「次アレやろーぜ!」が終わらない。
本日発売となった、プレイステーション クラシック(PSクラシック)。編集部でアレコレと触っていると、「プレステの小さいやつだ!」といったドンピシャ世代の人もいれば、「PS3から入ったので新鮮です」というギャップ世代な人もいたり。差が出ますなぁ。
こうしてハンズオンを書いている今も、隣ではカメラマンが『鉄拳3』に夢中になっています。米Gizmodoのレビューはかなりドライでしたけど、このPSクラシックの真髄はサっと遊べる気安さだと思うのです。
HDMI繋げて即起動
PSクラシックは、HDMIでディスプレイやテレビと繋がります。ACアダプターは同梱されてませんが、汎用的な5V1A電源で駆動するため、USB電源のプラグ変換やモバイルバッテリーでも駆動可能です。
てことは、PSクラシック本体とコンセントの位置は関係ないということ。ディスプレイの横に置いてPCから電源を確保すれば、とてもミニマルに遊べます。「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」などのミニハード勢と同じ仕様ですけど、やっぱりこれは使いやすい。
HDMI入力をもつタブレットであればミニスーファミなどと同様に、タブレット+PSクラシック+モバイルバッテリーなどの電源、という組み合わせで、どこでもゲームが楽しめますよ。タブレットPCの「Diginnos DG-N09D」などはお安くて720pにも対応してて、わりと良さげらしいです。
POWERボタンで起動し、RESETでプレイ中にホーム画面に戻ります。OPENボタンは何に使うのかというと、『ファイナルファンタジーVII インターナショナル』のようなディスク交換系ゲームのディスク交換時に押すそうです。「ディスクを交換してください」というあのレア表示を、上手く体験に織り交ぜてますね〜。
ザ・プレステなローグラフィック
そしてそして、この懐かしくも味わい深いレトログラフィックですよ。ホーム画面には収録されている20タイトルがリング状に表示されます。ここの移動音、PS4のメニュー画面と同じだ!
出力解像度は720p/480pとなっていますが、最近の高解像度ディスプレイで表示してみると、なんともまぁデチューンなグラフィックと新鮮なアス比。PS3で初代プレステのソフトを起動した時と同程度のアップコンバートがかかるとのことですが、むしろこの過剰にアップしなさが良い。持ち味を活かせッ。
グラフィックのレトロさは、当時を知る人にとっては昔を懐かしむ思い出スイッチに、世代でない人にとっては当時の時代を垣間見れるタイムリープ体験になるでしょう。大人の事情でゲーム画面を映せないのが、これほど歯がゆく思ったことはありません。
データ上にはゲームごとに仮想メモリーカードが用意されていて、20タイトルにつき20個のメモカがあることになります。さらに、それぞれのタイトルでプレイ状況を保存できるクイックセーブ機能も搭載。現代アップデートとしては基本的な要素ですけど、メモカっていう表現を使ってきたのが好き。
USB端子プレステコントローラーの可能性
正直、PSクラシック本体はそれほど複雑な構造はしていないでしょう。PSエミュの基盤と必要な端子を、レトロなドレスでパッケージングしただけでだったとしても、僕は全然良いと思います。何故なら、USB端子になったプレステコントローラーが同梱されてるから。
『鉄拳3』でもしっかりコンボ打てるし、『R4 RIDGE RACER TYPE 4』でもチョン押しでゆっくりカーブを曲がれるし、このコントローラー、充分イケます。握りの良さも健在です。デュアルショックじゃないのか〜なんて発売前は思ってたんですけど、初期のスリムな感じも良いじゃん良いじゃん。
そういえば、USB接続ということなら一般的なゲームパッドとしても使えるんじゃないの? そう思っていくつか試してみました。が……。
Steamで設定してみたら2軸の十字キーでは上下or左右のどちらかしかアサインできませんでした。2軸で遊べるシンプルなフリーゲームなら使えそうですが、Steamを遊ぶにはやや表現不足だったか。
賛否両論は避けられない収録タイトル
PSクラシックの収録タイトルは、以下の20タイトル。
アークザラッド
アークザラッドII
ARMORED CORE
R4 RIDGE RACER TYPE 4
I.Q Intelligent Qube
GRADIUS外伝
XI [sái]
サガ フロンティア
Gダライアス
JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻
スーパーパズルファイターIIX
鉄拳3
闘神伝
バイオハザード ディレクターズカット
パラサイト・イヴ
ファイナルファンタジーVII インターナショナル
ミスタードリラー
女神異聞録ペルソナ
METAL GEAR SOLID
ワイルドアームズ
これら20タイトルが、約170gの箱に内蔵されています。「どうして○○が入ってないんだ」と、そう思ってしまうのはもう仕方ないでしょう。プレステは人によって辿るゲーム体験があまりにも違い過ぎる。
それでも、いざ遊んでみるとそれなりに満足できるラインナップだなと感じました。『I.Q Intelligent Qube』なんかは、普段ゲームらしいゲームをしない人とも遊びやすいでしょう。そりゃ『ゼノギアス』や『チョコボレーシング』も入れてほしかったけど、ここはプレステらしさとマスを取りに行くのがきっと正解。
実際に自宅でプレイする場合は、ディスプレイの横に置いておいて気分転換にPCとスイッチして遊べるようにするのも良いなーと。テレビと繋いでも良いけど、ここはガッツリさよりも手軽さを選びたい。昔はテレビのそばにあったプレステが、今ではディスプレイのそばにあるというのもグッとくる構図ですし。
収録ゲームや機能面は、良くも悪くもミニマルになっています(だってAC電源ないし)。が、PSクラシックという名のもとに、昔なつかしの冒険に再び出かけるということであれば、充分な体験を与えてくれるでしょう。これもひとえに、インターフェイスとなるコントローラーの出来の良さと、グラフィックのローテク具合が良い仕事してますね。
「プレステがこんなに小さくなった!」というワクワク感を、ミニスーファミなどよりも特別に感じたのは、サイバーで先鋭的だったプレステがこんなに小さくなるなんてっていう感動にあるのかもしれません。世代によりけりでしょうけど、プレステってやっぱりエッジーだったんですよ。
でも俺、『ミスタードリラー』こんなに下手だったかなぁ。ちょっともう1回やらせて?
Source: PlayStation Classic