アメリカ小児科学会(AAP)は、体罰撲滅の一環で、子どものお尻をたたくことを強く反対してきました。最近は、子どもを辱めたり自尊心を傷つけるような「ことばの暴力によるしつけ」も子どもの脳の発達に有害であるとしています。

AAPは、20年ぶりに更新する予定の「効果的なしつけのガイドライン」の中で、「体罰効果に限界があり、有害な副作用を生じる可能性がある。アメリカ小児科学会は、親が悪いことをした子どもをしつけるときは、お尻たたき以外の方法を奨励する」と声明しています。

新しいガイドラインでは、子どものお尻をたたくことは効果があるどころか、むしろ有害だと明確に指摘しています。

AAPによると、体罰や言葉の暴力を受けた子どもは、短期的には怖がりますが、長期的には行動が改善されるどころか、もっと攻撃的になる可能性があります。

ある研究では、3歳で月に2回以上お尻を叩かれた子どもたちは5歳時点で攻撃性が高まっていました。

さらに、9歳になると、ネガティブな行動を取るようになり、語彙学習能力が低くなることがわかっています。

子どもをたたいたり、怒鳴りつけたり、辱めたりすると、子どものストレスホルモンが高くなり、脳の発達に影響を与えます。

言葉の暴力も、10代初期から青年期の精神衛生の問題につながります。

「幸い、お尻たたきを実践する親は昔より少なくなりました。しかし今も多くの州では、体罰は子どもの心身に有害で、学業成績や他人との関わり方に悪影響を及ぼす根拠があるにも関わらず、合法です」

このように述べるRobert D. Sege博士は、AAPの「児童虐待・ネグレクト委員会」の元メンバーで、指針綱領の執筆者でもあります。

その指針綱領によると、規則や子どもに期待することを明確に定めてしつけに一貫性を持たせ、子どもが良い行いをしたときはご褒美をあげるなど、冷静で節度あるしつけの方法を用いる方が、ずっと効果があるそうです。

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Image: Skitterphoto / Pexels

Source: AAP, AAP Gateway

Meghan Moravcik Walbert – Lifehacker US[原文