ノスタルジーが蘇る。
11月16日に発売された「モンスターボール Plus」、海外の反応は? 米GizmodoのSam Rutherford記者の感想でどうぞ!
モンスターボールPlus
これは何?
Nintendo Switch用の新作ソフト『Let’s GO!ピカチュウ』、『Let’s GO!イーブイ』のコントローラとしても使えるデバイス。ポケモンGOプラスと連動できます。
価格
4,980円
好きなところ
あっけないほどシンプル。なのにとても多機能。造りも上質。特別感、ノスタルジー感満点。ポケモンGOプラスより上?
好きじゃないところ
取説がさびしい。ポケモンの鳴き声が古すぎる(任天堂/ゲームフリークはアプデ要るかも)。
『ポケットモンスター』シリーズ最新作であるNintendo Switch用ソフト『Let's Go! ピカチュウ』、『Let's Go! イーブイ』(以下『ピカブイ』)はあまり悩まなくていい(元祖ポケモンを最新のビジュアルと端末、マルチプレイヤーで楽しみたい人は買うし、そうじゃない人は買わない)ですけど、悩むのは付属の新コントローラ「モンスターボール Plus」を買うかどうかですよね。好きな人にとっては単なるプラスチックの付属品以上の思い入れがありますから。
ゲームやアプリ単体と違って、モンスターボール Plus(Poké Ball Plus) はポケモンの世界が広がる端末です。主な機能はコントローラ。Joy-Conの代わりにボールを握ってプレイできるんです。こんなんでどうプレイするんだよって最初は思ったけど、真ん中のボタンがジョイスティックだって気づいたら、あとはすんなり入れました。
厄介なのは持ち方
いちばん悩むのは持ち方ですね。サトシ(Ash)みたいに外向きに握っちゃダメ。ジョイスティックを上に向けて持つと、赤のてっぺんの円(決定ボタン)を握って操作できるようになります。あとはジョイスティックを押すとAボタンなので、攻撃の選択やポケモンの切り替えができます。赤のてっぺんの円のボタンは選択解除、メニューを閉じる、などの操作用ですね。
最近のビデオゲームのコントローラはボタン10個以上あるのが普通なので、2個って心許なく感じますが、もともとゲームボーイのゲームなので、これで十分です。Switchのハンドヘルドは大好きですけど、テレビとつないでJoy-Conで遊ぶよりは、モンスターボールPlusのほうが遊んで楽しいです。使いやすいかどうかはさておき。
投げて捕獲が実現
しかもモンスターボールを投げて捕獲する夢の操作も実現しました。『ピカブイ』では捕獲方法がポケモンGOと同じなので。「偽物のボール、TVに向かって投げて何が面白いの?」と言われるかもだけど(ストラップは手首にかならず巻いてね!)、Joy-Conと同じぐらい正確に狙えるし、ずっとアガりますよ。
親子で遊べる
『ピカブイ』は2人同時プレイできるので、ちっちゃい子どもにはモンスターボールPlus買ってあげるとピッタリですよ。難しい操作は大人がやってゲットの山場がきたらボールをエイッと投げてもらえば一緒に遊べるし、実際そうやって分担するほうが捕獲確率はあがります。ミスっても大丈夫で、ペナルティとかもないし、プレイヤー1が失敗したぶんは大人が挽回できたりもします。
ポケモンGOプラスより楽しいぞ
『ピカブイ』で遊んでないときは、ポケモンGOプラス(スマホを見続けなくても、ポケストップを回して捕獲できるウェアラブル)としても利用できます。GOプラス発売時の定価よりボールのほうが15ドル高いけど、何もかもよくなって新登場のアップグレード版なので。
捕獲で歩き回るときにはボールのほうがずっと快適です。220mAhのバッテリーはUSB-Cポートから充電できるので、ポケモンGOプラスみたいにボタン電池も買わなくていいし。Bluetooth接続もボールのほうが安定しているので、何度も同期し直さなくても遊べました(Goプラスはこれが悩みの種だった)。
ポケモンが中にいる!
