そのバーゲンセール、大丈夫? アジアの8割以上の安売りPCは、海賊版ソフトをバンドルと判明

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  • author 湯木進悟
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そのバーゲンセール、大丈夫? アジアの8割以上の安売りPCは、海賊版ソフトをバンドルと判明
Image: China Photos/Getty Images News/ゲッティ イメージズ

Microsoftみずから動きました。

高いソフトウェアに、お金は支払いたくない。でも、使いたい…。そのジレンマから、ついつい人は海賊版ソフトに手を出してしまうようですね。その最大のターゲットの1つは、WindowsOfficeスイート(Word、Excelなどのソフトウェア群のこと)を販売するMicrosoft(マイクロソフト)だと言われています。もしOfficeスイートが、破格値でバンドルされているPCがあったとしたら、やっぱりつい手を伸ばしたくなってしまうのが心情ではないでしょうか。

有名メーカーを持つあの国でも

そんな悪魔のささやきで、違法コピービジネスを組織的に進め、莫大な利益を不正にあげている国が、アジアに集中しているんだそうです。このほどSoftware Testing Newsは、Microsoftが独自におとり捜査で実施した、海賊版ソフトのバンドルPCの販売ビジネスを調査したレポートについて報じました。なんとアジアの9カ国を対象になされた大規模調査で、ショップにて販売されていた8割以上の新品のPCが、違法コピー商品のバンドルを売り物にしてセールに出されていた実態が明かされていますよ!

調査では、店頭でバーゲン価格にて販売されていた166台のPCを、実際に購入しては中身をチェック。その結果、韓国、マレーシア、ベトナム、タイでバーゲンセール中だったPCの100%に、なんらかの海賊版ソフトが目玉商品としてバンドルされていたんだとか。韓国といえば、世界に名だたるブランドのPCを送り出すメーカーのお膝元でもあり、衝撃の結果です。また、台湾においても、73%のセール品のPCに、やはり違法コピーされたソフトウェアがバンドルされていたとされていますね。

安い代償は、海賊版のソフトだけでなく…

Microsoftが進めた調査は、その詳細が公表されておらず、どれくらいの規模のショップで、どのようなメーカーのPCに、海賊版ソフトをバンドルしてバーゲンセールが実施されいたのかなどは、現時点では不明です。これからMicrosoftが、発見したPCの販売元を相手取り、法的な措置を講じるのかどうかも定かではありません。しかしながら、こうして不正が見つかったPCには、例外なく、トロイの木馬仮想通貨のマイニングソフトなどが、ユーザーの許可なく仕掛けられており、安いソフトウェアのおまけに釣られて購入してしまうツケは、決して甘くとらえるべきではないと警告されています。

今回の調査結果には、日本市場が含まれておらず、違法コピーソフトを助長する市場は、ほかのアジア諸国と比べて、日本には目立った形では存在していないことが評価される形となっているのかもしれません。とはいえ、すぐお隣りの国では、海賊版ソフトが蔓延している実態も明らかになっており、旅行先通販などで、うっかりお得に見えるセール価格に釣られ、まがい物をつかまされることがないように気をつけたほうがよさそうですよね…。

Source: Software Testing News