肉体は45歳との見立て。
オランダ版の『カーズ2』で、旧ソ産のちっこい車ザポロジェッツの声をやったEmile Ratelbandさんが、「体は45歳なのに実年齢が69歳であるばかりにTinderでモテず、同世代の間で浮いている。まるでトランスジェンダーだ」と、昨今の性別変更の波に乗り、生年月日の変更を届け出たところあえなく却下され、なんでだよ、とアーネム市を訴えています。
周りと比べて若すぎる
BBCに次のように忸怩たる思いを語っていますよ。
Tinderで69歳と書くと誰からも返事がこない。49歳と書きさえすれば、この顔なので、結構よりどりみどりできるのに。氏名も性別も変更できる今の時代、自分の年齢ぐらい自分で決められなくてどうするんだ?って思うよ。
法廷では「同世代と比べ、若すぎて浮いている。ある意味、トランスジェンダーの気分だ」と提訴理由を述べています。年齢と中身がかけ離れていることにより、プライベートでも仕事でも差別を受けており、このギャップを埋めるには、生年月日を1949年3月11日から1969年3月11日に変更する以外に道はないというんですね。
69歳だと可能性が限られてしまう。49歳なら新しい家も購入できるし、車もほかのモデルのに乗れるし、仕事ももっとくるんです。
とBBCに語るRatelbandさん。確かにこの写真では年齢より若いかな。いちおう医師の診断でも、肉体は45歳という見立てだったそうでして、「若い神」と自分で自分のことを呼んでます。自信満々です。
20年遡っても過去は消せないし…
これに対して裁判所は、どうしたもんかね、という反応でした。「人生最初の20年を消したいなんて、親御さんが聞いたら悲しむのではないか。手塩にかけて育てたのに。あの男の子は、じゃあ、誰だったって言うんです?」と問いただす裁判官もいた、とBBCは報じています。確かに、20年で得る不利益もあるし利益もあって、それは過去に遡ってチャラにはできませんからねぇ…。
Ratelbandさんは札付きのお騒がせマンでありまして、何年か前にもキリスト教系マガジンのインタビューで、オサマ・ビン・ラディンは「先見の明のある思想家」だったし、9.11テロ攻撃も「仕方のないことだった」と語り、袋叩きに遭っています。
判決は4週間後。果たして思惑どおり、20年繰り上げてモテ期を取り戻せるんでしょうか。
Source: BBC