モンスターボール Plusの真価がわかるのはむしろ、ポケモンGOとか『ピカブイ』で遊んでないときかもしれません。なんせソフトで確かな重みがあって持ち心地最高ですからね。それにピカブイとつなげば捕まえたポケモンをボールに「保存」して持ち運べたりもするんです。
保存するとランプがポケモンタイプの色に光ります(電気は黃、赤は炎など)。なんの前触れもなくブルブル震えたり、鳴いたりするし、ボールを振っても同じ反応が得られるので、やべえポケモンいる!ってなりますよ。心が薄汚れた大人じゃなくて5、6歳だったら絶対信じて疑わないと思います。ボールの充電中もポケモンセンターの回復音がするので、ついニマニマ。
夢をぶち壊しにするドット絵時代の鳴き声
ただテンションが萎える瞬間もあります。それが鳴き声。現代風に進化しているのはピカチュウとイーブイだけで、ほかのポケモンは全部、8ビットの赤と青の初代サウンドのまま(※海外では『赤・青』が初代ソフト)なので、テレビの派手な効果音に慣れた世代が聞いたら、なんだこれってなりそうです。これがいいっていう人もいるし、僕は大人なので「初代ポケモンはなんせ151種もあるもんね。全部つくり直すのは大変なんだろうな」って思うけど。それでもラッキー(Chansey)をボールに閉じ込めて振った途端、いつものきれいな歌声をやめて、ダイヤルアップ接続モデムみたいな懐かしサウンドになるのはどうにかして欲しいですね。あ~そうだよなあ、ポケモンなわけないよなあってなっちゃうじゃないですか。せっかく盛り上がっていたのに。
取説が不親切。消音にする手順すらない
モンスターボールPlusのもうひとつの問題がこれ。箱にはボール、USB-Cのコード、簡単な取説が入っているんですけど、取扱上の注意と充電手順があるだけで、使い方の説明は一切ないんです。なんとかいじってる間にマスターしましたけど、これ、わからない人もいるんじゃないかな。
たとえば、ジョイスティックを長押しするとポケモンがねむりから起きて光るとか。ボールを振ってポケモンと遊べば、振動や鳴き声で反応してくれるとか。呼ぶと30秒おきに5分ぐらいも叫び続けるので、ジョイスティックかてっぺんのボタンを押すと止まるとか。
こういうのは取説かウェブサイトに記載してほしいです。なでてもらいたいポケモン(ボールの脇をさする)、転がしてもらいたいポケモンもいるようなんだけど、そんなの書いてもらわないと想像できないし。
もっと問題なのは、「消音モード切り替え」という基本操作の記述もないことです。これは「ジョイスティックとてっぺんのボタンを両方同時長押し」、これでミュートになります。16日の発売と同時に親から苦情殺到で、学校で没収騒ぎになるんじゃないかと想像。
捕獲の旅のアフターも楽しい
出先でポケモン捕獲後はモンスターボール Plusをつないで、ゲーム内でまた少し遊べます。アイテムもゲットできます(ポイントとアイテムのカウント方法はまだよくわからないけど)。
ボールには幻のポケモン、ミュウ(#151)もついてきて(有料)、『ピカブイ』に転送できます。ボールを買う以外、捕獲の道はないようなので、新たなドル箱ゲット~。
子どもに戻りたい
なんだかんだいってもモンスターボール Plus、いいですよ。こんな単純なギミックなのに、子どもに戻りたい、こいつを持って、って思いました。Amiiboを何個買い込んでもこっちのほうが上だと思いました。ずっと多機能だし、リアルとビデオゲームをつなぐ架け橋の役目を他に類を見ない方法で実現しています。重さがちょうどよくて、ついついポケットに入れて持ち歩いてる自分がいます。
ここまで読めばもうわかると思うけど、僕は昔からポケモンのファンです。でも30の坂を越えるとさすがにね。でも子ども時代にゲットに注ぎ込んできた人にとってはモンスターボール Plus、普通のアドオン以上にスペシャルなお供になりそうです。
まとめ
・ポケモンGOプレイヤーにとっては、新ポケモンGOプラス。
・持ち心地最高。柔らかなクッション素材。
・ピカチュウとイーブイ以外の鳴き声は、8ビットの元祖ゲームボーイ版のままです。
・ミュウが買える唯一の道。
・バッテリーはコントローラとして使うと4時間もちます。ほかの利用ではもっと。