Samsung Galaxy Book 2レビュー:この端末にマッチするユーザーの姿が見えてこないのですが…

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Samsung Galaxy Book 2レビュー:この端末にマッチするユーザーの姿が見えてこないのですが…
Image: Alex Cranz/Gizmodo US

発表されるやいなや「Surfaceぽい」と言われているSamsungのGalaxy Book 2。バッテリー性能とLTE常時接続、ペン&キーボード同梱がアピールポイントの2in1端末。アメリカで、今月頭に1000ドルで発売。すでに、米Gizmodo編集部がハンズオン済みですが、今回は発売後じっくり使って見たレビュー。米GizmodoのMario Aguilar記者の感想は?


SamsungのGalaxy Book 2を使っていて、この感じどこかであったなぁと思いました。よく考えてみたら、前住んでいた古いアパートで、小さなドライバー1つでカーテンレール設置したときの気持ちと同じでした。つまり、できたことにはできたけど、めっちゃ疲れたしめっちゃ面倒臭かったというね。

Galaxy Book 2は、すでにさんざん言われている通り、Surface Proのライバル=似ている端末。カバーがスタンドとなりキーボードとなるところも、軽量で持ち歩き可能なところも、機能がつまったところもSurfaceを見据えたマシンだと言えます。1週間、メインのラップトップとして使ってみましたが、ポータビリティも柔軟性も兼ね備えた端末ではあります。ただそのためにちょっとした犠牲を払うことになるのですけど。

Galaxy Book 2


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Image: Alex Cranz/Gizmodo US

これは何?:Samsungの2in1端末。Surface Proの対抗馬。
価格:1000ドル。
好きなところ:バッテリー保ちがいい。キーボードとペンが同梱。
好きじゃないところ:遅い。RAMが4GBしかない。

Arm版Windows向けプロセッサ「Snapdragon 850」を搭載

スペック上、Surface Proとの大きな違いはプロセッサ。SurfaceがIntelチップなのに対して、Galaxy Book 2に積まれているのはクアルコムのSnapdragon 850。SnapdragonでWindows 10を起動する場合、元々はスマートフォン用に開発されたチップだけに、バッテリーの食いが少ないのが評判でした。春に、Snapdragon搭載のAsus端末をレビューしたときも、評判通りのバッテリーもちでした。そして、満を持してクアルコムがこの夏発表したのがSnapdragon 850、Windows 10での使用を目的として開発された初めてのチップです。

このチップを最初に搭載した端末の1つとして、Galaxy Book 2はかなり期待を集めています。バッテリーもち14時間は、前モデルのチップから1時間減りはするものの、Intel CPU搭載の競合他社端末と比較すればかなり長持ち。ただ、残念ながら、これだけではWindowsでSnapdragonを使うべき十分な利点とは言えません。Sansungいわく「バッテリーが数日もつ」とのことですが、ターゲットであろう忙しい現代人なら、正直1日ももたない! 絶対途中で充電器につなぐことになります。うたい文句の1つであるLTE常時接続を使うならなおさら! (Samsungいわく、Windows 10デフォルト設定のSモードを使えば、バッテリーもちはさらにアップとのことですが、このモードだとMicrosoft Storeからダウンロードしたアプリしか使えず、個人的には大変不便)

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Image: Alex Cranz/Gizmodo US

そもそも想定ユーザーは?

1000ドル端末として、何よりも残念に感じるのはパワーのなさ。複数のアプリを使っていると、動作が遅くなってしまいます。私がレビュー時に普段使いしていたのは、Slack、Spotify、ウェブブラウザ。私のようにこれらを普段使いしている人は多いでしょうし、重いアプリという位置付けではないと思います。それなのに、Galaxy Book 2はメモリ&CPUをキャパギリギリまで使っている状態でした。ウェブブラウザをGoogle ChromeからMicrosoft Edgeにしてみたところ多少は改善したものの、大きく影響するレベルではありませんでした。タブを3つ以上ひらくと、一気にスピードダウンするGalaxy Book 2。これでは困ります。ふと気がついたのですが、私はRAM 8GB未満のマシンには馴染みがないんです。Galaxy Book 2はRAM 4GB。1000ドル端末でこのスペックは残念。

と、ここで私がとんでもない勘違いをしていたことに気づきました。Samsung担当者と話してると、Galaxy Book 2の想定ユーザーは、一度に複数のアプリを使うことがなく、1日中端末使い続けることもなく、Sモード使いの人々とのこと。ミーティングに出てからメール10通に返信、また別のミーティングに出て、Word文書をすばやく編集…みたいな使い方をする人を想定しています。あぁ、そうなのか…。てことで、私が考えていた「いつでもどこでも仕事するという人たち」がGalaxy Book 2を使うと、もの足りず、イライラ・ガッカリしてしまうでしょう。

高くない?

値段の話をしましょう。1000ドル。ベンチマークだけ見ると、400ドルのSurface Goよりもちょっといいってくらいですから、Galaxy Book 2は500ドルらへんが妥当。いや、もちろんキーボードカバーとペンとLTE接続がセットになっているということを忘れてはいけません。それでもSurface Goとの価格差600ドル分の価値があるかと言われると、うーん…ない! 同梱のキーボードは、Surface Proのキーボードほど洗練されていませんし、ペンもメモ程度なら使えるけれども、それでもラグは感じます。LTEは、無料Wi-Fiやスマートフォンでのテザリングを使いたくない人には嬉しいでしょうが、個人的にはいらないっちゃいらない機能。そう考えると、Galaxy Book 2ってやっぱり高くないですか?

でも、ディスプレイは素晴らしいです。2160 x 1440の12インチ。ただ、個人的にはこれ系の端末にここまでいらないなって気もするのですけれど。

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Image: Alex Cranz/Gizmodo US

LTEありのポータブルな端末が欲しい!という人には、正直、Surface Go with LTEがいいのでは?と思ってます。まぁ、発売されてからレビューしてみないとわかりませんけど、あっちはRAM 8GBでキーボードとペンつけて909ドルですもん。ディスプレイは10インチなので、Galaxy Book 2よりも小さくなるものの、私の考えていた「いつでもどこでも仕事したい人たち」ならこっちかな。

仕事できるっちゃできるけど、イライラする

なんだかんだ、レビューの1週間、メイン端末としてGalaxy Book 2で仕事こなせました。でも、イラっとしました。正直、どういう人がこの端末に向いているのか、考えてもピンときません。ブラウザでタブ多めに開いたらスピードダウンするのはOKで、AMOLEDディスプレイとスタイラスペンとLTE接続は必要する人…。パフォーマンス性能が低い1000ドルの端末。現実的ではないのでは。

まとめ

・バッテリーもち14時間は素晴らしい。
・RAM 4GBはない。ウェブウラウザでタブ多めに開くとスピードダウンしてしまう。
・LTE接続はプラスだけど、必要とする人は少ないのでは?
・1000ドルは高い。

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Image: Alex Cranz/Gizmodo US


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