って、時短につなげましょう。
【浴室】
浴室のカビ取り掃除は大変な作業…。
カビは温度・湿度・栄養(汚れ)の条件が揃うと一気に増殖します。そこでお風呂上がりには、湯船にフタをして、湯気で温度や湿度が上がるのを抑えましょう。
さらに壁や床にお湯のシャワーをかけて汚れを洗い流し、換気扇をかけて窓やドアを開けて充分に換気し、カビが生えにくい環境をつくることが大事です。
【トイレ】
床や便座の裏などにつく「尿ハネ汚れ」。そのままにしておくことは、ニオイの原因になるだけでなく、トイレ掃除をする人の負担が大きくなるばかりです。
ポイントは、汚した本人が「ちょこっと拭く」こと。汚したと気付いた時にすぐに拭けるように、洗剤を手に取りやすい場所に置いておき、トイレットペーパーを使った拭き取りなら、誰でも手軽にできますね。
壁にカレンダーを貼って、ちょこっと拭いたら「シール」を貼るなど、家族とゲーム感覚でお掃除を楽しむ工夫もいいですね。
洗剤を変えるだけ? 毎日の洗濯にも時短アイデアがあった
洗濯は汚れた衣類を洗濯機に入れるだけなので、時短できないと思っていましたが、大貫さんによると「ちょっとした工夫で、洗濯時間が短くなったり、洗濯物が乾く時間が早くなる」そうです。
大貫さんに教えていただいた、洗濯のハック術をご紹介します。
(1)洗濯のすすぎを「1回に設定」
洗濯機の自動モードは、何回かすすぎをする設定になっています。しかし、すすぎ1回で使用できる洗剤なら、すすぎは1回で大丈夫! 時間だけでなく、節水効果もあります。
すすぎ1回で使用できる洗剤かどうかは、「洗剤の容器の裏面」を見るとわかります。「すすぎ1回OK」マークや、「すすぎ1回」という文字が入っている洗剤を選び、時短につなげましょう。
(2)靴下、肌着などは裏返しのまま洗う
汗や皮脂の気になる靴下や肌着は、裏返して(肌に直接ついている部分を表側に)洗った方が汚れ落ちがアップ。
夫や子どもが裏返して脱いだ靴下を、表にする手間も省けます。裏のままでいいと割り切りましょう。
ただし、ドロや黒ズミが気になるときは、汚れている表のまま洗いましょう。
(3)部屋干しのコツ
洗濯物が乾きにくい部屋干し。ポイントは、空気の流れのある場所に干し、風の通り道を作るようにすること。カーテンレールではなく、部屋と部屋の間や、室内用物干しを部屋の中央に置きましょう。
ハンガーに干す時は、洗濯物の間にこぶし大の間隔をあけます。角ハンガーを使う場合は、外側に長い衣類、内側に向かって短い衣類を干すようにして、干し方を工夫すると良いでしょう。
(4)洗濯ネットを活用して、アイロンを省く
しわになりやすいワイシャツは、30×33センチ程度の洗濯ネットに畳んでいれます。こうすることでシワを防ぎ、アイロンがけの手間を省けます。
(5)予洗いや分け洗いを助ける「洗剤」選び
ごしごし「予洗い」をするかわりに、液体洗剤を汚れに直接つけます。こうするだけで、汚れ落ちがグンと変わります。濃縮されていて洗浄力が高い、超コンパクト液体洗剤がオススメです。
また、生成りや淡色系の色柄物も、蛍光剤無配合の洗剤なら「分け洗い」せずに洗うことができ、色が白っぽくなるのを防ぐことができます。
※大切な衣類やウール・デリケート素材は分けて、おしゃれ着用洗剤でおしゃれ着コースなどでやさしく洗ってください。
夫婦で研究・実践したい家事のライフハック
今回大貫さんに教わったことを実践すれば、平日に掃除・洗濯を溜めることなく、快適な週末を過ごせそうです。
特に、洗濯で時短なんて無理…と思っていましたが、大貫さんのハック術はなるほどと思うことばかり。
気にしていませんでしたが、洗剤の選び方で、すすぎ時間を短縮したり、予洗いが簡単になったり、分け洗いの手間を減らせるんですね! 共働き家庭を助ける洗剤の役割について、知ることができました。
家事分担にイライラするのではなく、いかに改善や短縮できるかを夫婦で研究する。そんなマインドチェンジを図ることで、ストレスに感じる家事を夫婦で楽しむイベントに変えることができそうですね。
Image: TanyaRozhnovskaya,sebra,Rocksweeper/shutterstock
Source: ライオン株式会社