携帯電話の受信通知で一番ワクワクするのは、何といっても恋人からのメッセージの受信通知でしょう。

でも、その通知を今か今かと待っている間は、不安でいっぱいになります。

だったら、恋人とのテキストメッセージのやり取りをやめてみたらどうでしょう。

恋人とのメッセージをやめてみた

ライターのClara Artschwagerさんは、実際に恋人とのテキストメッセージのやり取りをやめてみた体験談をエッセイに書いています。

Artschwagerさんは、デートの相手とテキストメッセージをやり取りしていたら、コミュニケーションが意図した以上の意味を伴うようになってしまいました。

それで、「お互いにテキストメッセージでのやり取りはしない」という取り決めをしてみました。次のデートの約束は、毎回デートするたびに決めました。

話す必要があるときは、電話しました。待ち合わせに遅れそうなときや、何か事務的なことを連絡するときのみテキストメッセージを使っていいことにしました。

愛する人とのコミュニケーションを断つなんて、考えるだけでもショックなことです。恋人からの連絡を待つときのあのスリリングな予感がなくなるなんて、耐えられません。

でも、大局的に見れば、テキストメッセージは、長期的な恋愛関係にはなくても大丈夫だったのです。心理学者のTheresa E DiDonato博士は、学術誌『Psychology Today』に、始まったばかりの恋愛関係では相手と直接会って話しをすることが主だったと書いています

もちろん、ときには電話や手紙でのやり取りもありますが、現実に相手と会わないと、着実にタイミングの良いコミュニケーションは取れませんでした。

テキストメッセージのデメリット

テキストメッセージにはメリットもあればデメリットもあります。

DiDonato博士はテキストメッセージを使う場合のメリットとして次の項目を挙げています。

テキストメッセージは瞬時のジョークを必要としません。時間をかけて、気の利いた賢明なメッセージを細心の注意を払って考えることができます。

テキストメッセージにはボディランゲージがないので、汗ばんだ手、震えた声などが本来伝えたいメッセージを邪魔するのではと心配しないですみます。

相手と直接会ってする会話は複雑化する可能性がありますが、テキストメッセージは簡単です。

実際に人と会ってやり取りするとなると緊張してしまう人なら、言いたいことをじっくり考えてからメッセージを送信できるのはいいことです。

でも、いいですか。最後は必ず相手と会わなければならないんですよ。

そして、何でもテキストを介していると、現実とはまるで違う人間を頭の中で思い描いてしまうかもしれません。

次に、テキストメッセージを使わない場合のメリットを考えてみましょう。

落ち着いて生活できる

DiDonato博士によれば、さまざまな人たちから寄せられたテキストメッセージに関する不満としては、テキストメッセージに「過度に依存」するあまり、勉強やキャリアに関打ち込めなくなった、面と向かって相手と会えなくなった、などがありました。

Artschwagerさんは、「おはよう」、「元気?」「おやすみ」といったたわいないテキストメッセージのやり取りを一掃してみたら、すっきりしたと書いています。

彼女もデートの相手もテキストメッセージでの会話に時間を取られることも、次のメッセージはいつくるのか心配することもなくなり、自分の生活に集中できました。

最近、私がデートした相手は、1日ぐらいたってから返信する人でした。明らかに、本気度が低いです。

彼とテキストメッセージでやり取りをしていた2〜3週間は悲惨でした。

相手のメッセージを、今か今かと待って携帯電話をチェックしていると恐ろしく気が散ります。結局、長い間待たされた挙句に、「デートはしたくない」というメッセージが来ました。

メッセージを深読みして不安になることが減る

テキストメッセージを使うと、余計な不安の元になる発生する可能性があります。「テキストメッセージはミスコミュニケーションや誤解を招く機会を山ほど提供する」とDiDonato博士は言います。

テキストメッセージはしばしば混乱を招きます。ボディランゲージがないと、メッセージが曲解されたり誤解されたりする可能性があり、不安感につながります(例:彼は「Hi」だけ送ってきたけれど、これはどういう意味?)。

誰だって、新しい恋人が送ってきたテキストなら、一字一句分析して必死で意味を知りたいと思うでしょう。

それは、楽しい時間の過ごし方であると同時に精神的地雷原を歩くことでもあります。テキストメッセージを使わないと、このような分析をする必要がなくなり、直接会って会話するだけです。ああ、なんて安心なんでしょう。

相手と適度な距離を保てる

Artschwagerさんは、新しい恋人との間でテキストメッセージのやり取りを止めてから、お互いを思う気持ちが強くなり、2人で実際に一緒にいる時間が充実したそうです。

私は毎日落ち着いて生活しました。

彼がいつテキストを送ってくるかとか、私がテキストを送るべきかしら、といった心配が無くなり、手が反射的に携帯電話に伸びる頻度も減りました。

不安の代わりに期待が心に生じました。今度彼に会ったら、今読んでいる本のことや、今していることを話そうと思うとワクワクしました。彼に聞きたいこともたくさんありました。今週はどうだった?文章を書く仕事ははかどっている?

何を食べたの? 何を読んでいたの? 話したいことがたくさんありました。

寂しいときや退屈なとき、誰かの注意を引きたいとき、テキストメッセージを送る相手がいると楽しいかもしれません。

絶え間なくテキストメッセージを送るのをやめたおかげで、デートのときに、相手に話したいことがたくさんあるのは楽しいことです。

一方で、複雑な会話を避けると、関係が発展しなくなる可能性があります。メッセージの返信ができなくなると、関係もフェードアウトするかもしれません。

別れ話は直接会ってするべき

多くの人が、言いにくいことを伝えるときに、テキストを使っています。

典型的なのが恋人に別れ話を切り出すときです。テキストメッセージを使っている5人に1人が、恋人から別れ話をテキストメッセージで送りつけられています。

ほとんどの人は、そんな別れ方は受け入れられないと異口同音に主張しているにも関わらずです。DiDonato博士は、言いにくいことを話すとき、テキストに依存し過ぎると、人として成長ができなくなると言います。

テクノロジーを使えば、直接会って気まずい話をしなくて済みますが、恋人との別れ話は、どんなに辛くても直接会ってする価値があります。少なくとも人間的に成長する機会になりますし、世間が認めるやり方です。

恋人に「テキストメッセージは使わないことにしましょう」と言えば、「大事なことは何でも直接会って話しましょう」ということになります。

テキストメッセージは単なる補助的な「つなぎ」に過ぎません。

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Image: Rawpixel.com/Shutterstock.com

Source: The Cut, Psychology Today

Aimée Lutkin – Lifehacker US[原文