票じゃない、絵文字をみるんだ。選挙へのエモを集計するサイトから感じるディストピア

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票じゃない、絵文字をみるんだ。選挙へのエモを集計するサイトから感じるディストピア
Image: New York Times

さぁ笑顔でー。

2年間稼働してきたトランプ政権に対する国民の審判が下ったとも言われている今回の「中間選挙」。実はその最中、アメリカのNew York Times誌が自社のウェブサイト上で中間選挙に対する感情を絵文字で表現して投稿できるというサイトを公開していました。

ディストピアンな感情マップ

そのサイトがこちら。選択した絵文字がIPから割り出された自分の住んでいる州に表示されるという仕組み(というわけで日本からは参加することはできません)。執筆しているとき(開票が始まった頃)、一番多い感情は「普通」で「嬉しい」、「恐ろしい」という感情が続いているあたり、悲喜こもごもといった具合でした。

選挙に対しての感情を可視化するというのは面白い試みではありますが、選挙と単純に分けられた感情がまとめられているというのは、絶妙なディストピアSFの雰囲気を感じますよね。

発展形をイメージしてみたよ

このサイトを紹介した米GizmodoのTom McKayはきっと読者はディストピア小説『1984年』とダークなSFドラマ『ブラック・ミラー』を足して似で割ったような感じに思うだろうと評しながら、冗談交じりにこんな妄想を書いています。

McKay:娯楽のように見えるかもしれませんが、僕はあなた達より賢いので、これをソーシャルメディアのエンゲージメントや、プライバシーの侵害、機械学習技術を組み合わせた21世紀の民主主義の形の実験場だと認識できています。その未来の形が合成感情知的学習選挙機(the Synthetic eMotional Intelligence Learning Elector)、通称S.M.I.L.E.(スマイル)。


市民が自らの権利に基づいて用紙を使って参加する時代遅れで役に立たないアナログな投票とは異なり、S.M.I.L.E.は任意のモバイル機器での通知で絵文字を選ぶだけで、あなたの感情を測定する。これは義務であり、そのあとはあなたの絵文字に最もマッチする候補者を選ぶアルゴリズムがやってくれる。


『市民、恐怖を選んだあなたの候補者は:テッド・クルーズ』


(中略)


理論上、S.M.I.L.E.は知覚力を持ち、ハックされることはありません。さらに最高なことに、Facebookによって運営されているんですよ。

かなりドギツいオチを用意してきた妄想ですが、あながち可能性がゼロではなさそうな雰囲気。こういうアレな未来を防ぐためにも、自分の意志を持って投票に行かなくっちゃなぁ……。

行きましょう、投票。

Source: The New York Times via Gizmodo US